不穏
※中島視点の物語です
また今回はいつもより少々長めです。
また途中「◇◆」のラインが2本ひいてありますが・・・
そのラインの間の部分は「表情(本編に+aの話)」の中島視点の話なのですが、今回はいつもより少し話が長いため、これ以上に文字数を増やしたくなかったので、大雑把にして、省いてしまっています。
なのでこのラインの真ん中の部分は次回に持ち越したいと思います。
・・・わかりにくくてすみません。
つい先日、私たちの組織は生徒会上層部から「諜報部」という名前をもらい、また1つ生徒会内に指揮可能部が成立した。
・・・しかしこの組織についてはあくまで極秘で、上層部のうちの一部の幹部しか知らないこととなっているらしい。
とにもかくにも、最初は無理だと思っていた組織作成も先輩方のおかげもあり、どうにか成すことができた。
故に私を含めて、「諜報部」の皆は一息ついていた。
しかし生徒会の一大事は刻一刻と迫っていた。
それは私自身にももちろん関係してきて、そして私自身を変える大きなきっかけとなることとなる。
時期は中間テストを終えて少しした後だった。
その日はいつもにも増してただならぬ空気が生徒会中に漂っていた。
その日も最初はいつもとなんら変わりない日だった。
・・・しかしお昼に私のクラスで問題が起こった。
クラスのうちの1人、「桶狭間」という人物が生徒会1年副会長である「川口」の胸倉をつかみ、反抗した。
この学校では生徒会の権力は絶対的、だというのにもかかわらず・・・!!
事態はそれだけに済まされず、その桶狭間という人物は「反生徒会組織」と立ち上げようとしている、という噂まで流れ始めていた。
そのため、上層部は放課後に臨時議会を召集して、幹部たちは皆、今も話し合っている。
「いつも通りの場所にいつもの連中がいないって変な感じだな。」
情報処理室にて、鷹村くんがいう。
今はくどいようだが、幹部は皆、会議を行っている為・・・
五稜郭さんも、山崎さんも、皆会議へといっている。
上そのものが一まとめにされ、こんなにも長い会議をしているのを私は始めてみた。
「・・・」
事態の原因が私のクラス・・・
そして何より、「胸倉をつかんだ」ということについては私自身が「諜報部」の役目として報告したことだけに、なおさら気分が悪い。
私一人の報告がここまで事態を深刻にしてしまうとは・・・
今まで当然のように報告してきたことだけど、こういったことを目の前にして、私の仕事はお遊びではないのだ、と実感する。
「しっかし、馬鹿だよな~、その桶狭間という奴も。生徒会に逆らおうするなんてさ。」
桶狭間くんは同じクラスの同級生ということもあって、ある程度の性格は理解しているつもりだ。
・・・だけど、昔よりはだいぶよくはなったとはいえ、まだ完全に男性恐怖症が抜け切っていない私からすれば・・・
彼は一番苦手なタイプだった・・・
暴力的で、すぐに態度にでる・・・
声が大きくて、調子がいい・・・
そういったところは中学のとき、私のことをいじめてきた男子たちにそっくりなところがあった。
・・・早い話が嫌な記憶を連想させるのだ・・・
「・・・怖いです。」
「・・・は?」
私は一言で今の心境をまとめあげた。
鷹村は目を丸くする。
「だってもし桶狭間くんが「私が報告した」と気づいたりしたらどうなるか・・・」
きっと怒ってる。
きっと生徒会へ情報を流した人を憎んでる・・・
もしその情報を流した、という人が私だと知ったら彼はどういう態度にでるだろうか・・・
中学の嫌な連想と結びついて、すごく怖かった。
その恐怖を感じるたびに、私は自らの仕事を甘く見すぎていたこと、そして責任の重さで胸が苦しくなる。
「高校にきてまで、女性に手をあげるような馬鹿はさすがにいないとは思うけどな。」
「・・・」
「ま、なるようになれって奴だ。今の状況からすればバレやしない。・・・生徒会内部の連中ですら、俺らのことは知らないのが大勢いるんだからよ。」
鷹村は苦笑しながら、一応気を使った言葉らしいものをかけてくる。
「・・・他人事ですね。」
「まぁ、な。事実お前がどうなろうとしったこっちゃねーし。」
「ひ・ひどいですッ!!」
「冗談冗談、ハハッ。」
彼は高笑いをすると、もっていたボールペンをこちらへと向ける。
「簡単な話、生徒会にいる間は絶対安全、ということだろ?こっちには警備部もあるし、権力だってある。それらに俺らは守られてるってこった。」
「・・・」
「要は生徒会の領域からでなけりゃいいってことだな。俺らが普通に仕事をしている間は、生徒会という組織が俺らの身の安全を保障してくれる。・・・考えてみれば簡単なもんだろ?」
つまり、私自身が生徒会を裏切らなければ生徒会は味方についている・・・
生徒会には権力も戦力もあるから、味方につけておけばまず間違いはない。
したがって、私たちは今までどおり、普通に生徒会生徒として仕事をして、生徒会という組織全体を味方につけておけば、それで大丈夫、ということだろう。
「んなことより、実際どうするんだ?」
「何がです?」
「うちの部の最高責任者。」
最近、「諜報部」ができたことはいいのだが、誰が諜報部の最高責任者になるか、ということが問題になってきている。
諜報部の人材として、賤ヶ岳さんが引き抜いた生徒は1年だけだった為・・・
今の諜報部は同級生しかいない。
諜報部は私や鷹村くん以外にも何名かいるが・・・
最高責任者、という地位を得ると会議に出られ、発言権を得られるなどそれなりの特典がつくため・・・
皆が皆、最高責任者をやりたがっている。
・・・私をのぞいて。
「私は鷹村くんがいいと思うんですけどね。最初にこの部を作ろうと言い出したのは鷹村くんですし。」
「それをいったら、この部作成のために手伝ってくれたお前にだっていえるだろ。」
「私は結構ですよ!・・・発言力がないですし。」
そんなことをいうと、鷹村くんは再び笑い出す。
・・・ひどいですッ!
