1/1
イントロダクション
儘ならねぇ世の中をぶっ壊したい
そう思って手にとったのはギターのピックだった。
芸術は世界を変える。音楽は世界を変える。
言葉が伝わらなくても、美術なら。音楽なら?
ソレが俺の希望で、それだけが俺の特技で、それだけで俺は世界を変えようとした。
結果は、イイとこまで行ったと思う。
シングル、アルバム、出せば売れるし、チャートに乗った。
成功への道を辿っていくのではなく、成功から現在への橋渡しをする。
完璧な計画ではなかったが、穴がアレば飛び越えれたし、橋が朽ちる前にほぼゴールまで近づいた。
狂った、わけではない。ただそうなる物だったのだろう。
ほころびが無かったわけじゃない。スキャンダルだってソレなりにあったし、寧ろソレを含めてウリにしていた。
だけど、結果はダメだった。
男一人、10年間唯一無二を賭けた戦いは、あっけなく、一日で終わった。
あと一歩、いや、もしかしたらどれだけ歩いてもダメだったかもしれないが、
とにかく今日は、その一日をお話しよう。
題は「ドゥヨアビジネス」そんなに長くないさ。