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あたしのお母さん

「うふふ、メグちゃ~ん。おかあさん、今度賞に応募することにしたから。大賞とったらあんた、何が欲しい?」


朝起きぬけにこんな寝ぼけた事を言ってるのは、あたしの母親、光子さん。この人は大体夢の中で生息している。


でなきゃ、40も半ば過ぎてゲーマーだったり、オタクで娘のあたしよりあたしの友達と腐女子トークを炸裂させるなんてあり得ないでしょ。


そんな危なっかしい母のフォローをすること20ん年、あたしはすっかりしっかり者で面倒見の良い性格になってしまった。


お母さんは確かにここしばらくネットで小説を書いている。だけど、今の世の中ネットで小説書いてる奴なんて掃いて捨てるほどいる訳で、そんな一介のおばさんの文章を誰が取り上げるんだって思ってた。


いや、お母さんの努力を否定してるんじゃない。それこそ彼女は夜も寝ないで昼寝して?! その作品を書き上げた。それは認めてる。


だから、原稿を出した後半年以上も経って、

「〇〇社編集部の高貝と申します。光子さんいらっしゃいますか?」

って電話があった時、お母さんがまたネットで小説買ったんだと思ったくらいだ。だけど、

「野江光子さんが今回弊社に応募頂きました小説賞の大賞に選ばれましたので、今後の事をご相談するためにお電話致しました」

って、続けて電話の相手が言ったんで、あたしはプチパニックに陥った。


は? 大賞?? お母さんが、大賞?! はぁーっ???? 

「お母さーん!」

2階で電話をとったあたしは、階段を落ちそうになりながら降りて、台所で旨そうにトマトを食っていた当のご本人、野江光子さんに受話器を渡した。

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