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なんで僕が!?  作者: へたれ度100%
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決戦(Ⅲ)

今回もおまけに関してですが・・・

今から年越しそばを食べる方は見るのを控えたほうがよろしいかと思います。

それとそばが好きな方、もっといえば麺類が好きな方も控えたほうがいいかもしれません。

以上です、前書きから長くてすみません(ペコリ

現在この高校の至る所・・・

といっても限定はされているが・・・

広範囲にわたって、帝国主義打破のための行動が実施されている。



「・・・」



川口は無言で廊下を歩く。

これから今までの、そして今もなお起こっている争いに終止符ピリオドを打つのだ。



「そんなに硬くなるなよ?力を抜けって。」

「あぁ、ありがとな、五月雨。」



とはいっても、緊張はする。

たった1人で、生徒会幹部、そして会長を説得しなければならないのだから。



緊張で胸が潰されそうになるなか、どうにか本部前までついた。

やはり生徒会もかなり本気をだしている、ということか。

ここまで1人も生徒会側の生徒にあわなかった。



が、やはり本部前は警備が硬い。

たった2人しか守りはしていないのだが・・・

その2人というのは、砕川さんと仁井だ。



「・・・」



ここにきて、2人は完全に行き詰ってしまっていた。


するといきなり五月雨が立ち上がった。



「・・・どうした?」

「・・・行くか。」

「・・・は?」






体育館では今まさに生徒会が全校生徒を相手に・・・

捨て身の攻撃を行おうとしていた。



「くっ・・・悪い、みんな。」



どうしてだ・・・

どうして将軍が謝る?


将軍が悪いわけでもなんでもない。

それはみんな同じ気持ちだ。

だが、将軍は確実に自分を責めていた。

こうなったのは自分のつめがあまかったから、そう考えているのだろうか。



(時津風や川中の件といい、この件といい・・・俺は”将軍”失格だな・・・)



将軍はここにきてのミスに悔しみを隠せない。

なんとも無念なことだ。

今まで深く考えてきて、どうにか皆の力もあり成功させてきたのに・・・

最後の最後に、全校生徒が味方についたという安心感が自らに甘みを与えた。

・・・その自分への甘みが、大失態を起こしてしまった。


結局この失態で今まで皆とつかんできたものはすべて意味がなくなってしまうのだから・・・

なんとも無念なことだ。




「・・・」



僕には・・・何にもできないのか?


・・・いや、できたはずだ。

そう、それは時津風や川中が考えたいといったときだって、もっと前だって・・・

時津風と川中の件のとき、将軍と川口は2人の負担を減らすため必死に違う案を考えてた。

それなのに僕はどうだ?

「邪魔したら悪い」といった消極的考えで、ただ空を眺めていることしかできなかった。


前々もそうだ。

将軍はただ1人でひたすらに考えてきた。

ずっと将軍に対策を考えてもらって、その通りに動いてきただけだ。

・・・結局僕は、人の言ったことしかできていない。



・・・それにみんなは将軍に頼りすぎてもいた・・・

そのことにも今更気づいた。

僕も将軍に頼りすぎた、だから消極的になった。

将軍は頭がいいし、完璧だという考えがどこかにあった。

けど、将軍だって人間だ、ミスはある。


その大きな皆の期待が将軍にとってはプレッシャーになっていた・・・

なぜそれに気づかなかった・・・!


彼は今、責任を感じている。

誰も彼をせめてもいないのに、僕たちが与え続けた大きな期待という名のプレッシャーのせいで・・・




今まで僕は人の言ったことしかできていない・・・

今まで、「成長した」とか口ばっかりだった・・・


なら・・・

ここで僕の本当の成長具合を・・・

見せようじゃないか。


そしてこの危機を回避して、将軍の責任感を砕く!!




「おい、生徒会!!!」



僕は自ら一歩前にでて、生徒会副会長である山崎の目の前へとでた。

・・・なんとしても食い止める!!









