ギルドの便利な仕組み
「ねぇ、ミアちゃん今日買い物行かない?服もさ、それと最初に来てたワンピースだけだし、ねっ。」
ミザリアが突然そんなことを言い出した。
「いいけど、、、まさかこの服で行くの?それは恥ずかしすぎるんだけど。」
「いやいや、そんなわけないじゃん、最初に出会った時に着ていたワンピースあれ着なよ。」
流石にそうだよね、メイド服なんて街に着て行ったら恥ずかしさで死ねるもん、、、俺は聞いてないぞ、ミザリアが小さく「こんなかわいいミアちゃんを私たち以外には見せたくないしね」っとエリスにつぶやいていたのを。
「あれ?服屋に行くんじゃないの?」
なぜか俺は最初に出会った日にロープでぐるぐるまきにされて連れてこられた。ギルドに来ていた。しかも神にもらった金貨も持って来てと言われたし。
「ああ、それね、だってミアちゃん子供だし、このまま金貨とか持ち歩いていても盗まれた、とかなったら大変じゃん、そこでね。エリス説明してあげて。」
なぜかドヤ顔でエリスに説明を頼むミザリア。ミザリアはこうゆう頭を使うことが少々苦手だ。
「はぁ、もうミザリアったら、まあいいわ、ここギルドには冒険者のお金を預かって、商品を店で買うってなったら、お店で冒険者カードを使って、その代金を預けているお金から立て替えてくれるの。商業ギルドに加盟しているお店はだいたいこれで買い物できるわよ。」
そう言ってエリスは冒険者カードをポケットから取り出し、俺に見せながら説明してくれた。
なるほど、前世のカードみたいなものか。意外と便利だな、異世界って。あれ?そういえば、
「私って冒険者じゃないけど、それ使えるの?」
「ああ、使えるわよ、ちょっと手数料がかかっちゃうけどね。冒険者になれば無料で使えるわ。」
そう説明してくれたエリスに俺はへぇ〜と相槌を打ち、その流れで俺がギルドのドアを開けて中に入ると。
「おお〜」
思わず感嘆の声を上げるほど、雰囲気が俺の前世のイメージどおりだった、真昼間から酒を飲み交わす男たちに剣の手入れをしている孤高の剣士。ギルドのクエストが貼ってある掲示板を吟味するパーティ。
どれもこれも、俺のイメージした、Theギルドって感じだ。
前は裏口から入ったし、その夜に取った夕食では泣いた時の記憶が強すぎてギルドの雰囲気なんて覚えて無かった。
そんな風に思いながら辺りを見回しているとエリスたちに気付いた、冒険者たちが「姐さん!」とか「ミザリアさん!」とか言ってる声が聞こえる、ミザリアたちは冒険者の中で結構な有名人らしい。
それに二人は笑顔で答えていた。
「あら、ミザリアさん本日はどのようなご用件で?」
俺たちに気づいた、ギルドの受付嬢が近づいてきた。
「ああ、この子のお金を預けたくて。」
エリスが受付嬢に答える。
「お金を、ですか?失礼ですがその子はいくらお持ちで?」
「20金貨よ。」
なぜかミザリアがドヤ顔で答える。
「あの、もう一度お願いします。」
「だから、20金貨よ。」
「ええっぇえ〜!!!」
そんな受付嬢の驚いた声がギルド内に響く。
「いや、だってそんな20金貨もあれば家が普通に買えちゃうじゃないですか!?なんでそんな大金をその子が!」
「しっ〜声が大きい周りに聞こえちゃうでしょ。」
ミザリアが驚いた受付嬢を黙らせる。幸いにも酒を飲み交わす男たちの声の方がうるさかったので今の話は誰にも聞かれてはいなかったが。
「しっ、失礼しましたとりあえず、窓口では対応しきれないので、奥に。」
そう言われて奥に案内される俺たち、とゆうか、これってそんなに大金だったのか、神にはそんなこといっさい聞かされてなかったが。
しばらくして俺はギルドマスター室に通された、ちなみにミザリアたちは、別室で待機だ。
目の前に、黒髪でガタイがよくその目には歴戦の証だろうか、傷が入っているギルドマスターが座りその背後にはこの間のエラルさんがいた。顔見知りがいて俺は少し安心した。
「さて、ミア君だったかな、私はここのギルドマスターのドランだ、よろしく。」
そう言ってドランが俺に握手を求めてくる俺が小さいのもあるだろうが、握手をしたその手はものすごく大きかった。
「単刀直入に言おう、なぜそんな大金を持っている?そしてエラン君もだ!なぜそのことを俺に報告しなかった。」
そうギルドマスターに聞かれた。どうしようか、正直に神にもらったとか言うか?いやいやそんなこと言ったら、怪しまれるだろ。誤魔化そうかなやっぱり。
とか考えていたが先に口を開いたのはエランさんだった。
「申し訳ありませんギルドマスターこの子は相当な訳ありでして、一連のことがまとまってから、ご報告しよかと考えていたのですが遅れてしまって申し訳ございませんでした。」
「そうなのか、ほー、相当な訳ありね。」
そう言ってギルドマスタードランが俺の顔をジロジロと見てくる、めっちゃ近い、そしてものすごく怖い。
「まあいいわ、ウチのギルドに金貨を20枚も入れてくれるなら、ニセモノじゃ無ければ構わんわ。」
そう言ってドランはドカっと椅子に座り直した。そしてエランさんが合わせるかのように何か機械のようなものを持って来る。
ドランさんって意外と、適当な人なんだなと思って。なんか安心した。
「さて、ミアさんこの魔法具に金貨を入れてください、そしたら本物かどうか鑑定されるので。」
どうやらエランさんが持って来たのは金貨が本物かどうか確かめる魔法具らしい。俺は全ての金貨をその魔法具に入れた。
「はい、ちゃんと本物ですね。良かったらこのまま金貨をウチに預けるのと、決済に使う非戦闘員用の冒険者カードを発行しますがどうしますか?」
良かった、ちゃんと金貨は本物だった。そうだな、このままお願いしちゃうか。
「はい、お願いします。」
俺は笑顔でそう言った。
「承知いたしました。」
エランさんも笑顔で返してくれた。
俺が諸々の手続きを待つ間、ギルドマスタードランさんがこんなことを言ってきた。
「お前冒険者にならないか?」
今後の作品作りの参考にしたいので感想やここがダメとかゆう批評文などを送ってくれるとありがたいです。