「いや、ま、たしかに中島は発言力ないけどな。」
「そうなんですけどね。」
そんなことをいってると、ドアが開く。
「あ~、会議とかなんであるんだ・・・長かった・・・」
「さすがに今日のはつらかったな・・・」
「僕はぜんぜん平気ですにゃん♪」
幹部組み、すなわち五稜郭さん、ハルさん、山崎さんが帰ってきた。
おそらく臨時会議が終わったのだろう。
「お疲れ様です。」
なんか皆、つかれきっている・・・
「つ・つかれきっていますね・・・」
「あぁ、ここまで長いのは久しぶりだからな。さすがにきついわ・・・」
「きついですか、五稜郭さん?なら僕が肩をもんであげますにゃん♪にゃんにゃんにゃ~ん♪」
「・・・会議が終わったら、今度はこういう奴がいるから余計に疲れる。」
「あ~・・・」
なんというか・・・
納得です。
「五稜郭、そんなんでは天下統一などできんぞ!!この俺は来世は第六天魔王、その名は織田信長と呼ばれることを目指して、日々向上するのだ!!」
「・・・こういう奴がいるから余計に疲れる。」
「・・・はい。」
それには深~く同情します。
「じゃぁ幹部の方々、息抜きに「諜報部」最高責任者に誰が向いているか、ということを話し合いましょう。」
「・・・息抜き・・・なのか・・・それ・・・?」
せっかくだ。
先輩方の意見を聞いてみるのも悪くはないだろう。
「実際お前らは誰がいいと思ってるんだ?」
「私は鷹村くんがいいと思います。」
「俺は中島がいいと思うけどな。」
その反応にまわりは苦笑する。
「絶対鷹村くんのほうがいいですって!私は発言力ないですし・・・」
そんなことをいうと、まわりも頷く。
・・・もはや私が発言力がない、ということは周知の事実らしい。
「発言力がないのは厳しいですね。」
ハル先輩は少し険しそうな表情でいう。
「あ~、特に賤ヶ岳さんは関門だな。遠まわしにネチネチと責めてくる。」
「うわ~・・・」
「しかもあっち側の言い分が正しいから性質が悪いんだよな・・・」
山崎さんは疲れ果てた様子でいう。
その様子からして、今回の会議が長引いたのは少なからず賤ヶ岳さんの遠まわしな責めがあったからであろう。
「無理です。絶対無理です、賤ヶ岳さんになんて口論で勝てるわけがありません!」
「最終手段はハニートラップだろ。」
なんか鷹村くんが言い出したんですけど~・・・
「私になんてことさせようとしてるんですかッ!」
「味方をトラップにかけてどうすんだよ・・・」
「いや、賤ヶ岳さんって意外とエロそうだからいける気がするんだよな!」
「ハハッ、違いねぇや。ムッツリそうだしな。」
山崎さんと鷹村が意気投合している。
・・・男子はこういう話がホントに好きですね・・・
「あっ、でも中島じゃぁ色気が足らないな。」
「・・・どういう意味ですか?」
「ん~、ハニートラップ仕掛けるのに、お前の胸は物足りなすぎ。」
鷹村が冗談混じりに、実は結構気にしていることをズバリとついてくる。
「な・なんてこと言うんですか!!これから成長するんですよッ!!」
「ふ~ん。」
鷹村の目は「信用してません」という目だ。
納得がいかない、といった思いをしていると今度は山崎さんが笑いながらに五稜郭さんを指差す。
「まぁ、それをいったら五稜郭だってそうだろ。」
「ザキ、てめーは殺されたいのか?」
なんか飛び火で五稜郭さんのほうにまでいってるし・・・
「ハル、お前もそう思うだろ?」
「別に僕は・・・フッ。」
「・・・後でハル、お前は死刑な。」
え?五稜郭さん、目が本気なんですけど・・・
「そういやジャスティスの連中から「試作品」の確認を頼まれてるんだった。」
ジャスティスというのは私たちの「諜報部」ができた後、すぐに新たに設立された組織だそうだ。
・・・実際は警備部の一部が独立した、という形らしいが。
「・・・試作品?」
周りは皆、「何だ何だ」といった様子で五稜郭が棚から取り出す様子をみつめる。
「・・・これこれ。」
取り出したのは妙にリアルな拳銃。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
あ、いや、もちろんリアルっていっても本物じゃないですよ?
おそらくはモデルガンかガス銃か、そこらの類じゃないでしょうか。
「あ、そういや俺も皆に大事なこと伝えなきゃいけないんだった。」
すると今度は山崎さんが口を開く。
「なんだよ?」
「俺、実は前世、四大神の1人だったらしいんだよね。」
・・・え?
・・・だから?
「・・・そうか。神も堕落しちまったもんだな。とりあえずハル、そいつを抑えろ。」
「了解ですにゃん。」
五稜郭さんやハルさんは山崎さんのこの手の流れに慣れているらしく、たいして驚いた様子を示さなかった。
・・・というか、呆れている。
ハル先輩が山崎さんを抑えると、五稜郭さんは「ジャスティス」からの贈り物を向ける。
「え?ちょっ・・・五稜郭さん?な・なにしようとしてるんですか?」
さすがに山崎さんもちょっとタジタジ。
「いやな、試作品の確認っつってもこんなんじゃぁ、試し撃ちぐらいしかできないだろ?で、下手に壁とか撃って傷つけるのもなんだし、的がないから困ってたんだ。」
「へ・へぇ~、そうですか~。それでなんでハルさんは俺を抑えてて、五稜郭さんはその試作品を俺に向けているんでしょうか?」
「そんなの決まってるだろ。」
五稜郭さんは意地悪な意味を浮かべてトリガーに手をかける。
「的ができたから試し撃ちすんだよ。」
「え?ちょっ、勘弁してくれよッ!!」
「大丈夫、前世は四大神のうちの1人だったんだろ?」
これ、軽いイジメじゃないですか???
すると土壇場で五稜郭さんは棚のほうへと銃口の矛先をかえて、撃ち抜いた。
「おぉ~・・・怖ぇ・・・」
山崎さんはホッと一安心、五稜郭さんは困り顔。
なぜかって?
棚にあったプリントを撃ち抜いてしまったからです。
「あちゃ~・・・これ、こんなに威力あんの?」
「・・・殺人的だな・・・」
五稜郭さんは自分の持っている試作品をマジマジと見つめる。
「威力ありすぎってのも問題だな。」
「・・・実際なんか起こって使うとしても、撃った対象が人間だった場合、目とかに入ったら危険じゃ済まされませんね。」
ハルさんもそのあまりに威力に驚き気味に言う。
「ったく・・・やれやれ・・・」
五稜郭さんは深いため息をつくと、机を開いてその中に試作品を入れた。
「ん?・・・五稜郭さん、その帽子ってなんですか?」
「・・・これか?」
机を開いたときにたまたまみえたのだが・・・
形の整った学生帽の白いバージョンで、真ん中に我が校の「菊の紋章」が入った立派な帽子があった。
彼女はその帽子を大事そうに取り出した。
「コイツは我が生徒会の伝統でな、天王山会長から幹部の1人1人へ配布される、いわば幹部の印、みたいなもんだな。」
山崎さんが少し得意げに説明をする。
「今年の生徒会就任式で幹部は皆かぶってたんですが・・・諜報部の皆は途中からなので、見てないんですね。」
ハルさんは苦笑していった。
・・・どうやら普段はこの帽子を幹部はかぶっていないことから、「就任式」や「何かの行事」でしかかぶらない、と決まっているらしい。
「ちなみに男性は帽子、女性は肩あたりにつけるリボンなんですよ?」
「・・・あれ?五稜郭さんは・・・」
「こいつは馬鹿だから自分から「帽子にしてくれ」って頼んだの。・・・まったく何考えてるんだか・・・」
山崎さんは呆れた様子でいうが・・・
「何考えているんだかわからない」という面では人のことをいえないと思ったりしている。
「お前に馬鹿っていわれるのは心外なんだが・・・」
五稜郭さんは違うところに食いついたみたいだ・・・
「ま、いわゆるこいつは“特別”なんだわな。」
まぁ、たしかに女性で本来はリボンをもらうのに、帽子をもらったというところは特別なのだろう。
・・・おそらくそういった無理が通ったのは会長から信頼されている証でもあるのだろう、と思う。
「じゃぁ、山崎さんももってるんですか?」
「あぁ。・・・ちなみに俺は自分の帽子に「アンドロメダ」という名前をつけてる。」
「そ・そうですか・・・」
なんか、そんなこと自慢されてもなぁ・・・
と思ったり。
「諜報部の「最高責任者」にも、おそらくこれが支給されるだろうな。」
「果たしてなるのが中島さんか、鷹村くんか。それによって帽子かリボンかかわってきますね。」
「そうだな。・・・ま、そうなったときは「諜報部」専用の部屋が割り当てられるはずだから、この情報処理室からも卒業だな。」
・・・そんなことをいわれると、少し寂しい感じになったりする。
しかしながら当然ながら「新たに部を作る」ということは、今後は「情報処理部」の指揮下ではなく、独立するということだ。
いずれはここから離れていくことになるのだ。
・・・なんというか・・・複雑な気分だ・・・
結局その日は諜報部の「最高責任者」は決まらずに時間になってしまった。
夕方になり、帰り道を帰っていると・・・
「あ・・・」
「お・・・」
たまたま紀龍くんと鉢合わせをしてしまった。
もっともあっちも今日は一人で下校だったようで、連れは誰もいなかったのだが。
「・・・お久しぶりです。」
中学の時に告白して失敗してからそれなりに気まずい空気になって・・・
あの後話すのは実質今が初かもしれない。
「おぅ、久しぶり。」
・・・だけれど、なぜだろう・・・
過去のように彼とあっても、ドキドキしない。
つい先日まで金ヶ崎さんに名前をだされるだけでドキドキしたのに・・・
やっぱり「諜報部」と作るきっかけとなった出来事、鷹村に対して彼がとった行動をみてしまったから、そういった気持ちが失せてしまったのだろうか。
「帰り、こんなに遅いのか?」
「えぇ・・・まぁ・・・図書室で本を読んでますから。」
そういうと彼は頷く。
「そうか・・・相変わらず勉強熱心なんだな。・・・ま、あんまり遅くいると生徒会に目をつけられるから気をつけろよ。」
そういって短く会話を切り上げると、彼はいってしまった。
・・・久しぶりに話したのに・・・
たったこれだけだった・・・
やっぱり彼は昔に比べて冷たい感じになったと思わされた。
・・・それから家に帰ったのだが・・・
家についてあることに気がついた。
「・・・宿題、学校に忘れた・・・」
あちゃ~・・・
自分としたことが!!
