表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/38

お話したい!

前回:世界で一番幸せになります



フリューゲル家のメイドさんや執事さん達は、

私を養女に迎える事、セレスティアと名付けた事をとても喜んでくれた。



貴族の養女になるには一度、王族に謁見して許可を貰わないといけないんだって。何でだかは知らないけど。



「そうだ、ティア。君にこれをあげようと思っていたんだ。リィナ持ってきてくれる?」

「かしこまりました」



程なくしてキースが差し出したのは、一本の枝だった。

あ、これ知ってる。願いの枝だ。



「これはね、願いの枝。子供を迎えた時に親から渡すものなんだ。強い願いを持つ者に願いを叶える力を与えてくれると言われているんだよ」

「まぁ、誰もこれで願いが叶ったって奴はいないから一種のまじないみたいなもんだけどな」



確かにゲームでもこの話はサラッと出てきただけで、重要なキーアイテムでも何でもなかった。

でもこの二人から貰ったら何か凄い力宿りそうな気がするよね、うんうん。



「ティアのベッドサイドに置いておいて」

「かしこまりました」



キースから枝を預かり、テキパキ動く彼女はリィナさん。

この家のメイドさんで、私のお世話係。

おむつ変えてくれたり、ミルクくれたり、何でもしてくれる。



そんな彼女、デキるメイドさんなだけではない。

超かわいい!!!!!!

最初見た時「え?天使?」って思った、まじで。

白いツヤ肌に大きな瞳を彩るマリンブルー、ゲームではヒロイン以外見かけなかった黒髪ボブ。



「ティア様〜」って微笑みかけてくれた時にはもう!!!!

たまらん!!!!!笑顔サービスしちゃう!!!!



「ティア、僕達はこれから仕事に行かないといけないから、また夜会いに来るね」

「いい子にしてろよ」

「たーたい!!(いってらっしゃい!)」



この喃語でしか話せないもどかしさ。

赤ちゃんっていつから話せるようになるんだっけ?

……うーん、分からない。



早く話せるようにならないかな。

話せるようになったら二人の事は何で呼ぼうかな。

キースはパパで、サリオンは父様?

話せるようになったらいっぱい大好きだって伝えたい。

この国の事、この世界の事いっぱい教えてほしい。



ちらりと視界に映る願いの枝。



お願いします、願いの枝。

私を早く話せるようにしてください。

3歳くらいまでポーンって大きくしてください。

……なーんちゃって。



私は忘れていた。

私の存在は多分というか確実にイレギュラーだという事を。

ごめんなさい。

願いの枝、目も開けられないくらい輝いています。



「……ティア!」

「くっ……魔法が発動しない!」

「お嬢様!」



すぐに収まった強い輝きは、しばらく周りにいた人の目をくらます。



でも私はそれどころじゃなかった。

明らかに大きくなった手。

目の前に見える足。

自力で起き上がれちゃった事。



「ほ……本日は晴天なり」



喋れちゃった事に。



「……ティア?」

「……まじかよ。どうなってんだ」



こっちが聞きたい。



セレスティアと名付けられたその日。

願いの枝により、3歳になりました。

感想、評価、ブクマありがとうございます!!


面白かった!更新頑張れ!と思ってくださる方は

良ければ評価やブクマ等、よろしくおねがいします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