放送室では今までしゃべり続けてきた2人が口を閉ざしていた。

それは諦め、でもあった。


遠距離武器で狙われている。

しかもかわしようがない。


完全につまれた。

どう動いても救いようがない。



生徒会生徒、ジャスティス配下の生徒がトリガーをひこうとして・・・

桶狭間、関ヶ原が完全に諦めたそのときだった。



「そんなところで諦めちゃうんですか?」



1つの声が響き渡った。



「!?」




2人は目をあけるが・・・

目の前の光景は、今まで銃口をこちらに向けていたジャスティス配下たちが桶狭間や関ヶ原のほうではなく・・・

真後ろを向き、背を向けている光景だった。




「なんだ、てめぇら!!」

「生徒会諜報部、いえ今は伝達部だったかしら?」

「伝達部?」




伝達部・・・

それは桶狭間、関ヶ原にも初耳の生徒会指揮可能部だった。




「治安維持行動緊急対策第2作成部、これで通じるか?」



今度は男性の声。

それに女性の声が再び聞こえる。



「第2作成部だぁ?治安維持行動緊急対策部は「治安維持部」しか存在しない。嘘をいうならもう少し上手い嘘をいえよ。」


いくら襟に自分たちと同じ菊の紋章がついているとはいえ・・・

それは生徒会の人間から奪ってつけた偽者かもしれない。


ジャスティス配下たちは、今度は伝達部、と名乗る集団に銃口を向ける。



「お前ら誰に向かって口をきいてる?いいか、緊急時の場合は緊急対策部にほとんどの権限が行く。お前らはもう”治安維持部”でもなんでもないだろう?・・・どいてもらおうか。」



その行動に負けずに男性が対応している。



「鷹村くん、彼らは知らなくて当然よ。知ってるのは会長とそのまわりの一部ぐらい・・・でしょ?」



とりあえず今の会話から、伝達部のうちの男性1人の名前は鷹村という名だということは理解できる。




「ま、とりあえずそういうことだからここは今から伝達部の指揮下。だから雑魚は下がってなさい。」

「なにぃ!?」



どうやら生徒会同士でもめているようだ。

桶狭間・関ヶ原の位置からだと、とりあえずもめている、ということしかわからない。


実際はジャスティス配下を伝達部が囲んでいる、・・・のだが。



「・・・どうなってるんだ?」

「さぁ・・・?」



今や2人そっちのけで言い争いが起こっている。

2人はその光景に首をかしげるしかない。









廊下では、すでに物と物がぶつかり合う鈍い音が響き渡っていた。


本来武道がある時津風・川中の2人は圧勝のはずなのだが・・・

今回は武道が使えないということで、守りに徹しているため、かなり厳しい状況にある。



2人は徐々に追い込まれていく。

2人を囲む円はだんだんと小さくなっていく。


ついに時津風と川中の背中と背中がぶつかりあった。




「へぇ・・・お姫様も苦戦中・・・ですかい?」

「減らず口を叩く暇があるなら、この状況を武道なしでどうにかしてみろ。」



2人はお互いに苦笑はするが・・・

実際苦戦中であるにかわりはない。



そのとき、一本の竹刀が川中の肩に命中した。



「痛ッ・・・」

「くそ!」



竹刀は右肩・・・

川中の利き腕に当たっていた。


ただそのダメージはかなり深刻的なものらしく・・・

川中は膝をついて、左手で右肩をおさせた。



「大丈夫か、お姫様。」

「・・・悪い、時津風・・・」



一旦まわりは川中にダメージをあたえたことで、時津風の反撃を警戒したのか場をあけて下がった。

その瞬間に時津風は川中の方を向いて、膝をついて怪我の状況をきく。



(・・・俺の武道は・・・ここにきても無力なのか・・・女一人守れないのか・・・)



武道は使えない。

・・・けど、このままでは自分はおろか、隣の女性までボコボコにされてしまう。


時津風は目を細める。

それから静かに立ち上がった、強く竹刀を握って。



「やっちまえ!!」



川中は右肩にまだ響いているらしく、膝をついたままだった。

彼女は覚悟したのか、瞳を閉じた。



瞳を閉じた・・・

まさにその瞬間だった。


非常に大きな音が頭上できこえた。



「ッ!!」



目をあけてみれば、時津風が自らをバットで殴ろうとした相手に竹刀の先を向けている。

しかもその生徒はもっていたはずのバットをもっていなかった。



(・・・まさか!)



