(64)町並み
最近の町並みの変貌ぶりには目を見張り、思わず驚くことがある。今日は、そんなどぉ~~でもいいような驚くお話です。^^
朝の八時前である。とある商店街の通路を一人の男が右に左と眺めながら何やら探している。そこへシャッターを上げて開店準備をしようと埃叩きを片手に出てきた店のご主人が男に気づいた。
「…どこか、お探しですかいのう?」
「ああ…こりゃ、ちょうどいい! つかぬことをお訊ねしますが、この辺りに四天王寺屋という金物店はございませんか? …確か、二十年前にはあったんですが…」
「四天王寺屋さんですか? ありました、ありましたっ! いや、何かの都合で引っ越されたんですが、もう、かれこれ十五年前になりますかいのう…」
「そうでしたか。いや、街並みが驚くほど奇麗になったもんで、さっぱり分かりませんで…」
「そりゃそうですばい。三年前の都市計画で、店も道路も驚くほどすっかり様変わりよりましたでのう…。地元の者でも前あった店に今だに走りよります、ははは…」
「ははは…地元の人でも間違うんですか。こりゃ、いい…」
街並みは驚くほど変わっても、住まう人々は変わって欲しくないものです。^^
完