外はもう暗い・・・
けれど、まだ学校には人がいるはず!!
「・・・はぁ・・・」
私は軽くため息をつきながらも、仕方なくいったんきた道をまた戻ることになった。
・・・この選択が今後の私の運命をだいぶかえることになる。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
・・・そう、そこで後の絆同盟のリーダー・・・
そして生徒会1年副会長である川口の胸倉をつかんだ問題児・・・
桶狭間くんと出会ったのだ。
彼も私と同じで宿題を忘れたみたいだった・・・
お互いの利害は一致して宿題を学校側にバレずに回収できた。
もともと彼のことが苦手で自分から話しかける、なんてことはまず不可能だと思っていたけれど・・・
実際に彼と話して、少しだけ距離が縮まった、そんな気がした。
・・・むしろ不安要素は彼ではなく別なところで発生した。
その学校での回収のときに一時だけ私一人で行動してしまうところがあったのだけれど・・・
そこでたまたまジャスティスのメンツとあった。
・・・ジャスティスは私たち「諜報部」のことは知らないはずだった・・・
なのに彼らは私が諜報部であることを知っていたのだ。
(どこかで情報がもれてる・・・?)
私は不安になりつつも、とりあえず宿題の件は一件落着し、家へと帰った。
そしてこの問題は明日へと持ち越すことにした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
次の日、私はさっそく昨日の出来事を五稜郭さんに報告した。
・・・諜報部の存在すら知らないはずのジャスティスがなぜに私たちのことを知っていたのか・・・
もしかしたら幹部である五稜郭さんなら知っているかもしれない。
そんなことを思って。
「・・・ジャスティスが知ってた?・・・そんなはずはないと思うが。」
「何かの間違いではないんですか?」
結果はハルさんも五稜郭さんも知らない様子だった。
「いえ、でも昨日たしかに・・・!」
「・・・だとするとこれは問題だな。どっかから情報がもれてるってことだろ。」
「外部にも漏れていたら大問題ですよ?」
2人はいつも以上に険しい様子をみせる。
「今日の会議で一応探ってはみる。」
「・・・はい。」
五稜郭さんはそういって立ち上がった。
それからこちらに微笑んだ。
「そんなに心配する必要はない。仮に情報がもれててもてめーらのせいじゃねぇんだ。」
「そうですよ、安心してください。それに何かあれば我々生徒会が守りますから。」
「・・・たまには格好良いこと言うじゃねぇか、ハル。」
そういって2人は優しくこちらに微笑むと、ドアのほうへと歩き出す。
「んじゃぁ、会議にいってくる。」
「・・・はい。」
それから2人が会議へとでていって数分がたった。
「・・・」
私は迷っていた。
いつもいつも問題がおこれば周りに任せてばかり。
・・・こんなんでホントにいいのだろうか。
諜報部作成だって、鷹村くんが主動だったし・・・
過去の咲良ちゃんの件にいたっては、何か言うことすらできなかった・・・
「・・・やっぱり行こう!」
私は勇気をだして立ち上がった。
・・・自らで確認しにいくのだ。
なぜ「諜報部」の存在を知っているのか、を。
「ジャスティス」がいつもいるのはパソコン室だときいていた。
そこへと重い足を引きずって歩いていく。
「・・・ふぅ・・・」
息を吸ってはいて、深呼吸を1回してから思い切ってノックをした。
「・・・どうぞ。」
「・・・失礼します。」
ドアをあけて部屋の中に入ると、そこには5名の男子がいた。
中では3名と2名にわかれていて・・・
3名のほうはどうやら作業をしているらしかった。
残り2名は、昨日みた「試作品」を作っているようだった。
「・・・あ?誰、お前。」
「おっ、昨日あったね。元気にしてた~?」
「・・・諜報部の奴か。」
3人のなかで、1人はものすごくイケメンだった。
・・・だけれど、その人は思いっきり敵意丸出しの視線で私をにらんできた。
あと2人は昨日にあった人物だった。
1人は剣道部で活躍している、と噂の「陽炎」という人物だが・・・
もう1人は知らない。
あと・・・
その部屋には紀龍と西本がいた。
「おっ、よぅ。」
「紀龍のお知り合いですか?」
5人とも珍しい客人を目の辺りにして、こちらへと近づいてくる。
「ま、とりあえず上げれよ。客人に対しては紳士な俺。」
「あ・ありがとうございます。え~と・・・」
「あ、自称紳士のこの馬鹿の名前は「神威」ね。・・・ちなみに俺は陽炎。よろしく。」
陽炎くんは丁寧に名前を教えてくれた。
「で、そっちにいるイケメンなのに性格が残念だから彼女ができない悲しい奴が飛沫。」
「余計なこといってんじゃねぇよ、陽炎。ぶっ飛ばされたいか?」
飛沫という名の人物は不機嫌そうに目の前の画面を見つめながらに言う。
「で、そっちが・・・」
「紀龍くんと西本くんですね。・・・私は中島です、よろしくお願いします。」
とりあえず挨拶は済ますと、いきなり飛沫くんから質問された。
「ところであんたの上の五稜郭って幹部に試作品を渡したんだけど、なんか感想いってた?」
あ~・・・あれか・・・
昨日、棚にあったプリントを貫通してたあれね・・・
「・・・威力が高すぎる、と。」
「え?別によくね?生徒会に逆らうカスが悪いわけだし。」
「でも目とかに入ったら危険って・・・」
「別によくね?カスが悪いわけだし。」
そんなことをいうと、陽炎が苦笑しながらにいう。
「そうか、じゃぁ目の前のカスが悪いということで、お前は目に撃たれてもオーケーなわけな?」
「お前、それって俺がカスだっていってる?」
「さぁな、それはどうかわからない。」
陽炎の冗談じみたからかいに飛沫はまゆをしかめる。
私は西本くんと紀龍が作っていると思われる「試作品」がいっぱい転がっている床をみる。
「・・・男子ってホントにこういうの好きですよね。」
よく男の子がエアーガンとかで撃ち合いしてましたね・・・
男の子ってやっぱり銃とかそういうのって好きですもんね。
「いや、俺は剣道のほうが。」
・・・と陽炎くん。
「いや、私はこの国のほうが。」
・・・と西本くん。
「いや、俺は自衛隊と飛沫ちゃんのほうが。」
「・・・てめーは黙れ。」
神威くんが言うと、飛沫くんは疲れ果てた様子でいった。
「大体お前がいつもいつも「飛沫ちゃんLOVE☆彡」とかいうせいで、俺とお前にホモ疑惑がでるんだよッ!俺はそっち路線に興味はねぇんだよッ!!」
「たとえ周りになんと言われようと俺は飛沫ちゃんラブだぜ!!」
「やめろっつってんだろうが!!」
・・・なんというか・・・
そっち路線に私も興味はないので、ちょっとそっち路線はつらいです・・・
「しかしながら、こうはいっておきながらもちゃっかりリア充なのが神威クオリティ、ですよね。」
西本があごに手をあてて苦笑する。
「くそ、リア充め、爆発しろ。」
それに紀龍も乗っかる。
そんなことをいっていると、西本が床から2丁の拳銃・・・
というか、連射が可能なサブマシンガンを取り出す。
「はい、完成しましたよ、神威専用銃。」
どうやらちょうど飛沫の命令で神威専用の銃を改造していた最中だったらしい。
「・・・ま、ぶっちゃけいらねーわな。」
「・・・ぶっちゃけないでください。改造したこっちが悲しくなりますから。」
・・・あれ?
