初めての快楽
思いつき短編です。
ちょっと実体験も入ってます。
どうぞお楽しみください。
夜の繁華街。
酒の入ったおっさん達が、次の店を求めてうろうろしている。
あたしはその中で、気弱そうな小太りのおっさんに声をかけた。
「ねぇおじさーん。あたし暇なんだけどー、遊ばなーい?」
「え、え? わ、私?」
「そう。どこでもいいからさー。行きたいとこ連れてってよー」
「う、あ、あぁ……」
その時は無害そうなおっさんをからかって遊ぶことしか考えていなかった。
楽しければそれでいいし、嫌なことをされそうになったら大声を出せばどうにかなる。
そんな軽い気持ちだったのに……。
「ごめんね、調子に乗って朝まで付き合わせちゃって……。大丈夫かい?」
「だ、だいじょぶだいじょぶ……」
何よこのおじさん……!
すっごくよかった……!
あんなの初めて……!
こんな気持ちいいことがあるなんて……。
「……ねーおじさん……」
「な、何だい?」
「……またしよ?」
「えっ、い、いいの?」
こんな出会い、逃したらもったいない!
あたしは強引に連絡先を交換すると、次のおじさんの休みに合わせて会う約束を決めた。
「あー、そろそろ出ようか?」
「やだー! まだしたりない! ねーおじさん、お互い明日休みなんだしー、朝までしようよー」
「えぇ……。もう三時間ぶっ通しなのに……」
「ほらほらー、早く入れてよー」
「いや、ちょっと疲れたから休憩……」
「ふーん。じゃああたしが入れちゃうねー」
あぁ、もうこの気持ちよさからは逃れられない……!
「……相当たまってたんだね……」
「うん、あたしも自分がこんなになるなんて思ってなかった。どっか気をつかってマジになれてないところがあったんだと思う」
「ははっ、私もそうだよ。だからと言って一人でするのも飽きるしね……」
「ホントそう! おじさんとあたし、相性バッチリなんだと思う!」
あたしがそう言うと、おじさんも笑った。
「そっか。じゃあまた一緒にしようか?」
「もちろん! じゃあ次の予定決めよ!」
まだまだ満足できない。
もっともっとしたい。
きっと他の人とは感じられないものだから。
「それにしてもこんなに『ふたりでヒトカラ』を気に入ってもらえるなんて、私も嬉しいよ」
「超楽しい! 最高!」
おじさんが教えてくれた『ふたりでヒトカラ』は、文字通りヒトカラを二人ですること。
それにはいくつかの決まりがある。
相手を気にせず好きな曲を入れること。
曲を途中で止めるのも、サビだけ歌うとかもあり。
MVだけ見て歌わなくてもいい。
相手が歌ってる間、手拍子とかタンバリンとかもしなくていい。
その間にトイレに行ったり、何なら携帯見たりしてもいい。
相手がいない間は、連チャンで入れてもOK。
こんな自由なカラオケ初めて!
普通のヒトカラだと、『曲入れなきゃ』って歌いながら選んだりしてたまにしんどいんだよね。
でも『ふたりでヒトカラ』なら適度に間もあって、しかもその時間は好きに過ごせる!
おじさんの選ぶ曲が面白いのと、地味に上手いのもあるのかな。
とにかく! まだまだ歌いたいけど人前ではちょっと、ってためてた曲があるから、まだまだおじさんには付き合ってもらわないとね!
読了ありがとうございます。
エロい話だと思った?
残念!
カラオケ話でしたー!
……R18入れてない時点でわかってたはずだろ……?
だからその物騒なものを降ろして……。
……そうだ、いい子だ……。
ちなみに正式名称は『みんなでヒトカラ』です。
言っても最大三人くらいですかね。
気の合う仲間と先のルールを確認した上でやると、超楽しいです。
アニソン特撮アニソンアニソン特撮アニソン……!
アルコール飲み放題とかつけると、もう……!
お楽しみいただけましたら幸いです。