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アカシックシード  作者: 若庭葉
Season1「Butterfly」
37/47

第三十三話「一億」

 コラプサー発生から数分後。

 謎の電話によるリークがあった為、他の警官たちよりも一足先に蜻蛉大学へ到着していた橘らは、渦を巻く黒煙を見上げていた。

 とうとう発生してしまった、第四のコラプサー。

 その現場となったのは、奇しくも第三のコラプサーの発生源──モーリス・ハマメリスが生前教鞭を振るっていた大学である。

 この奇妙な偶然にも、何か意味はあるのだろうか。

 無精髭の生えた顎に手を当てながら、橘は考えていた。

 そこへ、粗方部下に指示を出し終え、後は応援の到着を待つだけとなった松原が歩み寄る。

 ここへ来る前から幾度となくそうしていたように、自分の後頭部に手を乗せながら、彼は苦笑いを浮かべた。


「いやぁ、これでは一服するのは無理そうですなぁ」

「のようですね。まさか、四回目が起こってしまうなんて」

「ええ。いったいこの街はどうなっているのやら……」


 ため息と共に呟いてから、顔を上げた松原は視線をコラプサーへ向ける。


「先ほど柊の報告にもあったように、すでに大学側が『門』を起動させていた為、もうフリーファイターたちは中へ入って行ったそうです」

「ほう、でしたら今回はすぐ消滅させられそうですな。

 しかし、彼らはそんなに早くここに駆けつけていたんですか?」

「はい。おそらく、例のネット上の書き込みというのを見ていたようでして……」


 その言葉を聞いた彼は、「なるほど」と短く納得した。

 謎の情報提供者の真意はわからないが、まるで発生後すぐにフリーファイターたちを送り込めるよう、円滑にことを進める為にリークしたかのようだ。

 そう思ってから、橘の頭にはすぐに新たな疑問が浮かぶ。

 ──しかし、なんでわざわざそんなマネを?

