龍神の目覚め~フェリシア~
フェリシア視点です。
龍神様が来て焦っていたライラとルディを落ち着かせた。
「はぁ、ココアミルク美味しい」
ライラに至ってはまだ現実逃避をしているようだ。
「そろそろ話してもいい?」
「どうぞ」
「まず、あたしの状態から話そうか。……龍ってもともと産まれたばかりの時はそんなに力がないんだよね。他の龍に狙われたり、そういうことがあったりするの。だから、龍神は卵の状態で10年間眠り続ける。その間、パートナーの様子を夢でずっと見ているの。だから、あたしライラの10年間を知っている」
「なんかそれってずるいな。だって私はあなたのことを何も知らない」
すねたようにそう言ったライラに龍神様は微笑んだ
「じゃあ、自己紹介をするね。名前はローラ。龍神様って呼ばれるのは嫌いだから龍神様って呼ばないでね。ライラは呼び捨てで構わないわ。属性は風、水、月。天女、不死、純潔、神聖、強者を司るの」
「属性?司るって?」
今までライラにはこの世界のことをあまり教えていない。理解不能な顔をしている。
「例えばあたいなら属性は土、水、草。大自然を司っている。属性っていうのは操ることのできるものの種類で、火、風、土、水、草、空、月、日、雷、毒の9種類。例えば土なら……こんな感じで、水は……こんなのかな。草は……これかな」
呪文を唱えると土は盛り上がり人形とあって、水は水道から出てきて、人魚の形を作った。蕾だったクリスマスローズが咲き乱れた。
「わぁ、すごい」
感嘆の声を上げたライラにローラ様が嬉しそうに笑って言った。
「風は……こうすることもできるし、月は……こうなるの」
ローラ様が呪文を唱えると部屋の空気が温かくなり、光が一斉に消えた。いや、光るものが4つあった。ライラとローラ様の目だ。2つの茶色い光と、紺と金色の光。
「月属性を持つペアしか月によって作られた暗闇で物を見ることができるの。他の人はあたしたちの目が発する光しか見えないわ」
そうローラ様が言った途端。光が戻った。
「うぅ、目がちかちかする……」
今の今まで言葉を発しなかった、ルディが目を抑えてそう言った。
「あっ、そうだ。ロドルフといったか。ライラにこの国のことを説明してやってくれ」