右を見てみれば、壁側に1本バットが転がっている。



「・・・お前・・・」



彼女が顔をあげると、彼はただ苦笑していった。



「やっぱ無理だわ、俺には。」

「?」

「ダチが自分の隣で傷つくのを黙ってみてなんて・・・られねぇよ。」



しかしそれは武道を使ったことになる。

すると彼は竹刀を静かに床において、菊の紋章をつけていない生徒たちをにらみつけて、堂々とした態度で言う。



「殴るならやれよ、所詮俺は武道の教えを守れなかった出来損ないだ。・・・だが女を殴るってのは男として関心しねぇな。こいつは許してやれ。」



彼はただ両手を横にひろげ無抵抗なのをアピールしつつ、堂々とした態度でいった。



「お前、何を勝手に!!」

「・・・川中、静かにしてろ。」

「・・・そんなのできない!どうしてお前はいつもいつも!!」



時津風が川中のことを”お姫様”とではなく、”川中”と呼ぶとき・・・

それは彼が本気のとき、それは昨日の闇討ちで陽炎と戦ったときもそうだった。


だけどいくら彼が本気でも、これは納得が川中にはできなかった。



川中の態度をみて、時津風はため息を一息つき・・・

再び紋章をつけていない生徒たちにいった。



「・・・やれよ。ただし・・・わかってるな?」



川中が賛成しない・・・

そしてそれはどんなに口論しても、絶対に諦めない。


彼はそれを理解した。

だからこそ、強行実施の道をとった。

彼にとって、これしか川中を守る方法はなかった。



彼の態度に彼らは”一応”頷き、一斉に時津風に向かって武器を振り下ろそうとした。

だが先に響いたのは音ではなく、声だった。



「てめぇら何してやがる?」



その言葉に全員の手がとまった。



(・・・厄介なのがきちまった・・・か。)









再び本部前、今2人の生徒会生徒が本部前を警備しているわけだが・・・

その2人の前に、1人の男性が躍り出た。



「!!」



2人の生徒は彼をみるなり、竹刀の先を彼に向けた。



(いざ行く前に川口に「俺に任せときな」と格好良く決めてみたところまでよかったんだが・・・さて、どうしようか?)



生徒会生徒2人の前に躍り出た男性・・・

五月雨は深呼吸をして、肩の力を抜く。



(・・・俺もここでいっちょ本気、見せますかね!)


首を左右に傾け、手を伸ばす。



(名づけて「釣りの名所で生徒会を釣ってみよう☆」大作戦ッ!!)



仕舞いには屈伸やしんきゃくまでやり始める。

ストレッチがすむと、彼は目つきをかえて彼ら2人をにらみ口を開いた。




「お前ら2人、何してんの?」

「?」



彼の予想外の言葉に2人は顔を見合わせる。



「今って生徒会にとっても総力戦なわけだろ?なのに今、あんたらはこんなところでのんびり警備ですか?暇なこったな。」



彼は笑みをこめて馬鹿にしているかのように言う。



「ま、総力戦っつっても俺たちが勝つのは目に見えてるけどな、誰だってわかる、この光景をみればな。」



おちょくるような口調で、生徒会の連中が怒るようなことを言いまくってはいるが・・・

どうにもこうにも相手2人は食いついてこない。



「どうせお前らは散る運命なんだよ!幽雅ゆうがに、蒼空に舞い散りたまえ!!」


ちょいと厨二っぽくなっちまったが・・・

とりあえず文句らしくはなっている。


と五月雨は心の底で頷く。



「こんなことな、グーグルで調べたって「俺たちが勝ちます」ってのってそうだぜ。ggrksググれカスってんだ。」


(うぉ~、一度言ってみたかったんだよね、ggrks!ついにこの場でいえたぁ~!)