 情報提供者の男とやらには、いったいどんなメリットがあるのか。

 思考を働かせるうちに自然とヤニが欲しくなって来た彼の右手は、ほとんど本人の意思とは無関係に動き、いつの間にかジャケットの胸ポケットの中に吸い込まれて行った。

 そしてもはや条件反射といった手つきで、煙草の入ったボックスを取り出す。

 器用に片手で蓋を開け、すでに半分は空になっている中から一本取り出そうとした──のだが。

 橘の行動を見逃さなかった火野木が、隣から彼の右手を叩いた。


「痛っ⁉︎」


 思わず声を上げた橘は、煙草の箱を地面に落としてしまう。

 引っ込めた右手を摩りながら、彼はすでにそっぽを向いている部下に抗議した。


「おま、何すんだよいきなり!」

「……ここは喫煙場所ではありません。橘さんこそ何してるんですか」

「いや、だからって、何も叩くことなくない? もっと上司に優しくしてもいいんじゃない?」

「……」

「とうとう無視かコラ」


 それすらもスルーされてしまい、橘は仕方なく「ったく、だから山梨みてえのしか寄って来ないんだよ……」とさらに毒づきながら、腰を曲げて地面に手を伸ばす。

 ──が、彼が拾い上げるよりも先に、煙草の箱は底の低いヒールによって無残にも踏み潰されてしまうのだが。


「ふぁっ⁉︎」


 瞬間、橘はこの世の終わりを目の当たりにしたかのような表情で、凍りついた。

 対する彼の部下は相変わらず見当違いな方を向いたまま、潰すだけではまだ足りぬとばかりに足を捻る。


「お、おま、お前なんてことしてんだよ! 俺の唯一の心の支えであるニコチンをぉ!」

「……寂しい人間ですね」

「そうだよ⁉︎ オジサンとっても寂しい人生歩んでんだよ⁉︎ だからもっと気遣ってくれてもいいんじゃないかなぁ?」


 と、すっかりお馴染みとなっている応酬が展開された。

 そして、やはり松原は二人のかけ合いを、人のよさそうな微笑みと共に見守るのであった。







 一方、その頃。

 蜻蛉大学の構内へ到着した茉莉は、大通りを抜け、規制線の張られている方へ差しかかっていた。

 ショートヘアーと灰色のフードを揺らしながら、彼女は黒い壁を目指して足早に進んで行く。

 と、前方によく見知った青年の姿を見つけた茉莉は、険しかった表情を和らげつつ、彼に駆け寄った。


「月下先輩!」


 彼女の声に、月下は振り返り笑顔を見せる。


「やあ、茉莉。

 君も出動するのかい?」

「ええ。

 今回は学園の生徒が巻き込まれる、ということもないでしょうが、それでも戦うことが私の使命ですから」


 気合充分といった様子で、茉莉はさっそく右手の拳を固く握り締めていた。

 彼女の言葉を聞いた青年は、思わず噴き出しそうになるのを必死に堪える。

 ──巻き込まれるどころか、発生源なんだけどな。

 ほくそ笑みながら胸のうちで呟く彼に、今度は後輩の方が首を傾げた。


「先輩は、救助には参加しないんですか?」

「ああ、止めておくよ。今日はちょっと……体調が悪くてね」


 質問に答えた月下は、恥ずかしそうに頭を掻く。

 彼の返事を間に受けたらしい茉莉は、少々呆れたように笑った。


「鍛錬が足りないからそうなるんですよ。

 あ、そうだ。じゃあ、今度私と一緒に修行(・・)しませんか? 楽しいですよ、山籠り」

「え、あ、いや……俺も命は惜しいから」

「……いったいどんな物をイメージしたんですか」


 ガクリとその場で体勢を崩した彼女に、青年は「……熊殺しとか?」と苦笑混じりに答える。


「いや、さすがにいきなりそんなことしませんよ! 私一人ならともかく、先輩もいるんですから!」

「あ、一人でなら倒せるんだ」


 彼の指摘を黙殺した茉莉は口許に拳を添えて咳払いをすると、仕切り直すように目線を上げた。


「とにかく、私が鍛え直してあげますから、そのつもりでいてくださいね」

「あ、うん。……お手柔らかにね」

「わかってます。私が先輩を立派な戦士に育て上げますので、安心してください」

「いや、何一つとして安心できる要素ないよね」


