27 お土産ゲット、ただしやかましい
拠点へ向けて飛ぶ。
ボクと、メイドさん八名、そして籠に収めた一羽の鳥を抱えて。
『ニャ~! 出すニャ~!!』
一号さんの通訳によると、そんなことを言ってるらしい。
でも鳥が可愛らしく鳴いているようにも聞こえる。
っていうか、鳥なのに語尾がニャ~ってどういうこと?
なんか幼児退行してるみたいだし、深く突っ込んでも仕方ないのかな。
うるさいので、小さく丸めた毛球を放り込んでやったら、それで遊んで大人しくなった。
ファイヤーバードは威風堂々としてたのに、もはや見る影もないね。
辛うじて、体の色に面影が残ってるくらいかな。
基本は派手な赤色で、嘴や翼、尾羽の部分が黒い。
メイドさんの手に乗るくらいの小ささだ。
南国に住んでそうな鳥だね。
『甘いもの、食べたい! そしたら大人しくしてるニャ!』
甘いものを用意するかどうかはともかく、飼育はするべきかねえ。
自分でご飯が獲れるとも思えない。
鳥って虫とか食べるんだったよね。
ここらへんの虫って、巨大芋虫とかの巨大蜂とかの方が多いんじゃない?
このちっこい赤鳥の方が食べられちゃいそうだ。
以前のままの姿なら、近くにいるだけで怖いくらいだったけど。
そう、この赤鳥、ファイヤーバードが残した卵から産まれてきた。
死んだはずなのに、死んでない。
正しく不死鳥だね。
この姿で死んでもまた蘇るのか、そっちはまだ分からない。
聞いても、ニャ~?、とか言って首を捻るだけだし。
さすがに試してみる気にはならなかったよ。
だけど戦闘力は失ってたので、こうして連れ帰ることにした。
後のことは、どうするかまだ決めてない。
まあ、危ないようなら殺せばいいでしょ。
殺しても死なないんだけど。
怖いのは、逃げて復活されることだからね。
また力をつけて襲ってこられたら、今度は勝てる気がしない。
何度でも倒してやる!、なんて言えないよ。
そういうのは少年マンガの主人公に任せておくべき。
手元に置いて飼い殺し、ってのが一番安全でしょ。
なんか、悪役っぽいけど。
気の所為だと思っておこう。
ともかくも戦いは終わった。
いくらなんでも、またすぐにファイヤーバードみたいなのが襲ってくることはないでしょ。
早く帰って、ゆっくりと休みたいよ。
『ご主人様、城壁が見えてきました』
一号さんが目を向ける先には、大勢の姿があった。
アルラウネやラミア、メイドさんたちも城壁に上って待ってくれてる。
拠点内に大きな変化はないみたいだね。
冒険者たちはどうしたのかな?
まあ、被害はなかったはずだし、確かめるのは後でいいか。
ボクは軽く丸めた毛先を振って、皆に応える。
今回も、なんとか無事に生き延びられた。
お風呂に入って、ご飯を食べて、ベッドに転がる。
拠点内はまだ騒がしかったけど、ともかくも休みたかった。
なので、後のことは知らない。
ボクは静かに目を閉じた。
起きたら大変なことになっているとも知らず―――なんてこともなかったよ。
丸二日ほど眠っちゃったけどね。
拠点内は平穏そのもの。
アルラウネたちは花畑でお昼寝してるし。
ラミアたちは狩りの獲物を持って帰ってきてるし。
メイドさんたちも省魔力モードでのんびりと過ごしていた。
ちなみに、赤鳥は籠に入れたままだ。
ちゃんと餌だけはあげてるよ。
ピーチクパーチク囀ってる。
メイドさんたちに魔力供給をしてから屋敷を出る。
ふわふわと浮かびながら、拠点内を見て回る。
これといった変化はないね。
まあ大きな戦いがあったとはいえ、二日過ぎたくらいじゃ当然か。
強いて言うなら、花畑に舞い込む鳥が増えた?
まさか赤鳥を飼い始めたから? 気の所為かな?
あとは、ちょっと騒々しい?
人の声が城壁の外から流れてきてる。
『例の冒険者が、まだ居座っております』
ボクの視線を察して、一号さんが教えてくれる。
でも、冒険者?
顔見せはしたし、もう用は済んだんじゃないの?
それに、ファイヤーバードの襲来があって逃げたはずだよね?
