オタクは推しのグッズ収集に余念が無い
前回︰前世とゲームの話がバレたよ
私が前世持ちだというのは二人以外、公爵家の人達にも伝えない事になった。
あの後、戻ってきたリィナや公爵家の人達とも話せて、私は願いの枝の奇跡に触れたとして皆から大いに喜ばれた。
―数日後。
付け焼き刃のカーテシーを身に付け、いざ国王陛下の謁見へ。
二人はカーテシーが出来なくても小さい子だから許されるとは言っていたけど、第一印象は大事!!!
どこで二人の評判を私が傷付けてしまうか分からないからね!!!オタクのせいで推しが悪く言われてしまうのは絶対悪!!!断固阻止!!!
ちなみに転生後の姿は、
長いピンクブロンドに、明るめブラウンの瞳。
顔も二人の隣に並んでも見劣らない可愛さ。
転生補正が全力で火を吹いている。
「まぁ!ティア様、良くお似合いです!」
「えへへ」
国王陛下に謁見するから、私も今日は最高級のドレスを装備。3歳なのに少し大人っぽく見えてしまうバフ付き。
今日のドレス、二人がデザインやら色やら決めてくれたらしいんだけど、貰った時に思わず変な声が出てしまった。
……だって!!二人の!!推しの色が!!入っている!!
胸元を彩る可愛い宝石、ドレスのフレア部分、色々な場所に二人の髪色の銀と黒が散りばめられていた。
ちょっと謁見にドキドキしていたけど、二人に守られている感じがして安心する。
うん。きっと大丈夫。
「とーさま!パパ!」
「あんまり走ると危ねぇだろ」
「えへへ。ごめんなさーい」
二人の元へ駆け寄る私を戒めつつ、優しく抱き抱えてくれる父様の胸元にほっぺをスリスリする。
「よく似合ってるね、可愛い」
「お前の髪色に良く映えてるな」
「とーさまもパパもかっこいい!!」
今日の二人は、いつもの騎士服と魔法師団ローブと違い、謁見時や貴族としての公式行事に参加する際の礼服だ。
ゲームでは出てくる事がなかった服装に髪型!!!
父様は髪をオールバックに、パパは三つ編みにレースを編み込んでいて最高に眼福。現実やばい。
今日の服装は公爵家の絵師さんが、後で描いてくれるらしい。もちろん保管場所は私の部屋です!!
オタクは推しのグッズ収集に余念が無いのです!!
「とーさま、きょうはだれがいるの?」
「あぁ。今日は陛下と妃殿下、宰相様がいるのは聞いている」
「ティアを見たくてお子様達も来るかもしれないね」
陛下のお子様といえば、攻略対象の第一王子フレッド様?
私は二人に夢中だったし、正直に言うとそこまで興味はなかったからお会いしても興奮することはないかな。
「それよりもティアは何でサリオンの膝の上なの!」
「そりゃあ、さっき抱いてた流れで、だろ」
「僕だって膝に乗せたい!!」
「もう馬車走ってるんだから無理だろ、危ない」
「パパ、帰りはパパのお膝に乗せてね」
「うん、いいよ〜」
「はっ。チョロい」
「何か言った?」
「何でも」
馬車に乗る時、何かパパが不機嫌そうだと思ったら、そういう事か。最初から行きは父様で帰りはパパの膝の上に乗りたいって言っておけば良かったな。
そうそう、私の精神は表に出るのは3歳相当で、それ以外に考えたりする時の内なる精神は前世の精神が強めに出てるらしい。これも転生補正ってやつか。
「ほら、見えてきたぞ」
「あれが……おしろ!」
領土を割り当てられているフリューゲル家だけど、普段は仕事の関係で王都に住んでいる為、割とすぐに王城は見えてきた。
よし!
推しを不幸にさせないように陛下の謁見を成功させるぞ!
いつも読んでいただき、ありがとうございます!
推しのいつもと違う姿は発狂ものですよね!
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