と五月雨は心の中で喜ぶが、それは自己満足に等しかった。

なぜなら本来の目的である、相手の気を引くことが・・・

まったくできていないのだから。




「・・・減らず口はそれだけか?」



2人の生徒会のうちの1人・・・

仁井が言う。



「所詮は負け犬の遠吠え、だな。・・・なんだ、もう吼えるのは終わりか?もっと吼えろよ、吼えてみろよ?」



今度は仁井が反撃する。



(・・・生徒会批判はこいつらには効果なし・・・か。)



五月雨は目を細め、今度は別の方向から攻めてみることにした。




「は?お前らこそ、負け犬の遠吠えだろ?お仲間が頑張ってるのに、お前らはただただ警備?他にやることはないのか?」



その言葉に仁井は黙り込んだ。



(しめた、これは効果的かもしれないぞ!!ktkrキタコレ!!)


五月雨は心の奥底でガッツポーズをする。




「あ、わかったぜ。お前ら、”余り者”なんだろぉ~?」

「貴様ぁ!!」



この言葉に2人はついにキレた。


(よっしゃぁ、釣れた!!大漁獲得タ~イム♪)



五月雨に心の奥底でニヤリと微笑んだ。



「貴様、やるならかかってこい!!」

「おぅ!!」


と五月雨は返事をして、仁井に竹刀で殴りかかるが、呆気なく武器ごと弾け飛ばされる。



「うわっ、強ぇッ!やべぇ・・・」

「どうした、それで終わりか?」


仁井は彼を見下すように微笑む。



「俺はお前ら”余り者”と遊んでる暇はないんだぜ?とりあえず俺のなかの文句をお前らにぶつけられたから満足☆ 俺は体育館に帰るぜ!」



彼は右手の指、小指と薬指を折り曲げて、他3本の指をのばして頭の近くで敬礼のようにしてからサッと離して、しっかりと決めた。



「貴様、待てぇ!!」



すると、当然生徒会は追いかけてくる。



(フッ、計画通り。)



ついには心の奥底から実際の表情にまで笑みがこぼれてしまう。

走りながらニヤリと笑う男が一人。

傍からみたら、確実に危ない人だ。




「・・・俺が追います。」

「いえ、私が。正直イラついているんですわ。」

「それは俺も同感ですが・・・厳島さんに俺とあなた、どちらのほうが信頼されているでしょうか?」

「・・・それは・・・」

「信頼されているのはあなたです、あなたはここで厳島さんの護衛を続けてください。では。」



そういうと、仁井は砕川に軽く会釈をして、全速力で五月雨を追う。



「ふぅ・・・」



五月雨は後ろが追いついてくるまで、とりあえずはゆっくり走っている。

すると目の前からいきなり仁井がでてきた。



「!?」

「油断したな!逃げ切れたとでも思ったか?」


(きたか・・・って、おい!!1人だけかよッ!!)



五月雨の計画では2人とも自分を追ってきて・・・

そのまま体育館に導いちまう予定だったのだが・・・

1人だけじゃ意味ないじゃん!!



しかし、ここで後戻りをするわけにもいかない。

そうなれば確実に誘導だとバレる。



彼は仕方なく、全速力で仁井を誘導するため走るのだった。





一方川口はすでに動いていた。



「・・・砕川さん、そこを通してもらえませんか?」

「できませんわ。これは厳島さんからの命令ですの。・・・どくつもりはないですわ。」


(五月雨・・・1人誘導してくれただけでも、ずいぶん楽になった。・・・あとは自力でなんとかするッ!)



