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昔話Ⅱと決めたこと

アレスがラストインフェルノを放ってからしばらくした後。居眠りをしていた門番の一人がその轟音に気付き目が覚める、そして音のした方向を見ると。


エリスたちがまだ生きているものを抱えて、こちらに向かって来ている。


「おい!酷い怪我じゃないか。」


エリスたちが森からズタボロの状態で走って来たのに気づいた、門番がエリスたちに声をかける。


「いや、私たちは大丈夫だ、それよりもこいつらを。」


ここで門番はエリスたちがまだ生きている人を抱えていることに気がついた。だが全員虫の息でもあった、もちろんエリスたちもだ、なぜここまで人を抱えて走って来れたのか不思議なぐらいにその体はボロボロだった。


「わかった、全力で助けよう、おい、お前ら起きろ!こいつらを病院に運ぶぞ!」


そう叫んだ門番にエリスたちが怪我人を渡したその時、エリスとミザリアの意識が途絶えた。




エリスとミザリアは病院のベットで目が覚めた、あたりを見回すと、窓の近くにミリアが居た。


「あっ、おはようエリス、ミザリア。」


心配したのよ〜と言ってくれる彼女であったがその目には光が無い。


あとで聞いた話によると、自分たちは一週間まるまる眠っていたそうだ。他のものは幸いにも命に別状は無かったが、もう冒険者としての活動はできないだろうとゆうことだった。


エリスたちはほとんど治っていたので、その日のうちに諸々の検査を終えて、帰ることができた。


家に帰る途中ミリアはアレスのことを聞いて来た。


「ねぇ、アレスの最後ってどんな感じだった?」


「カッコ、良かったです…自分も限界なのに、私たちに逃げろと言ってくれて……」


「そう、あの人らしいわね。」


ミザリアがそう答えると、ミリアは笑ってそう答える。


「私この街を出ようと思う。」


ミリアが突然そんなことを言い出した。


「なぜ…ですか?」


エリスが理由を問う。


「私はね、この街で育った。この街が好きだった、でも、これ以上ここにいても、私が壊れそうになる、この街のいろんなところを見るたびにあの人との思い出が蘇ってくる。もう壊れそうなのよ、あの人を思い出すたびにアレスに会いたいって気持ちが大きくなって、何度も何度も、死のうか、と思ってしまう。だからここを離れるの。この子のためにも。」


ミリアはお腹をさすりながら、そんなことを言った。


「そう…ですか。」


エリスはそれ以外に声をかけることができなかった。



後日

ミリアは唐突にどこかに消えた。

もうこの街を出たのか、それとも本当に消えてしまったのかはわからないが、

あの時の彼女はもう壊れていたのだ。





エリスが昔話を語り終えた後しばらく食卓は静寂に包まれた。

このを静寂を最初に破ったのは、ミザリアであった。


「ねぇ、冒険者の平均寿命って知ってる?」


そんな泣きそうな声で俺に聞いてくるミザリア。


「…」


「そうだよね、わかんないよね、実はね、冒険者って大体の人が20歳まで生きられないの。自分の実力も分からずに変に自分を英雄かなんかだと勘違いして死んでいく……そうゆうものなのよ冒険者ってのは。」


「別に私たちは、ミアの夢を否定したいわけじゃない、冒険者になるってのもいい夢だとは思うわ、でもねこのことは知っていて欲しかったの。」


そうミザリアの言葉を続けるエリス。


俺はもう、何がなんだかわからなくなって、食事を放り出して自分の部屋に逃げた。


「ちょっと、ミアちゃん!」


そうやってミザリアは俺を止めようとしてきたが、その手を俺は振り払って自分の部屋に入って鍵を閉める。


ミザリアが自分の部屋の前で語りかけてきた。


「ごめんね、ミアちゃん、また落ち着いたら出ておいで。」


俺はベットの上で自分の気持ちを落ち着けるのに精一杯だった、頭の中でさまざまな感情がが駆け巡る、冒険者になりたいなんて言うべきじゃ無かった。


「もう…いや。」


不意にポロッと出たそんな言葉が、私の今の気持ちをよく表していた。




あれから何日経ったであろうか、お腹も空いたし、そろそろ風呂にも入りたい。そう思って、私は部屋を出た。


部屋を出て、リビングに行くと、ミザリアが居た。


いつものように朝ごはん食べる?と聞いてくる。私がこの間のことを気にしないように気づかってくれているのか。


「ごめんなさい、ごめんなさい、私そんなこと知らなくて…」


私はいつのまにかミザリアに抱きついて泣いていた。


ミザリアはそんな私に優しく声をかけて、抱きしめてくれた。


「も〜心配したんだからね、髪もこんなにぐちゃぐちゃになっちゃって。かわいい顔が台無しだよ。」


「ごめんなさい、ごめんなさい。」


私はその優しい言葉に対してひたすら謝ることしかできなかった。




その日の夕食時


「結局はどうすんの?」


エリスがこの間の答えを聞いてきた。


「…」


「ちょっと、エリスミアちゃんはまだ気にしてるのよ!そんな風に言わなくてもいいじゃない!」


ミザリアがエリスに対して怒ってくれた。


「いや、良いの。」


「ミアちゃん…」


「私やっぱり、夢を追いかけたい!冒険者になって世界中のいろんなところを見てみたい!」


俺は自分の正直な気持ちをミザリアたちに伝えた。


「そう、あの話を聞いてもなりたいんだ。いいわよ、なりなさい。でもね死なないでよ。」


そう言い終わるとエリスは少し泣いていた。なんだかんだで彼女も俺のことを心配してくれていたのだ。

エリスが突然立ち上がり、俺に抱きつきそれにミザリアも混ざる、そんな暖かな光景がそこにある。


ああ、暖かいこんな気持ちになれたのは何年ぶりなのだろうか、前世では報われることは無かったけど、

この人生は報われるそんな気がする。


今後の作品作りの参考にしたいので感想やここがダメとかゆう批評文などを送ってくれるとありがたいです。

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