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暗い街を月明かりが静かに照らす中、エリスは泣き疲れて寝てしまったミアを自分たちの家まで運んでいた。


「やっと泣き止んだね。」


「…。」

エリスがそう語りかけても、ミザリアは暗く俯いたままだ。


「どうしたの?」


「私、、、ミアちゃんに対して酷いことを、、、」

そこにはいつもの明るいミザリアの姿はない、エリスはこんな感じのミザリアを見るのは2回目だった。


「何よ、あんたらしくない大丈夫だって。」


「でも、私、あの子のトラウマを引いてしまった気がする、、、」


「まあ、そう思ってるなら起きた時に謝りな、きっとこの子なら許してくれるって。」


「…。」


「さて、ついたわね」

そう言って、エリスとミザリアは自分たちの家に入る、それは二人で住むにはあまりにも大きい家だった。


「あんた今日はミアと一緒に寝な。」


「えっ、、、でも私は…」


「いいから、夜中に泣き出したら、大変でしょ。」


「それだったら、エリスの方が…」


「いや、私はこの子に酷いことしちゃったし。あんたの方がいいって。」


「でも…」


「でもじゃない!ほら行った行った」

そうゆうとエリスは今まで抱いていたミアをミザリアに渡して自分は寝室に向かってしまった。




俺は目が覚めた、フカフカのベットの上で、少し体を起こして目を擦る、まだぼんやりとする目線の先には丸いすに座ったミザリアがいた、「あっ、おはよ〜」とミザリアはあいさつをしたが、完全に寝起きの人のそれではない、ものすごく疲れていた様子だったし、目の下にはクマが出来ている、、、もしかして俺が寝ている間ずっと起きていたのか!?


「昨日は、ごめんね、ミアちゃんのトラウマに触れちゃって。」


「私こそごめんなさい、でも、ミザリアもしかして寝てないの?」


「あはは〜バレちゃったか、ミアちゃんが心配で寝れなくてね。」


やっぱりだ、この人俺なんかのために、今まで寝てないんだ、、、


「さて、朝ごはん持ってくるからまってt…」


俺はキッチンに向かおうとするミザリアを引き止めた、

「寝てて。」


「いやでも、お腹すいたでしょ。」


「いいから、寝てて!」

俺は今にも倒れそうなミザリアを強引にベットに寝かせた。


「はは、優しいんだね。」


「もう、ムリしないでよ。」

いや、本当にムリしないでほしいものだ。


「ごめんね、」

ミザリアはそう言うとすぐに寝てしまった、よっぽど疲れていたのだろう。


俺は部屋の外に出た、ここはどうやら2階らしい少し遠くに下に続く階段が見える、しかし広いな、人の気配もしないし、こんなところにたった二人で住んでいるのか?もっと十人ぐらい、いるなら納得の広さなんだが、、、


そんなことを考えながら、階段を降りていくと、エリスがいた、彼女はコーヒーみたいなものを飲みながら、朝食を食べていた。


「おはようミア、あれ、ミザリアは?」

階段を降りてくる俺に気付いたのか、エリスが朝食を食べる手を止めた。


「おはようございます、エリスさん、ミザリアは寝てますよ、とゆうかなんで、あんなになるまで、ほっといたんですか!?」


「いや、私も止めたんだよ、でもあの子頑なに寝ようとしなくて、ミアが起きる3日間ぐらい、ミザリアはまともに寝てないわね。」


あの人3日も寝てなかったのか、本当に申し訳なく思える。


「あと、堅苦しくなくてもいいよ、普通にエリスって呼んで。さて朝ごはん食べる?」


「はい、食べます、、」

俺はそう言った、3日も食べてないと流石に腹が減る。


「美味しい?」


「、、はい。」


「元気無いね?なんかあった?」


「、、いえ、、、別に、」


「そう、でも辛かったらいつでも言ってね。」

そう、言いながら、エリスは少し微笑んでいた。


「あとこれ、あんたのでしょ、」


そう言って、エリスは俺が神からもらった、小袋を渡してきた。


「あんた、何もんなの」


エリスはいきなりそんなことを聞いてきた。


「だっておかしいじゃん、子供がこんな大金を持ってるわけないし、それに中に入っている手紙を読もうとしたけど読めなかった、この手紙には対象人物以外が読めないようになっている魔法がかかっている。本当にあんた何もん?」


どうする?素直に話すか?いやでも、、とか考えていたが意外とこの問題はあっさりと解決した。


「なんてね、怖がらせてごめんね、ミアが邪悪な存在じゃ無いってことはわかってる、だってエラルの魔法に引っかからなかったし。」


そう言い終わると、エリスはいきなり俺を抱きしめてきた。


「、、、相当辛いことがあったんでしょう、ギルドの酒場でのあの泣きよう、過去に相当

辛いことがあったのね、大丈夫、ここは安全だし、ミアが望むなら、いつまでもここにいていいからね。」


俺は目からボロボロと涙が出ていた、『居てもいい』こんな言葉をかけられたのは初めてだ、今まで、会社も、世間すら、俺の居場所は無かった、けどここなら、安心できる気がする。




あれから3ヶ月たった、ここでの生活にも慣れてきて、今俺は朝食を作っている、2人には『別にいい』と言われたが逆に何もしないで、いると落ち着かないので、今はこうして二人のお手伝いとかをして、毎日を過ごしている。


「あっ、おはようございます!」


そんなことを考えていると、エリスたちが2階から降りてきた。


「ミアちゃん、おはよ〜うんうん、ちゃんとその服着てるね。」


ミザリアがそんなことを言う、そう俺は今、メイド服を着ていた、手伝うならこれを着なっとミザリアに渡されたのだ。


「ねぇ、やっぱこの服着ないとダメ?恥ずかしいんだけど。」


「えぇ〜最初着た時、結構気に入ってたじゃん。」


最初にこれを強引に着させられた、時には俺の白く、透明感のある髪によく映えるな〜とか思っていたけどやっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。これじゃあまるで猫耳メイドじゃないか!


話は変わるが、この世界の人の髪はカラフルだ赤や青に緑に黄色などすごくさまざまな色髪がある、これらは本人の魔法元素の適正に関係している。


火属性の適正なら赤

水属性なら青

土属性なら黄

風属性なら緑だ


魔属性や光属性なんかは黒や白だこれは結構珍しいらしい。


他の元素同士の髪色が混ざって、違う色になっている人もいるその人たちは複数元素に適正があるが、威力が単色の人よりも落ちる。単色で色度の濃い髪色をした人が高威力の魔法を放てる、でもまあ今時純粋な単色はあんまりいないらしいけど。エリスはちょっと青の混ざった緑、ミザリアはちょっと赤が混ざった黄色だ。


そして俺は髪が白い、だが、ものすごく薄い。薄いとゆうか、透明感がありすぎる。まるで元々色が無かった感じだ。まあ気にしても仕方ないか。


そう考えて、みんなで食事を摂り始めた。


「ねぇ、ミアちゃん今日買い物行かない?服もさ、それと最初に着てたワンピースだけだし、ねっ。」


ミザリアが突然そんなことを言い出した。


猫耳メイドって、、、いいよね。

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