推しがあらわれた!!
「サリオン!こんなところに赤ちゃんが……」
「おいおい、まじかよ。でもこの森は魔物が多いってのに傷一つねぇな」
ん〜。
なんか声がするけどよく見えないな。
なんだここ?夢?
「怪我はしてないようだけど、念の為回復魔法かけておこうか。治癒」
うわ!なんだこれ!
凄くあったかい。
さっきより何だか元気出てきたかも?
「キースの魔法なら、じきに目ぇ覚ますだろ」
「サリオンの顔見たらびっくりして泣いちゃうかも」
「どういう意味だよ」
「さぁ?」
ちょいと待て。
今、キースとサリオンって聞こえたんだけど?
そういえばこの声、よく聞けば推しの声そっくりじゃん!
……推し?
……おし?
……Oshi?
……おしぃぃぃ?!?!
「あ、目開いたよ。おはよう、赤ちゃん」
「綺麗な目してんな。おはよう、ちびすけ」
勢いよく目を開いた私の視界には、私に微笑みかける大好きな推し2人がいました。
え?
なんで?
どういうこと?
ちょっと待って?
「おててもほっぺも、もちもちふわふわだね」
ひぇぇぇ!キースの手ってこんなに華奢な感じだったんだ!
……いやいや、何かやけにリアルすぎない?感触。
「壊しちまいそうだな」
サリオンに頭撫でられちゃってるよ?!わたし!
キースと違ってゴツゴツとした手だなぁ。
……って違う違う。幸せすぎるけど状況整理!
「なんか百面相してるよ〜可愛いねぇ。サリオンが怖かったかなぁ?」
「ぶぶっぱっぱ!!(いえいえ!断じて!)」
……は?
「ぶぶーあ!!(推し最高!!)」
……喋れてなくない?これ。
「何か伝えようとしてくれてるのかな?」
「まぁ、何かを必死に伝えたいのは分かるな」
「君くらいの赤ちゃんはまだ喋れないからねぇ。何を言ってるのかこれから頑張って分かるようになるからね」
……赤ちゃん?
そこで全身が動かせる事に気付いて、手を目の前に持ってくる。
うん、小さい。
どう見たって赤ちゃんの手だ。