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出会いは突然に

前回︰陛下に謁見



「レティシア嬢は枝の奇跡を受けて、何か体に障ったりはしていないか?」

「はい。問題なく過ごしております。それもこれも両親や公爵家の方々が良くしてくれるおかげです」

「それを聞いて安心した。レティシア嬢も少しずつ公爵家に慣れてくれる事を祈る」

「はい。両親の名に泥を塗らぬよう、精進致します」



そんなこんなで謁見は無事終了。

父様とパパはそれぞれ騎士団と魔法師団の様子を見に行くと言うので、ついていくことにした。

移動時に私を抱きかかえて嬉しそうに歩くパパは、謁見時の様子とは全く別人のようで思わず笑みがこぼれる。



「ほら、あれが魔法師団だよ」



パパの指す方向に見える大きな塔。

ゲームにも出てくる魔法師団の訓練塔だ。

ちなみに今日は謁見もあるからお休み貰ってるのに、訓練の様子を確認しに顔を出すんだって。



「まほうがこんなにたくさん!!」

「ここでは己の得意とする魔法を集中的に伸ばして改善し、新しい魔法開発に活かしているんだよ」



訓練塔の近くにある訓練場では、多くの人が魔法を放ち、その技能を高めていた。ゲームでは見れなかった風景。

こんな所をまとめてるパパは凄い!



「師団長様!団長様!」

「様子を見に来ただけだから訓練を続けてくれ」



私達を見つけた魔法師団の人達が寄ってくるけど、パパがそれを制する。うーん!かっこいい!!!



「パパ、わたしもまほうつかえるかな?」

「枝の奇跡を起こせたんだ、魔法くらい造作もないさ」

「じゃあ!パパがまほうをおしえて!」

「もちろん。その役目は頼まれなくても譲らなかったよ」

「ありがとう!とーさまもおしえてね!」

「あぁ。俺は剣術や体術も含めて教えてやる」

「やった!!」



「師団長様。そちらのお嬢様は?」

「あぁ。ユグノー。ティア、彼は副師団長のユグノーだ」

「パパ、ごあいさつするからおろしてくれる?」



降ろしてもらうとユグノーさんが私の目線に合わせてくれる。



「はじめまして。リトルレディ。お名前を伺っても?」



……紳士!!!え!!やばい!!!

ゲームには出てこなかったけど、これは萌える。

私を伺うように魔法師団の方々がチラチラ見てくるのを感じた。



これも推しイベだ。

第一印象大事!!!



「はじめまして、ユグノー様。魔法師団の皆様。キース・フリューゲル、サリオン・フリューゲルが娘、セレスティア・フリューゲルで御座います」

「これはこれはセレスティア嬢。幼いのに聡明でいらっしゃる。私はユグノー・グレイと申します。以後お見知り置きを」



ユグノー様。

女性人気ありそうだなって下世話な事を考えてしまうけど、実際に女性人気が凄いのを知るのはもう少し先の話。



次にやってきたのは騎士団。

訓練場では模擬戦闘が行われていた。



「団長!!総員やめ!!整列!!」



父様の存在に気付いた騎士団の方が号令をかける。

それはもう父様が制する隙もなく迅速に。恐るべし。



「今日は様子を見に来ただけだから楽にしてくれ。ティア」

「はい」



そこからは恒例となったご挨拶だ。

副騎士団長さんのお名前は、ヘイゼル様。

父様の同期なんだって。



「しかし、サリオンに子供か。子供嫌いなのにな」

「それは陛下にも言われた。こいつはなんか違うんだよ」

「それもサリオンに言わせるとは中々だね」

「それも言われた。お前ら、たまに騎士団にティアも顔を出すかもしれねぇが邪魔はしないから、よろしく頼む」

「よろしくおねがいします、みなさま」



そこでふと空気の流れに違和感を覚える。

これ、ゲームでヒロインが初めて魔力を感じた時に使ってた表現だっけ。

とりあえず、整列している騎士団を通り抜け、訓練場の奥へ行く。



「おい、ティア!!」

「どこ行くの!!」



慌てて追いかけてくる気配がするけど、段々と濃くなるその違和感に心がザワザワする。



訓練場の端でうなだれている人を見つけ、思わず駆け寄る。



「だいじょうぶですか!?」

「……え?」



私を苦しげに見上げた彼の姿に、私は目を奪われた。

金色の髪に、全てを見通すようなアクアグレーの瞳、ライオンのような尻尾。



……こんなのゲームでは出てこなかった。何て素敵な色。

気付くと私は彼の頬に手を添えていたのだった。

いつもありがとうございます!

評価やブクマが見たことない数をしており、とても嬉しいです!


皆さんのおかげでネタもポンポン出てきますので、1日1話のペースで続けていければと思います。


よければ評価、ブクマ、レビューよろしくおねがいします!


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