告白
前回︰好きだよ
「今から話す事は、父様とパパしか知らない私の秘密。私が話してもいいと思った人にだけ話してって言われてるの。今はまだ前世があったとしか話してないから、後戻りするなら今だよ。パパにも記憶を消してもらえる」
「ここに来た時から後戻りはしないと決めた。ティアが選んでくれたなら、僕は精一杯受け止めたい」
父様、パパ。
私を選んでくれた人は、こんなにも素敵な人だよ。
「私はね、2年前に父様とパパに拾われたの。産まれたばかりの赤ちゃんとして。その後、パパがくれた願いの枝の力で3歳まで成長したの。私が話したいって願ったから」
「そんな話聞いたことない……」
「私が初めてだからね。願いの枝の件は、王族や宰相様も知ってる。前世の事は話してないよ」
願いの枝の件は、まだパパがうまい具合に研究中ですって王族からの催促を躱してるらしいと先日、小耳に挟んだ。
「私の前世はこの世界とは違う日本という国で生きてる平凡な学生だったの。そこは魔法もなく、騎士団もない所。私は18歳で、今のレイグルより8歳お姉さんだね」
「だから子供っぽくないなって言動もあったんだね」
「願いの枝に叶えてもらった直後は、割と年相応な精神に引っ張られてたんだけど、徐々に体が適応していって、今では前世の年齢の精神が表に出てるかな」
「そうなんだ……。キース様とサリオン様の娘だから、思考回路も僕達とは違うんだとしか思ってなかった」
「皆、そう思ってるから安心して」
そうなのだ。
私が歳不相応な喋り方や考え方をしていても、
王国最強の2人の娘だからで済んでしまっている。
王国最強の名は、文字通り最強だ。
「今の私は前世と今世の精神と記憶、知識が混ざりあった形。私の前世は伊緒って言うんだ。もう呼ばれない名だけど教えておくね。今の私はセレスティア・フリューゲルだから」
「うん、分かった」
「……それだけ?」
「それだけとは?」
「何かもっと驚いたり、騙したな!みたいな反応が来ると思ってて……」
話してる本人が言うのもあれだけど、
こんな突拍子もない、にわかには信じ難い話を聞いて、
こんなあっさり受け止めてもらえるとは思わなかった。
「精一杯受け止めるって言ったし、それがあって今のティアが形成されてるって知れて嬉しいよ」
「そっか……」
「まさか、僕がそれを聞いただけで揺らぐような気持ち持ってるって思われてたなら心外だなぁ」
「あ!違う!違うの!」
「傷付いたなぁ……」
明らかにシュンとしているレイグルが、私に抱きついてくる。
何か罪悪感がすごい……。
別にレイグルを信じてないわけじゃないけど、やっぱりこれには勇気がいるわけで……。
「そういえば、ティアは大きくなれるの?」
「?」
「例えば、18歳のティアに変身できるとか」
「なれるよ」
この2年で私がパパから教わった魔力操作の産物で、18歳のセレスティアにもなれるようになったし、何なら前世の姿にもなれるようになった。
特に必要な場面がなかったから使ってないんだけどね。
「なって」
「え?」
「なって?18歳のティアに」
「え?なんで?」
「キスしたいから」
ん"ん"ん"ん"ん"?!
あばあばあば!!!
キ、キス?!
「……いくら中身が大人でも、見た目が5歳のティアにキスするのは何かイケない事してるみたいで気が引けるし、かと言って君が大きくなれるまで待てるかって聞かれると自信がない……」
ズキューン!!!!!!!
はい!今撃ち抜かれました!!
これはもう降参します!!!
むしろこのセリフに、ちょっと赤面して恥ずかしそうに、
耳も下がってるレイグルを見て、
我慢出来る人がいるなら出てきて欲しい!!!!
「……いいよ」
いつも読んで下さり、ありがとうございます!!
次回はお砂糖多めでいきたいと思います!!
お楽しみに。
そして!累計PV数がいつの間にか1万超えてました!!
ありがとうございます!!
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