パティシエの話
僕は今日も作り出す
ケーキをお菓子を作り出す
頬が取れて落ちるような
魔性のお菓子を作り出す
ゆっくりゆっくり作り出す
じっくりじっくり作り出す
執念深く根気よく
緊張しながら作るんだ
お菓子に笑顔を込めながら
心を込めて作るんだ
お菓子に悲しみが残らないように作るんだ
心にピエロを飼いながら
笑いながら作るのさ
幸せそうに作るのさ
楽しいそうにつくるのさ
だって僕はパティシエさ
世界で一番のパティシエさ
君がケーキを食べたいとき
君が笑顔を作るとき
僕はケーキを作るのさ
きみのために作るのさ
本当の笑顔を出せるのは
いつでも美味しいお菓子たち
僕は笑うことしかできないし
食べても笑顔はでないけど
きみのために作るのさ
あるとき少年はこう言った
パティシエは大変だ
笑顔を作らなきゃいけないから
こんなことを言ったんだ
僕は不思議で仕方ない
僕の仕事はパティシエさ
ケーキを作るのが幸せさ
だけど君たちは違うだろう
笑いたいときに笑わない
笑いたくないのに笑うんだ
君たちのほうがずっとずっと
大変さ
僕達は違うって
そんなまやかしは作らない
ならならこれはどうなんだい
ご機嫌をとるために笑うのは違うのかい
仲良しを演じるために笑うのは違うのかい
他にもたくさんあるけれど
それはほんとに違うのかい
そんな人がいないなら
この世界にいないなら
僕はパティシエにすらなってない
だから今日も作るのさ
君のために作るのさ
そうさ僕はパティシエさ
ピエロを飼ってるパティシエさ