 そう切り返した月下だったが彼女はまたもやそれを受け流し、「では、行ってきます」と彼の真横を通り過ぎようとする。


「ああ、気をつけて」

「はい。誰が相手だろうと、ねじ伏せてみせますよ」


 自信に満ち溢れた声で答えた茉莉は、改めて戦場(コラプサー)へ向かって歩き出した。

 彼女の様子を横目で見送りながら、彼は内心ぞっとしない気分になる。

 直接やり合うのだけは勘弁願いたいと思いつつ、月下は壁の前で立ち止まった後輩が「FREE FIGHTER」を起動させる様を眺めていた。






 コラプサーの目の前に立った茉莉は、戦闘用のアプリケーションシステムを起動させる。

 直後、顔と同じ高さの空間に、真四角のアイコンが浮かび上がった。

 アイコンの中にあるのは「FREE FIGHTER」というタイトルと、西洋の(ヘルム)を象ったマーク。

 目の前に現れたそれに目を向けた時、彼女の左横の方から複数の大人たちが自分を見ていることに気付く。

 少し離れた位置に立っている彼らは、現場監督を任されている蜻蛉署の警部と、コラプサー対策局の局員たちだ。

 三人とも──そのうち、橘だけは何故か涙目で自分の手の中にある物を見つめている為、実質二人か──、違った種類の視線を茉莉に向けている

 しかし、彼女は彼らなど眼中にはないらしく、代わりに全く別のある人物のがいるのではないかと、その姿を暫し探していた。

 ──あの男(・・・)は、来ていないか。

 結局目的の人物を見つけることはできず、茉莉すぐに戦闘の準備を再開する。

 彼女は左の人差し指で静かにアイコンに触れた。


「来い、《白兎(ビャクト)叢雲(ムラクモ)》」


 その呼び声に応じるように、アイコンから青白く眩い光が放たれ、少女に降り注いぐ。

 わずか数十秒のうちにリロードは完了し、光が弾け飛ぶと、そこにはセカンドリアリティの装甲に身を包んでいる一人の戦士の姿が。

 純白の〈戦闘用スーツ〉〈白兎(ビャクト)叢雲(ムラクモ)〉を纏った彼女は、ポキポキと首を鳴らしてから、再び渦を巻く暗黒を睨みつけた。

 青いレンズの奥の瞳には、闘志の炎が燃え上がっている。

 ──行くか。

 心の中で自分自身に声をかけてから、フリーファイター梔子茉莉は、ブーツのような形状の足を踏み出した。


 *


 高速でしならせた俺の腕が、真っ赤な文字でできた文を紡ぎ出す。


 〈相手との距離を詰め、右の拳を打ち出す〉


 直後打ち出された指示を背中から吸収したネフィリムは一瞬にして怪物の眼前へ到達し、黒い鉄拳を放った。


「潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス潰ス」


 その動きを見たフラワノイドは真っ向から受け止めるつもりなのか、丸太のように太い両腕を体の前でクロスさせる。

 ──が、天使の拳は相手の防御もろとも撃ち砕いた。


「潰スガッパ⁉︎」


 紫陽花を頭に乗せた怪物は、強烈な一撃をくらい、体ごと舞台の方へ吹き飛ばされる。

 その様子を見ながら、俺は「神の指」を握る腕をさらに加速させていた。


 〈すかさずもう一方の手で横っ面を殴りつける〉


 彼の左腕による追撃は深々とフラワノイドの顔へ深々と突き刺さり、へし折れた歯と赤い血と、それから紫陽花の花びらが飛び散る。

 よほど強い威力だったのだろう、床から足が浮いた状態の怪物はそのまま空中で一回転しかけた。

 しかしそれでも、俺の手の動きは止まらない。

 声も発せずに、ただひたすら相手を駆除する為の文字を書き殴って行く。


 〈両手で相手の首を握り締め、舞台に沈めるように体の上に馬乗りになる〉


 木製の床を容赦なく押し潰しながら、フラワノイドの体はまさしく舞台上に沈んだ。

 対するネフィリムはマウントポジションを取る形でその体に乗り、右腕を相手の顔に突きつけるように伸ばす。

 早くも、必殺技を放つ状態へと移行したのだ。


 〈腕の太さは倍以上に膨れ上がり、より硬質で無骨な装甲を纏う。先ほどまで手首だった辺りは、手がない代わりに上下に鋭い牙を持つ獣の口のような形になっており、その間から四角い灰色の砲門が前へ突き出した〉


