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③罠・独りでの戦い(下)

プロローグを含む第1章(全6話)を投稿します。

もしも、面白いという評価があれば第2章に進みます。

どうか、好評化をお願いします。

「父上、あのブルーレッサーワイバーンを仕留めてごらんに入れます。待っていて下さい」


 ガジェットは離れ際に、力強く宣言すると、最高速で別れたブルーレッサーワイバーンの後を追って飛び立った。


 そういえば父上がブルーレッサーワイバーンは罠にはめて敵を倒すと言っていた。

 罠には気をつけないといけない。

 しかし、罠とは・・・・。


 ガジェットは父上から罠の存在に気をつけるように言われていたことを飛行しながら思い出した。

 具体的にどんな罠があるのかはいまいちピンとこなかったが、

 普段から言われている父上の教えを守り、周囲の状況を把握することに努めることにした。


 この時も油断することなくいつも通りに周囲の状況を把握する事にしていた。


 しかし、所詮、ブルーレッサーワイバーンの考える罠なんて群れに追い込んで集団で攻めてくるくらいだろう。

 集団がいるとすれば今の俺ならその気配を察知することが出来るから問題ないとガジェットは気軽に考えていた。


 ガジェットは少しブルーレッサーワイバーンの罠を軽く見ていた。


 ここで、父のジェロイドがいれば、もう少し罠の種類を伝えることが出来ていたが、ここにジェロイドはいなかった。


「よし、そろそろかな。ワイバーンボイス」


 射程圏内にはいったブルーレッサーワイバーンにワイバーンボイスを放った。


「よし、いつも通りだ。後はワイバーンキックでっ」


 バランスを崩したブルーレッサーワイバーンの頭部に巨大なかぎづめを突き立てて地面に押さえつけた。


 後は、首を引きちぎるだけでこのブルーレッサーワイバーンはおしまいだ。


 そう思って、足元のブルーレッサーワイバーンに攻撃を仕掛けようとした瞬間、3方向からワイバーンボイスが放たれて来た。


 ガジェットは瞬間的に目が回り、頭がくらくらしてきた。


 ガジェットもこれまでの戦いで成長して、訓練の中で父親のワイバーンボイスを受けて耐性をつけて来た。

 そのため、ブルーレッサーワイバーンが1~2匹程度のワイバーンボイスであれば何とか受け切れると思っていた。


 しかし、この時は3体から3方向でワイバーンボイスを放ってきたのだった。


 ガジェットは思った。

 周囲にブルーレッサーワイバーンの群れはなかったはず。

 なのに、どうして3体に囲まれているのか理解できなかった。


 それでも、このまま、ここに居れば危険だと判断して、瞬時にこの場所から離れる事にした。


 幸い、ブルーレッサーワイバーンの3体は傷ついた仲間に手当をしていたので、少し距離をとることが出来た。


「くそぉ。バランスが取れない。それでも・・・」


 ブルーレッサーワイバーンよりも、スピードに優るとはいえ、バランスの悪い状態で上空から攻撃されるとひとたまりもなかった。


 ガジェットはふらつきながらも飛行で逃げる事にした。


 状況が悪いときは逃げるということを父上と約束していたのだ。


 今の状況はまさにその通りだと考えて、ふらつきながらも必死で飛び立ち気配察知で敵がいる方とは反対側に逃げることにした。


「この方向に行くと、少し父上とは離れてしまうか・・・。しかし、ワイバーンボイスの影響は取れていないから仕方がない。父上の方に向かおう」


 ガジェットは、急きょ、父上の方に方向転換をして向かうことにした。


 3体のブルーレッサーワイバーンと合致あうことになるとわかっていたが、1対3で戦うよりも、2対4で戦う方が勝率が上がるはずだと考えたのだ。


 ◆◇


 ガジェットとは反対側に飛び続けていたブルーレッサーワイバーンをジェロイドは最高速で追いかけていた。


「くっ、なぜ追いつけん」


 ブルーレッサーワイバーンが逃げに徹しているとはいえ、ジェロイドは自分が追いつけないことが理解できなかった。


 ジェロイドが追いかけながら、ブルーレッサーワイバーン種とはおもえない高速のスピードで移動していることに多少違和感を感じていた。


 ◆◇


 そもそも、2竜を水場で発見した時点で、ブルーレッサーワイバーン達はジェロイドとガジェットを見て、ジェロイドを指揮官、ガジェットを戦士と認識していた。


 そのため、最初から指揮官であるジェロイドに攻撃を仕掛けて、ブルーレッサーワイバーンの生息域に追い込む振りをすることでジェロイド狙いと思わせていたのだ。

 まんまと、その罠にのってジェロイドは、種族最速のブルーレッサーワイバーンを追いかけていた。

 ジェロイドが追いつけないのも当たり前だった。


 そして本命の獲物であるガジェットに対しては、ブルーレッサーワイバーンのおとりが罠の場所まで誘導することにしていた。

 おとりが決めていた場所でスピードを緩めて、ガジェットから攻撃を受ける事で意識を自分に集めて惑わし、周囲にいる仲間の事を探らせにくくしていた。


 そして、誘導した場所にはブルーレッサーワイバーンの中でも特に気配を消すことが出来る者たちを集めて、罠にかけたのだった。


 罠にはまったジェロイドとガジェットは危機的な状況に陥っていた。

面白い!続きが読みたい!!

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