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変化

前回︰新しい推しができた



レイグルと友達になって2年が経った。

この2年は私が幼い事もあり、社交界にも出ず、

父様とパパに武術と魔法を教わったり、レイグルと魔法付与の訓練をしたり至って平和だった。



王国最強の娘という事で、国内の貴族からご挨拶という名目の

出来れば私と子供を婚約させたい縁談もあったみたいだけど、全て2人が一蹴。

私の周りは2年前と変わらず、守り愛してくれる2人によって楽しい生活を送っている。



変わった事といえば、私は言語習得魔法を身に付け、3歳のようにたどたどしい口調をする事はなくなった。



そうそう!

私の新しい推し、レイグルは無事に騎士団所属になりました!

まだ魔力付与は完璧じゃないけど、大分コントロールできるようになったし、私の訓練ついでだって父様とパパがレイグルも訓練してくれたおかげで、獣人の高い身体能力と戦闘能力を活かして、メキメキと力をつけていた。



ちなみにレイグルは私の5つ上。

今、私が5歳でレイグルは10歳だ。

この2年でレイグルは更にかっこよくなったし、私も我ながら大変可愛く成長した。



レイグルは家名を持たないにも関わらず、

その容姿、私の両親から指南されている点等から

将来有望だと判断した貴族からご令嬢との縁談が殺到しているそうだ。



エリアス王国では、男女ともに10歳から結婚が認められているから、レイグルも近い内に誰かと結婚してしまうのかと考えると、凄くモヤモヤする。



この気持ちが何かは分からないけど、レイグルを独占したい欲は最近増えた気が……。



……ダメダメ!推しを独占したいなんてオタク精神に反する!!!

オタクはこの友達ポジに満足しなくてはいけないんだから!!!



「ティア?ボーっとしてるけど大丈夫?」

「大丈夫!レイグルの魔法付与訓練中なのにごめんね」



そうだった。

今はレイグルの訓練中。

最近は魔力爆発を起こす事もなくなり、私がいなくてもいいんじゃないのかな?って思いつつ、今日も一緒に訓練だ。



「何かあったら言ってね?」

「……ありがとう」



それから結局、私は訓練に集中する事が出来ず、

今は絶賛自宅のふわふわベッドに顔を埋めている。



「はぁぁぁぁぁぁ」



1度考えてしまうと頭から離れない。

誰かと結婚してしまうのではという不安感。

私1人のものでいて欲しいという独占欲。

レイグルを見ると鼓動が早くなる事。



さっきは嘘つきました。

この気持ちの名前を知っているんだ、本当は。



でもレイグルは私を妹としか思ってないだろうし……。

言ってて切なくなってきたな。



どうせ叶わぬ思いならば、もうこれ以上近付いてはいけない。

レイグルが誰かと結婚してもおめでとうと笑顔で言えるくらいに。



そもそも私はオタクだ。

推しは遠くから見守り応援するもの。

父様とパパの例があったからついつい近付きすぎた。

レイグルの魅力を痛い程に知った2年だった。



推しと友達でいる事に満足出来ないなんて、オタク失格だ……。

もう魔力爆発も起こす事はないだろうし、ここが潮時。



「リィナ」

「はい、お嬢様」

「明日からレイグルの魔法付与訓練には行かない。それと騎士団にも行きたくないから、父様とパパの訓練は屋敷でして欲しいって伝えてくれる?」

「かしこまりました」



様子がおかしい私を心配そうな顔で見つつ、何も言わずにいてくれるリィナの存在がありがたい。



……これでいいんだ。



……夢みたいに素敵な時間だった。



……楽しかったな。



「レイグル」



その呼ぶ名は誰にも聞かれる事無く、静かに消えていった。

いつも読んで頂き、ありがとうございます!

PV数が4桁で毎日更新中、ユニークも毎日更新中です!


お気付きの方もいるかもですが、今まで漢数字表現だった箇所を数字表記に変更しました!

理由は単純に読みにくい!!(笑)


他の話も、少しずつ編集して修正します。


さて、ティアの下した決断はどんな作用を起こすのか、楽しんでいただければ幸いです。


良ければブクマ、評価、レビューお待ちしております!

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