 エンジェルビームを撃ち出す為の兵器と化した腕に、天使はもう一方の手を添えた。

 するとどこからともなく赤い光の粒が飛んできては、仄暗い砲口の中心へと集まって行く。


「……終わらせてやるよ。お前を」


 聞こえないことなど承知の上で、俺は静かに呟いた。

 やがてエネルギーの充填が完了し、ネフィリムの右腕から生えた砲門は熱を帯びて赤くなる。

 さっさとこのフラワノイドを駆除してしまわなければ。

 今日は特に余裕なんてないのだし。

 俺は改めて、大袈裟な動きで「神の指」を躍らせる。


 〈エンジェルビームを発射する〉


 刹那、世界を書き換えるペンが描写したとおりに光線が放たれ、コラプサーの(あるじ)を焼き尽くす──はずだった。


「……馬鹿ガ」

「あ?」


 不意にフラワノイドが声を発し、俺は天使の後ろから舞台に伏す怪物を睨みつける。

 こいつは何が言いたいのか。

 どうやら、相当死にたいらしい。

 すぐさまそう結論づけた俺だったが、次のフラワノイドのセリフの後、状況は一変する。


「本当ノ敵ハ、私デハナイ(・・・・・)トイウノニ」

「なに?」


 いったいこいつは何を言って──。

 敵の口から放たれた不穏な言葉に気を取られた瞬間、全く予想だにしない方角から攻撃が飛んで来た。

 それにより、腕を向けていた場所が逸れてしまい、ネフィリムの放った強烈な赤い光線はフラワノイドには命中することなく、舞台やその奥の壁を焼き落とすだけに終わる。

 ──まさか、もう一体フラワノイドが?

 そう考え、攻撃の飛んで来た方に顔を向けてみると、すぐに予想は外れていたことがわかった。

 崩れ落ちた天井の残骸の上に立っていたのは、人間だったのだ。

 特殊なセカンドリアリティで造り上げられた地味な色合いの〈戦闘用スーツ〉に身を包んだ彼は、ボウガンのような見た目の武器を天使に向けて構えている。

 ──あれは、フリーファイター……?

 おそらく、先ほどネフィリムを狙撃したのはあの男だろう。

 しかし、何故フラワノイドではなく彼を狙った?

 と、俺の問いに答えるかのように、兵士の被るような丸いヘルメットに似た頭のフリーファイターは、マスク越しに口を開いた。


百万ドルくん(・・・・・・)見いっつけ」


 なるほど、懸賞金目当てか。

 だいたいの状況はわかった。

 たが、あの程度の攻撃など問題にするところではない。ひとまずさっさとこの花人間を刈り取ってしまおう。

 と、すぐに無視しようと決めたところで、さらに全く別の方から、今度は巨大な〈ブーメラン〉が風を切り裂いて飛んで来る。

 横っ面を殴られる形となったネフィリムは、わずかに体勢を崩してしまった。

 その隙を逃さなとばかりに、先ほどのボウガン男が光弾を連射する。


「くそっ!」


 やはり威力自体は大した物ではないが、絶え間なく撃ち込んで来るせいでフラワノイドとの戦いを再開できない。

 その為かなりうっとおしく思っていると、〈ブーメラン〉が弧を描いて再び顔面を掠めてから、持ち主の元へ戻って行った。

 のだが、〈ブーメラン〉を投げた本人──当然こちらもフリーファイターであり、爬虫類を思わせる派手な黄緑色の装甲を纏っている──は空中でそれを掴み取り、今度は刀のように天使の頭上から振り下ろす。