作る側も悲しくなってるってことは、誰得で作ってるのでしょう?
「・・・これ、なんで作ってるんですか?」
「そりゃぁ、うちの馬鹿大将が量産しろっていうから。」
陽炎が大声でそのようなことをいうから、またも飛沫ににらまれる。
「実際生徒会の戦力を拡大するなら、武器も強化する必要もあるだろうし、生徒会の敵は一瞬でつぶせるようにしておくために作ってるだけだ。」
なんと殺伐とした目的!!
「ま、戦力、というのはバランスが重要です。・・・あまり強すぎるものを持つのもどうかと思うのですが。」
と西本が言うやいなか、すぐに大声がきこえた。
「よし、決めたッ!!!」
声の正体は神威からだった。
・・・ものすごいドヤ顔をしている。
「この2丁の銃、「明太子」と「焼鱈子」って名前にする!!」
「・・・」
彼はどういう趣味をしているのだろうか・・・
さすがの飛沫もドン引きしている。
「・・・うん、なんていい響きだ!!よし、飛沫ちゃんのも俺が特別に名前をつけてあげよう!!」
「・・・遠慮する。」
飛沫はなんだかげんなりとした様子でいった。
「そういうなよ、やっぱ銃には愛称をつけたほうが愛着がわくじゃん。」
「・・・お前のは愛着がわくんじゃなくて、単に腹が減るだけだろ。」
飛沫は反対するものの、神威は聞く耳をまったくもっていない。
ついに人差し指を一本あげて言い出す。
「その1、食べるラー油。」
「却下。」
「その2、食べる唐辛子。」
「却下。」
「その3、食べる・・・」
「却下だっつってんだろ!!」
飛沫の沸点というのは低いようだ・・・
すぐにキレる・・・
「ふむ、どれにも「食べる」という単語が入ってくるあたり、悪意を感じますね。」
西本はなぜだか楽しそうに言う。
「わ・わかった!真面目に考えるから!!その1、「89式装甲車」。」
「却下。」
「その2、「89式小銃」。」
「却下。」
「その3、「87式自走高射機関砲」。」
「・・・お前は俺をおちょくってるの?」
「・・・最初2つを「89式」でそろえたところあたり、悪意を感じますね。」
しかも最後のは微妙に数字が違ってきてますしね・・・
「わかった!せめて「バイパーゼロ」で!!」
「もういいから、茶番は。」
飛沫は「シッシッ」といったしぐさをとる。
「せめて名前をつけるなら、もっと戦意があがるような名前にしてくれ。」
「そうですか?じゃぁ・・・」
すると今度は西本が名乗りを上げた。
「「謝罪☆賠償☆反省♂」、とかどうでしょう?」
「やべっ、すごくぶっ放したくなるんだけど。」
飛沫ではなく、紀龍がそんなことを言い出す。
なんて危険な銃だッ!!
「一緒にぶっ放しましょう!!」
「おぉ!!」
「・・・盛り上がってるところ悪いけど、却下。」
すると今度は陽炎が口を開く。
「戦意向上?なら単純に「相手を殺す気でノリノリで銃をぶっ放す俺KAKEEEEEEEEE!」でいいんじゃね?」
「・・・喧嘩うってる?却下だ、却下。」
すると、飛沫はなにやら机の引き出しから紙を取り出した。
だいぶ新しい紙のようだが・・・
「あの・・・それは?」
「これは山崎さんの意見をまとめた奴。」
・・・え?
それってすごく中二病なものの集まりな気がする・・・
「よし、もう面倒だし「天上天下唯我独尊」でいいや。」
・・・どこの暴走族ですか?
「なんかこのノリ、前にもあったな・・・なんだっけ?」
「この組織の名前でしたっけ?たしか我々があまりにテキトーな名前をつけるんで、最終的に山崎さんにきいて、飛沫が「面倒だからそれでいいや」ってことで、この名前になっちゃったんですよ。」
・・・そんな理由でこの組織の名前つけたの!?
しかし言われてみれば、「ジャスティス」って・・・
さりげな~く中二臭が漂っている気がしなくもない。
「ちなみに前はなんて名前をつけたんですか?」
興味本位に聞いてみたり。
「私は「この際、ビッグバンの起源はかの国でよくね?」」
・・・あの・・・
西本さん、何のことをいってるんですか?
「俺は「日本鬼子かわえぇwww」。」
・・・ホントに紀龍くんはかわってしまいましたね・・・
ホント・・・残念すぎるぐらいに・・・
「俺は「俺らの黒歴史 sennior high school ver」。」
陽炎くんのはもはや、何もいえない・・・
けれど、チーム名が「ジャスティス」というところですでに黒歴史なのでは???
「俺は・・・」
「すみません、もう結構です。」
それから私は今度は飛沫がやけに真剣に見つめている画面をみる。
「・・・」
その画面には・・・
一言でまとめると卑猥なものが映し出されていた。
「・・・一応ききますけど、何やってるんですか?」
「エロゲー。」
・・・私は確信した。
紀龍くんがおかしくなったのは絶対この人のせいだッ!!
「・・・男の子ってホントにこういうの好きですよね~・・・」
本日2度目の言葉・・・
でも・・・ごめん、これぐらいしか言うことがない・・・
「てめーらだって面食いの俳優が好きだろ。」
「・・・そうですかね?」
「お前ら女子に男子の苦しみの何がわかるの?草食系男子には「もっとガツガツ動きなさい」とかいうくせに、自分のタイプじゃないと「ウザい」とかいうんだろ?これはな、そういう男子が苦しみから解放される唯一のオアシスなんだよッ!なのに女子はこのオアシスまで埋め立てるつもりなの?」
・・・いや、そんなに熱く語られても・・・
・・・というか、無駄話しすぎでしょ!!