川口は五月雨の走っていったほうを見て、軽く微笑むと砕川説得のために口を開くのだった・・・








一方体育館では、僕が進んで前にでたことで一旦場を収拾できた。

のだが、生徒会の戦意は消えてなどいない。



「貴様、何の真似だ?」



山崎は首をかしげる。

それもそのはずだ。

何しろ僕は、進んで前にでたせいで、全校生徒約600人から孤立した場所にたっている。

しかもそこは生徒会により近い場所で・・・

いざ生徒会が動き出してしまったら、真っ先に狙われるのは僕以外いないだろう。



「なぁ、暴力措置をとって何の意味がある?」

「なんだ、今更。怖気づいたのか?」



山崎は温かみの感じられない笑みをこぼす。


生徒会はもう決心しているのだ。

だから「なぜとめる?」という思いがあるのだろう。



「どうせ”この場は”勝つのはお前らだぞ?」

「・・・」



彼らとて、さすがに600人に勝てないのは理解できているらしい。



「なぜ自らを犠牲にしてまで進もうとする?」



僕は彼らに質問をする。

犠牲をだしても、勝てないものは勝てない。




「今お前らをほっておいてもいずれは生徒会の障害となるだろう。ならこの場で少しでも叩いておくべき。今なら先制攻撃もできそうだしな。」



時間がたてば、僕たち側からも”過激派”がでてくる、と彼らにも予知できているのだろう。

なら出てくる前に、少しでもでてきそうな連中を先に攻撃をしかけて潰す・・・


なんて力押しな考え方だ。



「今のままだと、生徒会は勝てない。」



すると、予想外の山崎の言葉に僕たちだけではなく・・・

生徒会警備部の生徒たちも驚いているようだった。


まさか生徒会の幹部がそんなことをいうなんて・・・



「全校生徒たちが結びついていれば、いくら生徒会の権力があっても勝てるわけがない。」



僕たちは皆、山崎の言葉に戸惑うばかりだ。



「勝利には何事にも”犠牲”がいるのだ。どんな輝かしい勝利にも裏では犠牲を伴ってきた。」


つまり、生徒会が勝つためにはここにいる警備部の全滅が必要・・・

そういうのか?