「イヒヒ、一億……」


 気味の悪い笑いと共に斬撃が繰り出される瞬間、俺は高速で腕を動かした。


 〈客席の方へ飛び退いて回避する〉


 不本意だが、ひとまず体勢を立て直す為、一旦ネフィリムを引かせることにする。

 背後に跳躍し客席の中へ降り立つ天使。

 その動きと一緒に魔法陣も移動し、俺は劇場の入り口付近から場内を見下ろすような形になった。


「百・万・ドル!」

「……一億円」


 それぞれ違った言い方でほぼ同じ金額を口にしているフリーファイターたちは、正反対のテンションで俺たちを見上げて来る。


「ちっ、クズが」


 まさか、ここまでうざったい事態になるとは。

 別に彼らには恨みなどないが、俺の邪魔をするのなら話は別だ。

 面倒だが相手をするか、それともどうにかして即座にフラワノイドを倒してしまうか。

 逡巡しつつ、俺は舞台の上に目を向けた。

 ──が、しかし、すでに怪物の姿などどこにも見当たらなくなっているではないか。

 逃げられた。

 一瞬目を離しただけで影も形もな繰り出すなっている。

 よりいっそう面倒な状況に陥り、俺は再度舌打ちをした。

 とにかく、ここを出て奴を探さなければ。


 〈翼を広げ、天井に空いた大穴から劇場の外へ出る〉


 俺の紡ぎだした文章に従い、ネフィリムは黒く巨大な両翼を開いた。

 そして、空中に躍り出ると共に羽ばたいて、先ほど自らが穴を穿った天井を目指して飛び去って行く。


「待てよドル箱!」

「ヒヒ……イヒヒヒヒヒ!」


 当然ながら、容赦のない追撃が彼の足元から飛んで来る。

 空飛ぶ魔法陣に乗った俺は「黙れよ」と胸の内で呟きながら、「神の指」を振るった。


 〈空中で回し蹴りを放つ容量で、光弾と《ブーメラン》をいっぺんに弾き返す〉


 注文どおり、天使の右脚は鞭のようにしなり、光弾を払い除けながら同時に持ち主と同じ色の〈ブーメラン〉を蹴り飛ばす。

 光弾はあっけなく霧散し、〈ブーメラン〉は黄緑色のフリーファイターの足元へ突き刺さった。


 〈そのままさらに強く羽ばたいて、一気に場外へ飛び出す〉


 背中から外へ出たネフィリムは、緩やかな斜面になっている劇場の屋根の上に足をつける。

 上から無理矢理プレスしたかのように平べったいドーム状の屋根からも、すでに何輪かのコスモスが花開いていた。

 ──あのフラワノイドは、どこにいる?

 俺は魔法陣の上で首を動かして周囲を見回す。

 暗闇に閉ざされた空の下、花の侵蝕が順調に進んでいる様子と、ちらほらとプラントが辺りを彷徨っているのが目に映った。

 だが、目当ての相手は見つけられない。

 ここからどうすべきか。

 すぐに答えを出せないでいる俺を他所に、再びセカンドリアリティの兵器がネフィリムを襲う。

 しかも、なんと今度は地上から、小型の〈ロケット〉が飛んで来たのだった。

 黒い〈ロケット〉は俺のすぐ真横を通過して行き、かと思うと次の瞬間には天使の顔面へ直撃している。


「しまった!」


 顔の右半分で爆発が起き、ネフィリムは堪らずその場に片膝をついた。

 彼の右目の周辺の外殻は砕け散り、煙が晴れるにつれて、内側の赤黒い筋肉や煌々と光る眼球が剥き出しになっているのが露わとなる。

 また、前立ての部分は大小それぞれ片方がへし折れてしまい、後頭部の上に浮かぶ光の輪っかも少し欠けているようだ。

 痛々しい傷を負った彼の姿を見た俺は、慌てて攻撃が発射された方に顔を向けた。

 すると、そこには二人のフリーファイターたちの姿が。

 彼らはどちらも同じような〈戦闘用スーツ〉に身を包んでおり、紺を基調としていながらも所々迷彩柄を取り入れたデザインは、どことなくミリタリーな雰囲気を醸している。

 また、全体的に丸みのある頭部装甲には角のような装飾物が生えており、つり上がった両目のレンズや突き出した下顎と相まって、鬼を模しているようにも見えた。

 その内の片方、背が高く角が一本だけの方が肩に大きな銃砲──〈ロケットランチャー〉という奴だろう──を担いでおり、どうやら先ほどの〈ロケット〉は彼が発射した物らしい。

 大方、彼らも懸賞金が目当てなのだろう。

 そんな風に思っていると、ちょうど〈ロケットランチャー〉を担いでいる方が、こちらを見上げながら笑い声を上げた。


「はははっ、すげえわ。さすがアニメ大国ジャパン。マジでいるじゃねえか……デ○ルマン」


 そのセリフは予想外、というかあまりにも斜め上すぎる物であり、少々戸惑う。

 しかし、男の場違いな発言はそれだけには留まらなかった。


「それともアレか? アッ○マンなのか? ア○マイト光線出せんのかよ、お前。最強じゃん!」

「……わけのわからないことを」


 呟いてから、俺は「神の指」を持つ手を真横に振り上げる。

 ──何を言っているかわからないが、俺の邪魔をするのであれば容赦はしない。

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