何のために私はここにきたんだッ!?
・・・私は気合を入れなおす。
「あ・あの!!・・・その・・・昨日、なんでお二人が「諜報部」の存在について知っていたのかききたくて。」
遠まわしにいっても、時間ばっかりがかかってしまう。
すでにだいぶ時間を使ってしまっている。
私は単刀直入にきいてみた。
その質問に陽炎と神威は顔をあわせて困り顔をした。
「・・・え?諜報部ってなに?」
紀龍が「何か」言っていたが、聞こえなかったことにしておこう。
「なぜあなた方が隠密組織である私たちを知ってるんですか?あなた方には情報は伝わってないはずですが・・・」
「隠密?On蜜の間違いだろ?」
その問いに答えたのは神威でも陽炎でもなく、飛沫だった。
しかも彼は私をあざ笑うかのような表情をする。
「いくら隠密の組織でも、それが「組織化」・・・つまり「部として成立」しちまったらそれなりにでかく周りにも知れ渡る、常識だろ。」
「・・・」
「ま、あんたらのおかげで俺らもこうしてジャスティスとして独立できた。その面じゃ感謝してるけどな。」
「・・・え?」
それってどういうこと・・・?
そもそも知られていないはずの情報を彼らが知っていて・・
私たちが「諜報部」として成立させたことに感謝してるって・・・?
頭のなかがグルグルと混乱してくる。
「簡単にいえば、てめぇらが独立したんだから俺らもいいだろ?っていう話。ダメなら「諜報組織の情報を一般にもらしますぜ」っていったらあっさり通っちまった。」
「・・・」
「あんたらが部を形成しなけりゃ、俺らはあんたらの存在すら知らなかった。が、てめぇらが「諜報部」を作ってくれたおかげで、あんたらの存在と部が独立できるという証明、そして生徒会幹部を強請るネタができたってわけだ。」
つまり・・・私たちの努力は綺麗に利用された・・・?
そう思うと、グッと悔しいのか、怒っているか、よくわからない感情が心の底からわきあがってくるのがわかった。
「ま、裏じゃいろいろあったらしいが・・・とりあえずこうして独立することができた、こいつはでかいだろ?・・・だからお前ら諜報部には感謝してるっていってるんだ。」
私の中で、よくわからない感情がどんどん増えていくのを感じていると、誰かの携帯がなった。
急になったのでそれに驚いて、その感情はそこでとまった。
・・・「君が代」ではないところをみると、まず西本ではないのはたしかなのだが・・・
「あ、俺だ。」
紀龍はそういうと携帯をあけてこの部屋からでていった。
・・・おそらくは電話だったのだろう。
彼が部屋からでていったので・・・
せっかくだし、私は私個人としての質問を先ほどにたまったよくわからない感情を彼にぶつける気持ちで聞くことにした。
「・・・紀龍くん、だいぶかわってしまいましたが、それってあなた方のせいですか?」
この質問はあまりに失礼だったかもしれない。
けれど、それでもやっぱり聞いてはおきたい質問でもあった。
「たしかにあいつはかわったな。」
と神威くんは言う。
やはり周りの誰からみても、彼はかわったのだろう。
「俺から見てもかわったことぐらいはわかる。「世界保健機関(WHO)」が「世界恋愛機構(WLO)」になっちまうぐらいかわったな。」
飛沫くんもそのようなことを言う。
・・・それって変わりすぎなのでは・・・?
「一応いっておくが、人をかえるってのは他人がどう動いてもかわりはしない。・・・最終的には自分自身が意志判断をして、意識的に自分をかえていくもんだ。・・・たしかに紀龍はかわったが、それは紀龍自身の判断でかわったんじゃねぇか?」
と飛沫は言う。
・・・実際どうなのかは本人にきいてみないとわからないけれど・・・
たしかに彼の言い分は正しいのかもしれない。
「ま、何にしろ、あんたにも「ホントに守り抜きたい存在」「どうしても一緒にいたい存在」ってのに出会ったら、紀龍の気持ちも少しわかるんじゃないか?」
神威は真剣な眼差しでそう言いきった。
もしかしたら彼自身も、そういった経験でかわったのかもしれない。
「・・・ありがとうございます。」
私は皆の前で一礼をして、この部屋のドアへと歩いていく。
最後に飛沫がこのようなことをいった。
「・・・自分のなかの過去の理想図を他人に押し付けるのはやめるんだな。・・・それ、言われた側はホントにウザいから。」
・・・おそらく彼が言いたかったのは「昔は~だった」とかそういう風に過去の自分のなかのその人の理想図に捕らわれすぎるな、ということだろう。
たしかに私は「紀龍はかわった」「昔はもっと優しい感じがあった」とか、過去の自分のなかの彼の理想図にとらわれすぎていたのかもしれない。
「・・・」
私は飛沫から言われたこの言葉を意識して、歩き出す。
しかしながら、ジャスティスの人たちとの話が長引きすぎてしまった・・・
私はいつもより少し早足で情報処理室へと向かう。
すると、偶然前から山崎さんがやってくる。
「ん・・・?」
よく考えてみれば、まだ会議は行っているはずだ。
山崎さんは「生徒会2年副会長」という立場でもある為、会議には欠かすことのできない存在であるはずなのだが・・・
なぜそんな重要な立場にいる人物がこんなところにいるのだろうか。
「山崎さん、どうも。」
「・・・あぁ、中島か。」
彼はいつもより少し活気のない声が私のほうを向いた。
・・・まっすぐ前を向いて歩いていたはずなのに、私が声をかけてから私の存在に気づいたようだ。
・・・何か考え事でもしていたのだろうか。
「あの、今日も情報処理室に・・・」
「悪い・・・ちょっと気分が優れなくてな。・・・一人にさせてくれ。」
私はあまりに不意なことで驚いた。
山崎さんは私の言葉が言い終わる前に、先ほどとかわらない活気のない声で自らの意見を伝えると・・・
さっさと歩いていってしまった。
・・・なにやら相当落ち込んでいる様子にも見えた。
何があったのだろうか?
「・・・」
なんとなく、いつも元気な人が暗いと全体が暗くよどんでいるような気がしてくる。
現状は山崎さんだけの問題なのかもしれない。
けれど、今、生徒会全体がそういった空気に包まれているような、変な胸騒ぎがした。
「・・・」
とりあえずこの嫌な気分は早く晴らしてしまいたい。
私は先ほどより、より早足を早める。
「・・・つまりそれはどういうことだ?」
それから少し歩くと、今度は会議室の前で声がした。
ちょこっと角から声のした方向を覗いてみると、そこには五稜郭さんと厳島さん、それに金ヶ崎さんの3名がいた。
3名とも会議室からでている、ということはおそらく会議そのものは終了したのだろう。
「山崎に今の立場は任せられない、とお前は言いたいのか?」
・・・え?