「俺たちの全滅は必ず生徒会にとって有利な状況へと動く。」






「ねぇ、あの考え方普通じゃないわ。彼はこの状況を理解できてるのかしら・・・?」



後ろでは咲良が首を傾げている。



「いや・・・あいつはこの場を理解できている。」



将軍はあまり後ろの皆にはきこえないように静かに言った。

将軍の言葉に咲良は驚く。



「あいつはおそらく俺たちが事を穏便に進めたい、ということを知っている。」

「!」

「だからここで俺たちが手出しが出せないことも知っている。それに俺たち絆同盟・そしてB組同盟が倒れれば次は誰が指揮をとる?」



その言葉に咲良は下を向いた。

・・・僕たちのあとに指揮をとるのなんて・・・

決めていないからだ。



「まず俺たち絆同盟・B組同盟の壊滅、そして混乱状態の中での攻撃での多少の全校生徒への被害、これが第1の連中の目的だ。」



この争いの先陣をきっている絆同盟とB組同盟が倒れれば、どうすればいいか皆戸惑う。

その間にも生徒会警備部の攻撃は進み、犠牲は増える。



「第2に全校生徒を分裂させること。」

「・・・分裂?」

「俺たちは”穏便派”だが、その穏便派の代表があっさりやられたんだ。・・・必ず”勝つためには武力しかない”という過激派がでてくる。そうなれば・・・」



そうなれば、僕たち以外の穏便派と新たな考えの過激派が対立することになる。

たしかに先陣をきっていた僕たちは失っても、ほとんどの人が穏便に進めたいと考えているはずだ。

そのために立ち上がった人だっている。


そうなれば過激派と穏便派の対立は避けられない。

1つの火種は時に大火事になることもありえる。



「そしてこちらがバラバラなときに一気に残りの生徒会が動く。」



今の生徒会のほとんどは警備部だ。


だが、まだ能力的にずば抜けているジャスティスという切り札が生徒会には残っていた。

混乱に乗じて、バラバラとなった生徒たちを1箇所ずつ確実にジャスティスを使って鎮圧していく。


そうなれば、さらなる混乱を生み・・・

結果生徒会の勝利、となる。




「・・・でもそんなの低い確率じゃない?そんなにうまくいくはずが・・・」

「あぁ、たしかに低い確率だ。・・・だがあいつ、山崎はその低い確率に賭けてるんだ。」



そこまでして生徒会を勝利に導きたい・・・か。



だが将軍の言葉をきいたからこそ・・・

そんな悲劇のシナリオにもっていくわけにはいかない。




「さぁ、警備部の皆、”警備部の誇り”を最期の最期まで示せ!俺たち全員が生徒会の盾となるのだ!!名誉の全滅で勝利を飾ろう!!!」

「おぉ!!!」



生徒会には誇りがある。

そして警備部には警備部の特殊な誇りもある。


だからこそ、この山崎の言葉に心を打たれるのだ。



時間が進むごとにまずい展開へと進んでいく。

・・・どうすればいいのだ・・・









その頃放送室前ではいまだに口論が続いていた。

そして1つの結論に至っていた。



「ならば・・・会長に確認をとる。」

「いいだろう、誰だろうがいってきいてきてみろ。」



1人のジャスティス配下の生徒が団体から抜けた瞬間だった。

鷹村と呼ばれる男性がその抜け出した1人の生徒の足をひっかけ転倒させる。



「今だッ!!」



この一瞬の混乱に乗じて、伝達部の生徒は素早くジャスティス配下の生徒に近づいて催眠スプレーをかけた。

なに、もともと彼らを取り囲んでいたのだ、いつでも近づける準備はできていた。


やがて抜け出した1人にもスプレーをかけられ、ジャスティス配下が全滅した。



「完了。」



鷹村が女性に向かって言った。



「いい動きだったわ。おかげで犠牲が出ずに済んだ。」



そう満足気にいうと、ゆっくりと放送室に近づいていく。

彼女は放送室からみて、一番奥にいたこともあり、桶狭間や関ヶ原からはみえていなかった。


伝達部の生徒たちが道をあけて、ようやく顔がみえる位置までやってきたわけだが・・・

どういうわけか、顔をしたに向けている。

しかも、おそらくリーダー専用の帽子・・・だろうか。


本来の生徒会はまったくつけていなかったのだが・・・

彼女はそれを深くかぶっていることもあり、顔がよく見えない。



とりあえず2人は近づいてきたその女性を警戒する。

ジャスティス配下の脅威は消えたが、彼女らとて生徒会で味方と限られたわけでもない。


彼女は歩みをやめ、とまった。



「言ったでしょう?”そんなところで諦めちゃうんですか?”って。・・・案外諦めないとこうやってラッキーもめぐってきたりするんですよ?」



この声、聞いたことがある声だった。

2人は顔を見合わせる。



(笑えない冗談だぜ・・・)



桶狭間は将軍の言葉を思い出す。



”もし俺たちのなかに生徒会の人間がいたら?”



「中島・・・」

「・・・ハハッ、やっぱ声でバレちゃいますよね・・・」



彼女はそういうと、顔をあげて帽子をとった。

帽子をついていたときには、髪が外にでていなかったので短髪の女性に見えたが・・・

帽子を外すと、長い髪が外へとでて・・・

それは今、体育館で燎原ノ舞を実行しているはずの女性・・・

そしていつも笑いあってよくしゃべっていた女性の姿となった。



「私は”諜報部”として皆に内緒で生徒会とつながっていたんですよ?気づきませんでした?」

「まったく・・・な。」



桶狭間はそういいつつ、関ヶ原に手で合図をする。



(放送機をきれ。)

(・・・わかったっぺ。)



その合図に関ヶ原も頷く。

とりあえず今の今まではマイクに桶狭間が手をあてていたこともあって、外にはもれていないだろう。

そして関ヶ原が今、電源をきったので確実に外にもれることはなくなった。



「その割にはそんなに驚かないんですね。」

「まぁ・・・な。」



(将軍め・・・知ってやがったな・・・)



桶狭間は目を細める。


あのとき、ノリ的なものにのって、「ちゃんと絆同盟に連れ帰す」と言ってしまった。

・・・完全に将軍にはめられたパターンだ。



(ま、はめられなかったとしても・・・絶対連れ戻すけどな。)



