6-3.リオ、カジノでハッスルする!
お城でヘンリーさんと面会して王様との面会のアポ取りを終えて、ボクとハルはホテルに戻ってきた。
部屋に入ると···、リオは縛られていたよ···。やっぱこうなったか···。
「お帰り~、アキ、ハル。リオはこの通りおとなしくしていたから平和だったわ」
「そりゃ、縛って身動きとれなかったらそうだろうね···。今回もアトラちゃんの鉄球付き手錠までやってるし···」
「アキー!助けてくれー!ナナー!アキが帰ってきたんならこれ外してもいいだろー!?」
「はぁ···。ナナ?リオを解放してあげて。このままじゃ話しづらいしね」
「え~?もうこのままでいいんじゃない?」
「さすがにそうもいかないよ。大丈夫!ボクが監督するから!」
「前回はそれで脱走されてるわよ?」
「うっ···。じゃあ、寝る時はボクとリオの腕をアトラちゃんが持ってる手錠でつないでおくよ」
「それじゃあアキの腕が引きちぎられるわよ?コイツの寝相が悪いのは知ってるでしょ?」
「···おぉぅ。それもそうだなぁ~」
「大丈夫だぞー!楽しんだらこっそり出て行ってやらないからなー!」
「はぁ···。ナナ?あんまり拘束しっぱなしだとリオのストレスが溜まっちゃうから、ガス抜きだと思って我慢してくれない?」
「はぁ···、わかったわよ」
「とりあえず、今日はこれから早めに夕食にしてから寝ようか?時差ぼけでもうアクロでは午後9時過ぎちゃってるからさ。カジノは明日朝から楽しめばいいからさ」
ナナはもうあきらめモードだったよ。いつまでも『待て!』は効かないもんね。ということでここの時間での早めの夕食を済ませてからちょっとして寝ることにしたんだ。
グロー歴525年8月3日 雨
おはよう~!現在午前4時半だ。時差ぼけのせいで勝手に早起きになっちゃってるんだよ。時差ぼけ調整はもうちょっとかかりそうだね。
今日は天気が悪いけど、朝からカジノで遊ぶよ~。朝食が始まったらすぐに行って、その後でみんなでカジノにやって来た。カークくんとクーちゃんは初めてだね。なので今回もボクが監督の上で全員1万ジールの手持ちでやることになったよ。
「ついに来たぞーー!オレは帰ってきたーー!!今日は1日中楽しむぞーー!!」
「リオ?ほどほどにね?」
「大丈夫だー!問題ないーー!!」
「アンタね!?前回もそれでいくら負けたと思ってるのよ!?学習能力ないわねーー!!」
「じーちゃんがこんなに楽しそうな顔してるのって初めて見たなぁ~」
「じーじがわるそうなえがおしてる。アトラねえ、じーじをやっつけるか?」
「クー、まだ悪さしてないからダメだぞ。悪いことをしたらやっつけるのがヒーローなんだからな!」
う~ん···、リオ一家はかなり雰囲気が怪しいなぁ~。リオはもう暴走モードになっちゃってるし、ナナが怒っても聞く耳持ってないね。カークくんはリオの姿を見てびっくりしてるし、クーちゃんはリオを倒さないとダメ!って思っちゃってるよ。アトラちゃんはだいぶ大人になったなぁ~。以前だったらもう手を出してるよ。
「カークくんとクーちゃんはボクが遊び方を教えるよ。あそこのスロットマシーンなら簡単だから、やってみるかい?」
「おう!アキじーちゃん、よろしくな!」
「なんでもけいけんするのがたいせつってアキじーじがいってたから、やる」
「ははは···。アトラちゃんとモンドくん、フーちゃんは好きにやっておいで」
「「「はーーい!!」」」
リオはナナに任せておくことにした。どうにもならなかったらマリオネットでリオを強制操作して退場するだろうからね。
ハルとレオは前回同様にテーブルゲームに行ったよ。今日はポーカーをやるようだね。ルール教えてないんだけど···、大丈夫かな?
モンドくんとフーちゃん、アトラちゃんは競馬に行ったよ。賭け方わかるのかなぁ~?ボク教えてないんだけど···。まぁ、もうちょっとで成人(エーレタニアでは10歳で成人扱い)になるし、だいぶしっかりしてきたから大丈夫かな?
ボクはスロットマシンにやってきて、カークくんとクーちゃんにやり方を教えてあげたよ。
「ここにコインを入れて、レバーを引くとドラムが回り始めて、自動で止まるんだ。この時に同じ絵柄が揃ったら勝ちで、ここからコインが出てくるからね」
「へぇ~!簡単なんだなぁ~」
「クーにもできる」
「じゃあ、好きな台で遊んでてね~。ボクは近くの台でやってるから、何かあったら呼んでね!」
3時間後···。
「アキじーちゃん!これ、楽しかったぞ~!始める前以上のコインになったぜ~!リオじーちゃんがハマる理由がわかるわ!」
「こいんがたくさんでた」
「カークくんとクーちゃん···。めっちゃ勝っちゃったね···」
知らない間にカゴが用意されていて、その中にはコインがじゃらじゃら···。ボクはスッちゃってるのに···。くじ運が悪いのか!?思えばトラブルまみれの人生だったから、人生の運が悪いのか!?
