出発準備~1日目・ランチ~
「さて、ランチの時間だよ」
「だいぶん過ぎてますけどね」
「ライラがラベンダーにつられるから」
「うぅぅ。ごめんなさい」
上から順番に、ローラ、フェル、ロルフ、私だ。
「ラベンダーの香りがあまりにもいい香りだったから……」
「でも、ライラが気付いたところって結構離れてたよね」
「そうだった? いろんな匂いがたくさんあったけど」
ローラに返事を返すと六つの目に見つめられた。あれ?なんかどこかで似たような状況になった気が……。
「俺でもそんなに嗅げなかったぞ?」
「あぁ、あたい、じゃなくて私もです」
「あたしのライラは鼻が利くのね」
「あんまり注意してなかったんじゃない?」
目をそらして目の前の紅茶を飲む。
「……」
何故かローラに見つめられる
「どうかした?」
「いや、作法がきちんとしてると思って。王宮式のと一般式のがあるのよ。それで、王宮式のを知らなかったら困るなと思ってたから安心したわ」
作法が二種類? そんな話初めて聞いた。
「あぁ。俺の家もともと王宮でしか過ごしたことないし、狼人になってから街に出ることもほとんどないから、王宮式しか知らないんだ。まぁ、王宮式さえ知っていればどうにかなると思う」
「気になるなら、一般式も教えてあげようか? 一応あたしは人間の歴史と文化と習慣と……。まぁ、いろいろ頭に詰め込まれてるから。龍神だしね」
あー、うー。でもなぁ。今は王宮のことを覚えるのに精一杯だからなぁ。
「いろいろ落ち着いたら教えて?」
「ストロベリーパフェ食べたい」
隣を見るともうフェルが食事を終えていた。
「もう食べ終わったの?」
「ライラが遅いだけ。さっさと食べろよ。あと、フェリシア。デザートはなし。俺らの金じゃないんだぞ?」
「うっ……。なぁ、ライラ。デザート食べるか?」
物凄い無言の圧力が。でも、これ食べ終わったらお腹いっぱいになるし。
「ごめん、今日はいいや」
「……。はぁ。商売でも始めるかな」
フェルが遠い目をして呟いた。
フェルは性格男前の雌だから甘党は意外でした。
ストロベリーパフェ、実は私の大好物です(∀`*ゞ)エヘヘ