・・・それはあまりに急な話だった。
しかもその言葉がよりにもよって、五稜郭さんの言葉からでた、となればなおさらだ。
「率直にいえばそういうことになりますね~。やはり山崎さんには先を見越す能力が不十分すぎます。できれば五稜郭さんか厳島さんに2年代表を行って欲しいのですが。」
不満をいっているのは金ヶ崎だった。
「ボクは遠慮するよ?金ヶ崎、きみだって言葉ではボクを推薦していても、内心は避けたいところだろう?」
「おやおや、そうでしょうかね~。」
険悪なムードだ・・・
金ヶ崎さんは「諜報部」作成と「ジャスティス」作成に一役かっている。
生徒会縮小を進言する厳島と意見が対立してしまう為、厳島の言うとおり、彼自身彼女が2年の代表にたつことを望んではいないように見える。
「オレも遠慮する。オレはこの代表という立場には山崎が一番の適役だと思ってる。」
「あれが・・・ですか~?五稜郭さんらしくもない。あなたには先を見据える能力が十分にある・・・2年代表となれば、今よりよい環境を作り上げることができます。」
厳島に続いて、五稜郭も反対していた。
「・・・金ヶ崎、お前は「代表」という立場を甘く見すぎてる。・・・2年代表という立場は言うほど楽なもんじゃないぞ。あの役はオレにも、厳島にも、そしてお前にも勤まりやしない。」
「ならいっそ、いずれひっくり返る机上、この際私が盛大にひっくり返してみましょうかね?」
・・・いずれひっくり返る?
何のことをいっているのだろうか?
「ふ~ん、監視部の副責任者がずいぶんと大きなことを言うようになったね。・・・ジャスティスを味方につけて勝ったつもりかい?」
厳島はまゆをしけめていう。
「おや~?褒めれば動いてくれる生徒会の操り人形に「警備部最高責任者」殿はそこまで脅威を感じておられましたか。」
「操り人形・・・ねぇ。なるほど、どうにも珍しくお前が新しい部を作ると自己の意見を通してくると思えば・・・やっぱりそういうことかい。お次は今後組織される可能性がある「治安維持部」がお目当てかな?」
厳島は納得した、といった様子で頷く。
「まぁ、落ち着けよ、てめーら。・・・いずれはひっくり返る机上?そもそもお前の理論には無理があるだろ。生徒会が負ける、とでもいうのか?」
「五稜郭さん、あなたは未だに「生徒会最強説」を信じておられるのですか?今やこの生徒会は腐りかけ、この状態で「反生徒会組織」になど対抗できる余力は残っていないでしょうに。」
この言葉に金ヶ崎は続ける。
「あなただってわかっているでしょう?今、生徒会が四人五脚のチームプレーで進もうとしているのであれば、生徒一人一人が東西南北違う方向へと向いて走ろうとしている、こんな状況で勝てるとでも?」
「・・・」
「地位を優先する生徒もいれば、生徒会を拡大すると主張する者もいる、はたまた縮小するべきと述べる者と対立はしているし、反生徒会組織に打って出るべきと消極的に動くべき・・・内部はバラバラですよ?」
「だとしてもそれらはいずれも生徒会が存続しなければならない。・・・その為に動くというのであれば、たとえバラバラの方向に向いて走ろうとしている連中でもゴールは同じになるはずだ。」
その五稜郭の言葉に金ヶ崎さんは心底呆れ返った様子をみせる。
「その言葉を本気で言っているのであればあなたを「代表」と見込んだ私の見当違い、ということですね。・・・仮に共通の敵ができたとしても、終わればまたバラバラです。そんな無限ループを繰り返していて楽しいですか?」
「だから今の生徒会を裏切るっていうのかい?」
「そこまでは言っていません。まぁ、今の状況では2年の意見が反映されないのは事実です。これを変更する為に・・・そしてもし私に生徒会を裏切って勝てるだけの戦力があればやるかもしれませんけどね。」
彼は少しため息をつくと、続ける。
「戦力もなければ行う具体的な計画もない、それじゃぁ仮にやっても事は成り立たないでしょう?それにもしこの生徒会を裏切ろうとでもすれば、賤ヶ岳さんにつぶされてしまいますよ。」
賤ヶ岳は皮肉屋で会議をよく混乱させると評判だが・・・
しかし天王山会長のことをよく慕っている、とか。
なんにしろ、天王山会長のことを賤ヶ岳さんは非常に信頼しているが為に、会長を裏切るような行為は会長以前に賤ヶ岳さんが許さない。
・・・金ヶ崎が今の「監視部2年副責任者」という地位にまでこれたのは賤ヶ岳に気に入られたから、という面も否定はできない為、彼は賤ヶ岳さんを敵にはまわしたくはないはずだ。
結果、自らで会長や賤ヶ岳さんを敵にまわすような行為はしないだろう。
「ただ反生徒会組織、それに構成されるメンツは全員が「生徒会をつぶす」という1つの目標に進んでいますが、今の生徒会はバラバラ、そもそも勝てるはずもありません。・・・仮に勝ってもまた内部で内輪もめ・・・こんな生徒会に誰が尽くそうというのです?」
「・・・やる気ねぇな。」
五稜郭と厳島はあきれた様子を見せる。
「やる気はありますよ。・・・ここまでこれたのは賤ヶ岳さんのおかげでもあるので、この生徒会を守り抜いて会長や賤ヶ岳さんに恩を返したいとも思っていますよ。・・・ですが自らの意見が通らない現状ではどうすることもできないでしょう~?」
「・・・」
「それに頼りない上層部幹部に、頼りない代表。・・・これらがあればたとえ生徒会がチームとしてまとまろうとしても一生まとまりはしませんよ。」
「・・・何が言いたい?」
「ですから最初に言ったとおり、今の生徒会を存続する為には山崎さんのような甘ちゃんをどかすべきだ、といっているんです。」
山崎さんが生徒会から辞めさせられる?
仮にそうなっても誰が上の立場につくのだ?
