2 クロスワード
俺は新聞で、クロスワードをする。しかし、中々難しい問題があるとすぐ諦めてしまう。一方で、妻は得意分野の時は実力を発揮し、そのときはほめる。今回も、褒めていた。
「よく、そんなに分かったな。」
「ふん、まあやっぱり?これくらいなら私の得意分野となれば朝飯前ね。」
妻は得意げになって、体を動かしたいからか伸びをしていた。
しかし、俺は見つけてしまった。妻が、初めは罷免の読みがわからなかったのか、空白にしないで「ひめん」でなく「のうめん」と、「ひ」の枠に「のう」と書いて、後からそこだけ二重線で消していたことにしていたのだ。そして、近くに「ひ」を書いていた。
俺はついうっかり口に出してしまった。
「なんでのうなんて、書いてるんだ」
ついでに口に出しただけでなく、フッと軽く笑ってしまった。
一瞬で、我に返り青ざめた。妻が殺意ある目で俺を見ているのではないかと。真っ先に俺の口を手で押さえ、妻を見た。
そのとき、見えたのはー
部屋の家具だった。
いつの間にか妻はトイレに行っていた。
俺は安堵し、大きく息を吐いた。
「なんでそんな深呼吸みたいな息の吐き方してるの?」
妻がいた。やばい、終わった。諦めだ。
「あ、いや、なぜここにのうめんって書いた後消したのか気になって…口に出したんだ。聞いたら怒るかなって。そう思ったんだけどいなかったから安心しました。すいません。」
沈黙が流れた。これは、もう一度謝るべきか。
「間違えたのは、小さい頃ずっとそうやって間違えて覚えていたからだよ。ほら、罷免の罷って、能って字があるから読みがわからなかったとき代わりにそう呼んでいたの。別に、それでそんなに怒ったりしないけど、それとも何、そんなに怒る人だと思ったわけ?」
思います。今もう怒りかけているではありませんか。
「いやぁ、まあ。でも、理由が分かってなんかスッキリしたからよかった」
冷や汗もでたが、それ以上に理由が分かって安心した。それにしても、間違えた覚えた読みがまだ忘れないのか、俺もそんな事があったが妻もそうだとは。
…はぐらかしたわね。別に私だって自分で言いつつ、怒りっぽいのは知ってるよ。でも、怒りっぽくてもそれを知ってる上でいつもそばにいてくれる旦那がいるとは、なかなか悪くない世界にいるものだな。
私自身、惚気かよ!と思うところもありましたが、まあね、フィクションなんでね。気ままに読んでくれるとありがたいですね。
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