「さ、私と一騎打ちをしてください。武器は催眠スプレーで。」

「なに?」

「・・・勝負をつけましょう。」



彼女は鋭い目つきでそう言った・・・










そして廊下では・・・


1人の男性は竹刀をもってゆっくりと歩いてくる。

廊下に足音1歩1歩が響く。



「・・・何してるんだってきいてるんだけど?」



これは時津風・川中、とくに時津風にとってもそうだったが・・・

彼ら相手側からしても、その人物の登場は予想外だったらしく・・・

皆の竹刀が床へと向いた。



「先輩、何してるんっすか?まさかとは思いますが、たった2人を相手に全員で戦っていた、とはいいませんよね?」



その人物の名は・・・



「陽炎・・・」

「陽炎さん・・・」



先輩もが退く人物。

別に権力とかをもっているわけでもない。

尊敬・憧れの的の人物。


そして・・・

昨日、闇討ち時に時津風が教室で戦った相手。



「どうして剣道部がここにいるんです?俺はきいてないんですが・・・」

「剣道部ッ!?」



時津風と川中は驚く。

それもそのはず、剣道部は時津風・川中を襲う理由もなければ・・・

陽炎以外目立った活躍もないため、帝国主義による権力によって角に虐げられた部活動だ。

そんな部活動は普通なら、解除したい、と思うのが当たり前なのだ。



「陽炎、活躍しているお前でもわかるだろ?俺たち剣道部はいつも狭い場所で満足に練習だってできていない。」

「ここで時津風・川中を倒せば、帝国主義の力によって大きな場所を確保してやる、って顧問は約束してくれた!!だから・・・」



剣道部の顧問がそんな約束をしたというのか・・・


いくら教師は教師でも、まだ帝国主義に賛成の人物も残っている、ということか。




「それで?場所を確保してどうするんだ?」

「・・・え?」

「剣道の教えってのはな”1対1で正々堂々勝負”なんだよ。そんな方法で場所を確保しても虚しくなる。・・・少なくても俺はそうだ。」



彼の言葉に皆が下を向く。



「じゃ・じゃぁ、お前はどうなんだよ!!この間の闇討ちでは何人も使ったらしいじゃないか。」



1人の先輩が陽炎に言う。



「治安維持部は”運動部”の固まりで武道をやってるやつの固まりじゃない。・・・ま、治安維持部にも俺以外にも習い事で剣道をやってるやつがいたが・・・そいつは時津風と正々堂々勝負をしてた。」



あ~、最後の奴か。

警備部6人だったけど、中には武道をやっているやつもいた、とかいってたな。


そのなかで俺と1対1で勝負したやつ・・・

あいつのことか。



「・・・」

「それに俺も、時津風とは1対1で勝負した。」



反論したものの、呆気なく陽炎に返され、再び皆は下を向く。




「そんなセコい手で獲得した場所なんて、見た目は綺麗な場所でも価値的には最悪なんで俺はパスする。なら狭いところで練習したほうが、たとえ技術が進歩しなくてもよっぽど価値がある。」



すると今度は反対側のほうを陽炎は見る。



「・・・お前らはなんていわれたんだ?」

「・・・野球部を潰すって・・・」


(今度は野球部・・・か。)



時津風は拳に力を入れる。


つまりそれは「廃部」ということか。

それが顧問の言うべきことなのだろうか。

はっきりいって「脅迫」じゃないか。


力によって生徒たちを従える。

到底教師とは思えないやり方である。



「はぁ・・・お前ら、何のために野球やってるんだ?」

「・・・え?」

「甲子園行くためか、それとも将来はプロになりたいからか?」



野球部の生徒たちは頷くやつもいれば、無反応でただただ陽炎を見つめるやつもいる。



「だけどな、そんなやつらには1つ、共通点があるんだよ。」

「なに?」

「・・・みんな「野球が好き」なんだよ。だから続けられてる。そうだろ?本気で嫌いなら、今頃やめてるだろ?」



野球部の生徒たちは顔を見合わせている。



「俺はそんなに野球のことがよくわからないから偉そうなことはいえないけど・・・好きならたとえ廃部になろうがなんだろうが、続ければいい。みんなで集まって野球をすればいい。これだけの人数がいればチームだって作れるだろう?」



その言葉に野球部の生徒たちも座り込んでしまった。


それをみて今度は、時津風と川中のところへゆっくりと陽炎は近づく。



「・・・時津風、お前の選択は俺は正しいと思う。」

「なに?」

「誰かを守るために武道を使って何が悪い?・・・そうだろ?」

「だが、俺たちは・・・」


反論しようとすると、陽炎は苦笑して言う。



「大事なのは攻めるか攻められるか、じゃないだろ。武道を使うのに私利私欲でなければいい。誰かのため、誰かを守るためならたとえ攻めていようが攻められようが武道は使っていい・・・そう俺は思うな。」