そういった話をしているようだが・・・
正直私としては、そんな案は通らないでほしい。
「・・・断る、といったら?」
「いつまでたってもまとまらないままでしょうね。」
「・・・」
金ヶ崎は軽いため息をついてから2人に真剣な様子で問いかける。
「確実にいえることは今のままでは反生徒会組織に生徒会は勝てません。故にもっと有能な代表をだすべきです。」
「・・・この生徒会を守る為に山崎を2年代表から引き摺り下ろせ・・・そういうことか?」
「そういうことです。」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
3人の間に沈黙が走る。
おそらく金ヶ崎が言っていることも一理あるのだろう。
私には山崎さんがどれぐらい2年の意見を反映するとか、しないとかよくわからないけど・・・
この状況からいって、五稜郭さんや厳島さんにも多少は思い当たる節があると思われる。
・・・ただ仮に代表を変えたところで、現状が打破できなければ意味はない。
「・・・少し考えさせてくれ。」
・・・やがて1つの答えが出た。
先ほどまでは「断る」といっていた五稜郭さんが「考えさせてくれ」と申し出た。
「・・・わかりました。この件は保留ということにしましょう。」
とりあえず私はいてもたってもいられなかった。
このままいけば山崎さんは辞めさせられてしまうかもしれない・・・
そう思うと、冷静でいることができなかったのだ。
・・・たしかに山崎さんにも改めるべきところはあるのかもしれない。
けれど私は今の皆がいる、誰一人欠けることのない今の生徒会であってほしかった。
情報処理室へと走ってやってくると、電気がついている。
おそらく誰かがいるのだろう。
私は誰かに相談するべく、急いでドアをあけた。
「・・・ん?よぅ、中島。」
中にいたのは鷹村くんだった。
「た・鷹村くん!!少しご相談があります!!」
「・・・あぁ?」
私は先ほどの廊下でのやり取りを事細かく鷹村くんへと伝えた。
「・・・へぇ・・・山崎さんが・・・ねぇ・・・」
これに関しては鷹村くんも相当驚いているようだった。
まぁ、それはそうだろう。
これに関しては誰だって驚くと思う。
「えっと・・・先にいっておきますが、まだ仮ですからね。」
「わかってる。・・・けど、五稜郭さんは頷いちまうかもな。」
「・・・」
五稜郭さんは「生徒会のまとまり」を重視する考え方だ。
・・・もし、1人の犠牲で生徒会全体がまとまる可能性が大きく広がるのであれば・・・
そういったことを考慮すると必ずしも断る、とは決していえない状況だった。
「まぁ、辞めさせられるといってもあくまで「2年副会長」を辞めさせられるって話だろうけどな。それを辞めたら、別の幹部かなんかになるんだろ。」
鷹村くんはそういうけど・・・
逆に言えば、もし残りの幹部のポストが余っていなければ・・・と想像するとつらいものがある。
・・・せっかく私が初めて得た、「居ていい」とされて、同時に「必要とされる」場所。
・・・できることなら、誰も失いたくない・・・
そして私に「諜報部」という居場所を作ってくれたのは「山崎」さんだった。
・・・居場所を作ってくれたのに、守れないなんてつらすぎる・・・
「・・・ま、最悪山崎さんには気の毒だけど、ダメだったら「ご苦労様でした」って感じだな。」
「えっ!?」
鷹村くんの答えは案外あっさりとしていた。
「どうしてそんなにすぐ諦めちゃうんですか?」
「俺らの今の上はあくまで五稜郭さんだ。・・・五稜郭さんが「山崎をおろす」といえばそれに従うのがここのルールだろ。」
・・・たしかに理論で説明されれば納得できる・・・
けれど、私個人の想いは納得などできてはいなかった。
そんなことを話していると、ドアが開いた。
五稜郭さんとハルさんが帰ってきたのだ。
(おい、中島。さっきの話は保留ってことにしておけ。)
(え?でも・・・)
(お前、幹部の話を立ち聞きしてましたってのはさすがにまずいだろ。・・・上のことは上が決める。俺らはそれに従うだけだ。)
珍しく私と鷹村が難しい顔をしているので・・・
五稜郭は苦笑しながらにいった。
「どうした?今日はオレらより、お前らのほうが疲れてそうじゃないか。」
「えぇ、まぁ・・・」
原因なんていえるわけない。
・・・鷹村くんの言うとおり、いったら「立ち聞きしてた」ということがまずいだろうし・・・
何より、幹部でもないヒラの私がどうこういったところで、どうにかなる問題でもないのかもしれない。
「え~と・・・ジャスティスに情報漏れの件、ききにいってきました。」
「え!?」
私の言葉にハルさんと五稜郭さんは目を丸くする。
おそらく驚いていたのだろう。
「・・・それでどうだった?こっちは結局情報漏れの原因はあぶりだせなかったんだが・・・」
「大丈夫です。・・・ジャスティスそのものが私たちの存在に気づいたようなので。」
「・・・そうか。」
すると本日はいつもよりも気まずい空気が流れる。
おそらく五稜郭さんも真剣に悩んでいるのだろう。
そんな中でドアをノックする音がやけに大きくきこえた。
「どうぞ。」
「失礼する。」
中に入ってきたのは賤ヶ岳さんだった。
「・・・中島、お前に頼みたいことがある。少しこちらにきてもらおう。」
この話が私自身をかえていく大きなきっかけで、一番最初の出来事になる。
・・・そのことをまだ私は知らずにいた。
「不穏」 完
おまけ ~今後のこの小説の行く先について考えよう~
参加者→十六夜、卯月、五月雨、関ヶ原、西本、紀龍、飛沫、山崎
卯「久しぶりに私たちのターンね。」
関「いや、半分変なのが混じってるっぺ。」
山「変だとよ、飛沫。」
飛「あんた、自分のこと言われてるって自覚ないだろ?」
卯「まぁ、いいわ。この際生徒会にも関係のあることだし、一緒に話し合いましょう。」
紀「は?なんで生徒会でもねぇ、一般生徒と話し合わなきゃいけねぇんだよ。」
西「まぁ、そういわずに。これはチャンスかもしれませんよ?主人公たちと共演して、さりげに「生徒会のほうができる!」ってことを読者の前で証明すれば立場逆転も夢ではありません。」
山「なになに、読者の生徒会への好感度が上がれば、まさかの逆転生徒会勝ち√が完成しちゃうの?」
飛「・・・よし、今日は俺、本気になるわ。」
西「私も久しぶりに人肌脱がせていただきましょうかねぇ。」
五(すごい殺意を感じるんだが・・・怖いお・・・)
十「それで咲良、何を話し合うの?」
卯「それはこの小説の今後の行く先を考えるのよ。」
五「え?じゃぁ、この小説の弱点とか考えればいいのか?」
飛「更新が遅い。」
山「キャラが多い。」
西「長い。」
紀「展開がくそ。」
五「お前らwww」
関「むごいっぺ。」
紀「今日の俺ら、冴えてね?」
山「これならいける気がする!!」
関(どこにいくんだ?地の底か???)