『先の戦いは、最初の辺りだけは目撃していたようです。ご主人様が対峙し、その後に戦場を移すために離脱するまでです』
逃げながらも様子を窺ってたってことか。
まあファイヤーバードは目立つし、遠くからでも見えるよね。
でも戦闘の序盤ってことは、まだボクが甲冑姿の時だ。
正体はバレてない、と。
バレてたら、一号さんがすぐに報告してくれるはずだし。
『戦闘後、彼らも戻ってきましたので、不死鳥の撃退を告げました。戦闘の詳細までは話しておりません。ですが、それに関して、是非にバロール様から直接に話を伺いたいと言ってきております』
むう。面倒な。
だけど好奇心ってだけでもないんだろうね。
あんな危険な魔獣がいたら、少しでも情報が欲しいと思うのは当然か。
仕事の一環、って部分もあるんだろうね。
そうなると無下に追い返すのも波風が立つのかな。
人間とは取引して色々と仕入れたいんだけど……あれこれと手間が掛かりすぎるなら、また考えないといけないね。
『いまは、ご主人様が疲れていると言って、待ってもらっています。新しい鎧も明日には完成しますが、如何いたしましょう?』
そうだ、鎧がないと会うことも出来ないね。
幸い、スペア用にも同じ物を作ってたんで、そう時間は掛からない。
今度は壊れないようにもしたい。
っていうか、鎧ごと消し飛ばされるような戦闘はもう勘弁して欲しい。
あんな激しい戦闘は、そうそう起こらないと思うけどね。
うん。きっと、たぶん、大丈夫なはず。
ともかくも見た目は整えられるとして、一番の問題は、やっぱり会話かな。
前回はほとんど一方的に話すだけだったから、台詞を用意しておいて乗り切った。
だけど戦闘の詳細まで話すとなると、当然、相手からの質問も出てくる。
臨機応変に答えられるほど、まだ言語能力に自信がないんだよね。
どうしよう?
大量に台詞を用意しておく?
いや、そんなに覚えておくのも無理でしょ。
んん~……そうだ、急いで出掛けなくちゃいけないってことにしよう。
戦いの中で、魔獣について何かが分かったことにして。
ファイヤーバードの巣に関して、とか。
まあ曖昧な理由でいいよね。
それに関して早急に調べるってことで、顔だけ見せて出て行けばいい。
よし。これくらいなら台詞も覚えきれるね。
早速、台本を作らないと。
『ご主人様、周辺警戒に当たっている五号より報告です』
ぬ? なに? また厄介事の予感がするんですが。
起きたばっかりなのに。
もう少しゆったりと過ごさせてよ。
『帝国の部隊が接近しております。数はおよそ二百、前回の探索部隊と同じく、ルイトボルト様が率いておられるようです』
ああ、あの人、そういえばそんな名前だっけ。
人数は増えてるみたいだけど、攻撃しに来たって様子でもない?
警戒は解けないけど、ともかくも接触してみるべきだね。
もちろん、ボクじゃなくてメイドさんが。
ボクはもう逃げる。
屋敷へ引き篭もって編み物でもしよう。
そういえば、新しい鎧のマントもあるんだよね。
そこに刺繍でもして過ごしておこう。
メイドさんが、『如何いたしましょう?』って訊ねてくるけど―――、
ここは、あれだ、うん、こんな時のために覚えた言葉がある。
『よきにはからえ』
丸投げさせてもらおう。
まあ、きっと、なんとかなるでしょ。
いざとなったら、全部まとめてブッ壊してもいいし。
人間との関係なんて適当で構わないよ。
だって、ボクは毛玉だからね。
次回は閑話です。
要望の多いアルラウネやラミア回……ではなく、メイドさん回で。
-------------------------------
魔眼 ジ・ワン LV:17 名前:κτμ
戦闘力:9380
社会生活力:-2780
カルマ:-7450
特性:
魔眼種 :『八万針』『完全吸収』『変身』『空中機動』
万能魔導 :『支配』『魔力大強化』『魔力集束』『破魔耐性』『懲罰』
『万魔撃』『加護』『無属性魔術』『錬金術』『生命干渉』
『上級土木系魔術』『障壁魔術』『深闇術』『連続魔』
『魔術開発』『精密魔導』『全属性耐性』『重力魔術』
『炎熱無効』
英傑絶佳・従:『成長加速』
手芸の才・極:『精巧』『栽培』『裁縫』『細工』『建築』
不動の心 :『極道』『不屈』『精神無効』『恒心』
活命の才・弐:『生命力大強化』『頑健』『自己再生』『自動回復』『悪食』
『激痛耐性』『死毒耐性』『下位物理無効』『闇大耐性』
『立体機動』『打撃大耐性』『衝撃大耐性』
知謀の才・弐:『鑑定』『精密記憶』『高速演算』『罠師』『多重思考』
闘争の才・弐:『破戒撃』『回避』『剛力撃』『疾風撃』『天撃』『獄門』
魂源の才 :『成長大加速』『支配無効』『状態異常大耐性』
共感の才・壱:『精霊感知』『五感制御』『精霊の加護』『自動感知』
覇者の才・弐:『一騎当千』『威圧』『不変』『法則改変』『即死無効』
隠者の才・壱:『隠密』『無音』
魔眼覇王 :『大治の魔眼』『死滅の魔眼』『災禍の魔眼』『衝破の魔眼』
『闇裂の魔眼』『凍晶の魔眼』『轟雷の魔眼』『破滅の魔眼』
閲覧許可 :『魔術知識』『鑑定知識』『共通言語』
称号:
『使い魔候補』『仲間殺し』『極悪』『魔獣の殲滅者』『蛮勇』『罪人殺し』
『悪業を積み重ねる者』『根源種』『善意』『エルフの友』『熟練戦士』
『エルフの恩人』『魔術開拓者』『植物の友』『職人見習い』『魔獣の友』
『人殺し』『君主』『不死鳥殺し』
カスタマイズポイント:270
-------------------------------




