情報過多
前回 推しが現れた。びっくり。
推しが目の前に現れた。
推しが私を撫でている。
私は何故か赤ちゃんになっていた。
……情報過多ッッ!!!
確かに
「次に目覚めたら、推し達の娘になってたりしないかな~」って思ってはいたけど。
こうもすぐに超展開来るとは思わないじゃん?
しかもこれが夢じゃないのであれば、前世の私は死んでいるわけでして。
定番の異世界転生といえば……
【道路歩いてたら異世界転生トラックエンド】
とか
【急に眠気が...過労死エンド】
だけど、私はその記憶が一切ない。
一生に一度しか経験できない人生の終わりを経験し忘れる
なんて一生の不覚じゃん!!
でも、推しが目の前にいるのでプラマイゼロ!むしろプラス!!
「この周辺に集落もないし、人の気配も察知できない。
ねぇ、サリオン。この子を家に連れ帰っちゃダメかな?」
「こんなところに放置できるわけないって分かって言ってるだろ、いい性格してんな」
「何、その言い方!この子を連れ帰るの反対なの?」
「そんなことは言ってねぇ。ここで出会ったのも何かの縁だろ。
それに俺がもし諾としなくても連れ帰るつもりだったろ?」
「最悪、サリオンと離縁かなって思った」
「なっ……!縁起でもねぇ。ちびすけが入ってたカゴの中に公爵家の魔素が残ってるから、もし誰か親族が来たとしても問題なく迎えに来れるだろ。まぁ、そう何人もホイホイ来れる所でもないけどな、ここ」
超ド級展開。
展開が乱気流起こして私に思いっきり襲い掛かってきてる。
もう情報処理が出来ない。限界だ。
キース、サリオンと離縁してまで私を公爵家に連れ帰ろうとしてるし、それを聞いた瞬間、ちょっと動揺したサリオンの会話が目の前で起きてる奇跡。やばい。
……尊死。
【ご愛読ありがとうございました】
「もしこの子を誰も迎えに来なかったらどうしようか」
「俺達の養女として迎えればいいだろ」
なんですってぇぇぇぇ!!!
よ、養女?!
この二人の娘になるってこと?
本当にあれが叶おうとしてるの?
オタクであれば一度は願う推しの子供になりたい展開!!
「サリオンからそんな言葉が出てくるなんて珍しいね。子供嫌いなのに」
「何かこのちびすけは何て言ったら分かんねぇけど、何か違うんだよ」
「縁の力ってやつかな?」
「さぁな」
「さて、僕達の家に帰ろうか。赤ちゃん」
キースに優しく抱きかかえられて至近距離で感じる体温と息遣い。赤ちゃん、最高か。
何で死んだのかも分からないし、何か全ての事情が飲み込めないけど、推し達がいるから全てがどうでもいい。
もしかしたら誰かが来てお別れになってしまう可能性もある。
だから、今はこう寄り添って推し成分をいっぱい吸収しよう。
だってずっと大好きだったんだもの。
早速評価やブクマありがとうございます!!
皆さんの声援が力になりますので、ぜひ評価やブクマ等よろしくおねがいします!!!
キースは30歳。
サリオンは25歳です。