十「・・・ごめん、なんか悲しくなってきたんだけど・・・」
卯「話し合うところが違うわよッ!もっと良い方向に。」
関「じゃぁ、この小説の略称とか?」
飛「そんなの「何僕」でいいだろ。」
卯「一発じゃ変換できないから不便じゃない。」
五「ネットの事情だなw」
西「一発変換を狙うとなると、「南北」になってしまいますね。」
紀「南北?・・・ハッ!南北=朝鮮、これはマイナスなイメージが・・・」
関「お前の存在が一番マイナスだっぺ。」
西「考えすぎですよ、かの国々を嫌っているのは一部のネットユーザーだけですから。」
山「しかし、「何僕」が通用しないとすると、どうするんだ・・・?」
飛「この際、「けよりな」作戦でいくべきだろ。」
卯「「けよりな」作戦?」
飛「正式名称「夜明け前より瑠璃色な」、これを略すと「けよりな」となるんだ。」
十「Lapis Lazuli、いい曲だよね。」
飛「低脳のくせに、やるじゃないか。」
十「別名「はがない」(僕は友達が少ない)作戦だろ?」
飛「ま、そうとも言うわな。」
卯「平仮名のところだけを使ってるのね。」
関「じゃぁ、この小説の場合「なんで僕が」、だから・・・」
五「なんでが!」
卯「・・・」
関「・・・」
十「・・・」
紀「あんまかわってなくね?」
西「というか「僕」っていう漢字が読めないみたいで可哀想ですね。」
五「堂々というと、より一層悲しくなるんだが・・・」
山「より一層の悲しみをあなたへ、なんでが!」
五「スタイリッシュに宣伝すんなw」
山「変換するとさ、「なんで蛾!」ってなりそうだな。」
飛「なんでっていっても、蛾なんだからしょうがないだろ。」
紀「展開が蛾だからな。」
卯「あなたはどんだけ展開ネタを引っ張るの?」
十「てか、蛾が好きな人だっているかもしれないじゃん、全国の読者に謝れよ。」
五「蛾よりは蝶だろ、反魂蝶だろ。」
紀「は?なめてるの、今時月光蝶だからね。」
飛「じゃぁ、「何で僕が」とするとして・・・」
五「でが!」
卯「もっとひどくなった・・・」
山「でがってなに?「で蛾」?」
飛「だから蛾なんだからしょうがないだろ。」
十「じゃぁ、「IS」みたいに、イニシャルは?」
五「NB!」
紀「カッコ悪・・・」
山「そうか?訳し方によっては「二足歩行戦車・ブルース」とかになるぞ。」
卯「ごめん・・・もう「何僕」でいいわ・・・」
山「ハッ!わかったぞ、この小説に何が足りないかが!!」
卯「なによ、それは?」
山「必殺技だよ、必殺技。」
五「あんたは何を求めてるんですか。」
卯(珍しく五月雨がまともな発言をしてる・・・)
飛「なに?時津風との戦闘中に「生徒会パーンチ!」とか「生徒会キーック!!」とかやれってか?頭湧いてるだろ。」
西「まぁ、必殺技はともかく、もう少し派手にする必要はあるかもしれませんね。」
山「派手に・・・か。じゃぁ、ジャスティスがもってる武器は飛沫特製強化型ガス銃じゃなくて、本物の銃にする、とか?」
十「あんたはこの学校でバトルロワイヤルをしたいんですか?」
関「絶対飛沫が桐山みたいなキャラになるっぺ。」
卯「いや、もともとこれは恋愛系なんだからバトルを強める必要はないでしょ。だったらもっと恋愛系を・・・」
五「たとえば?」
卯「・・・え?・・・私と星矢が・・・その・・・」
飛「安心しろ、お前の妄想通りにはいかないようになってるから。」
五(ドリームブレイカーだ、こいつw)
十「じゃぁさ、小説をもし僕たちが書いてたらどういう展開にするか、話し合わない?」
山「歴史にIFは禁句なんだよッ!!」
十「いや、歴史じゃないし。」
卯「ま、私が書いてたら速攻で星矢と私を付き合わせて・・・」
十「なんか歴史がかわりそうなんですけど!」
関「俺だったら無難な高校生活だっぺ。ギャグ方向に進ませてみたり。」
飛「ていうか、もう生徒会の人物1人1人の存在がギャグじゃね?」
五「お前も生徒会だろw」
西「私だったら、生徒会をまず拡大させてこの学校の全支配権をとります。」
飛「西本会長?」
西「いえ、“総裁”と呼んでいただきたい。」
山「変な趣味・・・」
紀(いや、あんたにだけは言われたくないと思う・・・)
飛「・・・どっちにしてもお前が俺よりも上って嫌だな。」
西「ジャスティスは格上げで、インフィニットジャスティスとして学校を・・・」
五「え?お前、それどこのガンダムSEED?」
紀「甘いわ、SEEDじゃなくてSEED DESTINYなのさッ!!」
五「お・俺としたことがッ!!」
西「山崎さんならどうします?」
山「やはり派手さがないからな。」
十(まだそこの話をしてるのか・・・)
山「ここは「ブルース」を量産して、宿敵「アルフォード軍」の傑作機「ジャッジメント」に対抗するんだ。」
五「・・・あの・・・なんの話をしてるんですか???」
卯「もはや出す作品が違う・・・」
関「でもこういった感じとは違ってSFな感じもいいかもしれないっぺ。」
五「ということで、kwsk。」
山「いいだろう。・・・それは西暦XXX年のことだった。」
飛「ありがちだな、ボツ。」
西「・・・まだ始まってすらいませんよ・・・」
山「人々は地球からさらに第2の星、第3の星へと移り変わり、それは惑星クラスの国家を無数に作り上げていった。国家の利権をめぐり、多くの惑星は戦争を起こし、特に惑星そのものがなくなってしまうことすらあった。」
飛「どこのスターウォーズだよ。」
紀「デススターさんマジぱねぇっす。」
西「スターデストロイヤーにデススター、挙句にベイダー卿とすべての面で戦力が揃っていた帝国軍がなぜ負けたのか、いまだに私の中での謎なのですが・・・」
飛「お前は永遠に迷ってろ。」
山「それら無数の戦争のなかに、主人公たちが住む惑星「アイアンストリーム」も巻き込まれていた。大国「アルフォード」の強大な軍事力、人材、最新兵器に彼らはなすすべもなく押されていく。そこで彼らが最後の手段として作り上げたのが人型戦闘兵器「ブルース試作壱型」だった。」
飛「おい、いい加減にしろよ。どんだけ長いんだよ。」
西「というか、二足歩行戦車、とやらはどこへいったんでしょう?いつから人型戦闘兵器に・・・?」
紀「ていうか、それ、もはやただのガンダムじゃん。」
五「しかしながら、やっと「ブルース」でてきたか・・・」
山「そのブルースに乗るのが、国家の精鋭部隊を集めた特殊部隊「ビックファイブ」の5人組だった。この特殊部隊は5名しか元々居ない為に、ビックファイブ総出の出撃であった。彼らはビッグファイブにすべてを託したのだ。」
西「ビックファイブ?五大財閥ですが何か?」
紀「心理学にもあるよな、ビッグファイブ。」
山「彼らが操縦する「ブルース」は多くの敵を蹴散らし、アイアンストリームはこのブルースを量産することを決定した。しかし敵国アルフォードもこれに酷似した兵器「ジャッジメント」を作り上げ、戦争は消耗戦へと陥る。そこでアイアンストリームは傑作機「ブルース」をより強力にした「アルティメットブルース」を作り出したのだ。」
五「・・・アルティメットトゥルースみたいに言うなw」
飛「ていうか、ホントてめぇいい加減にしろよッ!!どんだけ長いんだよ!!」
山「しかし相手方もより高性能にした「ストライクジャッジメント」を・・・」
五「NAGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」
飛「もういいっつってんだろッ!!てめぇのくだらない妄想にどんだけ行数使ってると思ってんだ!!」
関「・・・結論、SFもボツということでオーケーだっぺ?」
卯「えぇ。」
十「うん。」
西「はい。」
飛「ものすごい茶番だったな・・・」
十「・・・結局何にも決まらなかったな。」
卯「・・・たしかに。」
山「おかしいな、本気をだしたはずなんだが。」
飛「いや、ほとんどお前のせいだ。」
西「いや、ほとんどあなたのせいです。」
紀「いや、ほとんどてめぇのせいだろ。」
山「アルェー?」
飛「とぼけてるんじゃねぇよ。打ち首にしようぜ。」
山「最後に一言だけ言わせて欲しい!!」
飛「・・・?」
山「今回もこの小説を読んでいただき、ありがとうございました。」
十(勝手に終わらせやがった!!)
卯(勝手に終わらせた!!)
関(勝手に終わらせたっぺ・・・)
その後、山崎は大変な目にあったのはいうまでもない・・・
完
今回の感想。
・・・今回に限っては鬱すぎる・・・
できるだけ小説を短くしようとしていたのに、なにこの文字の量!?
できるだけストーリーの展開を早めようと思ったのに、なにこのチンタラ感!?
でもって、なに「◆◇◆◇」って!?
やはりジャスティスの無駄な絡みを含めて・・・
いらない部分が多すぎたのではないか、と思っています。
でも全部ガチにすると、つまらないじゃないですかッ!!
で、優柔不断で通した結果がこのZAMAだよ・・・
毎度のごとく文字が多くてすみません・・・
毎度のごとく更新遅くてすみません・・・
毎度のごとく展開遅くてすみません・・・
そして今回も読んでくれた方々へ。
ホントに心からありがとうございます(ペコリ