「じーちゃん!フーが大当たりしたぞ~!」
「フー、すっげーな!?3着まで全部当てやがったぞ!?あたいは全然ダメだったのに~!」
「じーじ!馬さんで勝っちゃった~!!」
「···まじかぁ~。3連単当てちゃったのか···」
競馬ではフーちゃんが万馬券を当ててしまっていた···。前回はフーちゃんは負けてしまって機嫌悪かったんだけど、今日は大当たりしちゃったものだからいい笑顔になってるよ。
「ちくしょ~!今回は運が悪かったぜ···」
「レオは負けちゃったんだね?」
「いや、途中までは勝ってたんだよ。『だぶるあっぷ?』ってやつで勝負に出たら負けちまうんだよ···」
ダブルアップは勝ったコインをそのまま次の勝負に賭ける方法だね。単発なら強いレオも、ダブルアップをやるとダメだったようだね。
「···今回も勝った」
「ハルさん···?そのコインの量はなに!?」
「···『ろいやるすとれーとふらっしゅ?』ってのが出た。···よくわからないけど、たくさん返ってきた」
「ビギナーズラックってやつか···。ハルさん、パネェっす!!」
ハルは今回も勝ちまくっていた!やっぱり駆け引きが上手なんだろうなぁ~。表情が変わらないってほかの人には見えるだろうけど、ボクはハルが笑ってるってわかってるよ!口の端っこが0.1度上を向いてるからね。···え?わからないって?どこ見てるのさ?
みんなの成績は良好だね!さて、問題のリオは···?あれ?いないぞ?どこにいっちゃったんだろう?ナナに聞いてみるか?一緒にいるだろうしね。電話アプリでナナを呼び出してみると···?
『あら、アキ?どうしたのよ?』
「いや、カジノにいないようなんだけど···、今どこにいるの?」
『部屋にもう戻ってるわよ』
「えっ!?もう!?どうかしたの?」
『···あのバカ、大負けしてコインがなくなったから、また自分のお金をつぎ込もうとしたのよ!だからボディブロー食らわせてからマリオネットで操ってそのまま部屋に戻ってきてるわ』
「あぁ~、やっぱりそうなっちゃったかぁ~。じゃあ、ボクたちも戻るよ」
ある意味予想通りの展開になっちゃったわ···。ボクたちが部屋に戻ると、ベッドごと縛り付けられているリオがいたよ。
「ナナ?リオは今日は何のゲームをやったの?」
「ブラックジャックっていう、前回ハルが勝ちまくってたゲームよ。『駆け引きならオレに任せろー!』って言ってやってたわよ。結果はさっき言った通りよ」
ナナの話によると、どうも21に近づけようとしてギリギリまでカードを要求して、結局21を超えてしまって自滅しまくってたらしいよ···。
「駆け引きなんて、アイツには土台無理な話よ。整調者だった時だって、そういうのはアイリさんとカーネさんが担当だったらしいでしょ?何を勘違いしてるのか、もうジジイになったからボケてきてるのよ···。はぁ~~···」
「まーま、じーじがわるさしたからやっつける?」
「クー、いいわよ。やっちゃいなさい」
「マーマ!?じーちゃんは気絶してるぞ!起きてから成敗したらいいか!?」
「そうね、アトラ。クーと協力して懲らしめちゃって」
「「おう!!」」
というわけで、リオは意識が戻ったと同時にクーちゃんとアトラちゃんから悪認定されて必殺技をノーガードで受ける事になったんだよ···。ちゃんとベッドが壊れないように手加減していたよ。
やっぱりリオくんは負けちゃいましたね!もうちょっと考えた方が···、と言っても聞いてくれないでしょうけどね。もしかすると『こうすれば絶対勝てる!』って言われたらあっさり騙されそうな気もしますが(笑)。
カークくんとクーちゃんはちゃんと勝ってましたね!フーちゃんは万馬券当てちゃうし···。みんな幸運なんだなぁ〜と思いましたよ。作者がこうしたい!って書いてないんでね。キャラが勝手に動いてるだけですから。
さて次回予告ですが、王様と面会してマクス帝国の状況が明らかになります。
そして翌日出発!ということで、名残惜しそうにリオくんはまたカジノへ行きますが、今回は全員がリオくんが負けるところを見たい!という野次馬根性で見学しますよ〜。
それではお楽しみに〜!