そういうと、彼は手を差し出す。



「・・・そうかもな。」



時津風は陽炎の言葉に苦笑して、差し出された手をつかむ。



「ふぅ・・・」


時津風は陽炎に引き上げられて、立ち上がってまず一息ため息。



「お姫様、大丈夫か?」

「あぁ、なんとかな。」



そういって皆が一段落をつこうとしたとき、再び足音が響いた。



「ん?」

「・・・やっぱりこうなるか。」



こちらにゆっくり近づいてくる男性が1人。

白いワイシャツはでしていて、我が校で指定されたネクタイとは違うネクタイを大雑把につけている。

右手には竹刀をなぜか2本もっている。



「・・・飛沫。」

「よぅ、時津風、やはり縁があったみたいだな。それに陽炎・・・昨日は大変だったらしいな。」

「あぁ、大変だった。」



縁はないほうがよかった・・・

だが、これは白黒をつけるためのいい機会でもある。


彼をこのままほっておいたら大きな被害が出るのは確実だ。

勝負をつけよう、飛沫。



時津風は床においた竹刀を拾い、再び強く握った。








時間がたつにつれ、物事はどんどん悪化していく。

各自、さらなるピンチを前に奮闘を開始する。



 

                          「決戦(Ⅲ)」 完

おまけ  天下御免の年越しそば?


参加者→十六夜、五月雨、卯月、桶狭間、長篠、川口



注:今から年越しそば、もしくはこれから麺類を食べる方は見るのを控えたほうがよろしいかと思います。

また麺類が好きな方も控えたほうがいいかもしれません。



十「気づけば今日で今年も終わりだな。」


川口「もう今日は浅草も上原のアメ横もすごいみたいだな。もう軽くお祭りみたいだぞ。」


五「でもやっぱ大晦日といえば年越しそばだろ!」


十(こいつ、出だしは真面目なんだな・・・)


卯「みんな年越しそばってなんで食べるか知ってる?」


十「細く長く達者に暮らせるように願う、ってのが一般的な由来だろ。」


五「始まったのは江戸時代ぐらいか・・・何しろ江戸には”三十日蕎麦”なんて習慣があったらしいからな。」


卯「・・・なんであんたらが知ってるのよ?」


十「天才だからね。」

五「天才だからSA☆」


長(イカサマか・・・)

川口(こいつら、ろくな人間にならんな・・・)


十(前々の桶狭間の戦法をパクって事前に調べておいたのだ!僕天才!!)

五(今日なら絶対話題にでると思ったしな、俺天才すぎて困るw)



桶「へぇ~、お前ら物知りだな。」


長(こいつほど損な役回りはいないだろうに・・・)

川口(自分の戦法って、結構まわりにやられると気づかないんだよな・・・)

十(一番最初にやった奴なんだから、わかれよ・・・)



長「ただ由来そのものについてはそばがきれやすいから「今年の厄介を断ち切って来年に持ち越さない」なんてのもあるらしいな。」


川口「あと”そば”とかけて「末永くそばにいたい」なんてこともあったらしいな。」


卯(末永くそばにいたい・・・か。私もみんなと末永くそばにいたいな。)


十「上手いことサラッというな。」


川口「いや、Wikipediaに書いてあった。」


十「・・・」

五「・・・」


卯「あ、なるほど!そこで調べればよかったわけね!」


十(なぜ種明かししたし・・・)

五(俺天才モードが木っ端ミジンコ・・・)




桶「しかし俺はそばよりうどんのほうが好きだけどな。」


十「ど~でもい~・・・」

五「で?っていうw」

長「・・・それで?」

卯「だから?」


川口(可哀想に・・・)


桶「・・・」


十「なにちゃっかり”うどん大好き宣言”しちゃってるんだよ・・・」


卯「ま、うどんは美味しいものね。」


桶「いや、そんな「大好き」ってまでは・・・」


十「照れるな照れるな、僕もうどんは好きだぞ。」


五「みんなのアイドル「うどん」!・・・ということで・・・」


十(嫌な予感・・・)

長(・・・またか。)



五「うどんは俺の嫁!!」


十「じゃぁラーメンはもらっていきます。」



卯「・・・」

桶「・・・」

川口「・・・」



卯(・・・なんでここにきてまで嫁発言なのよ・・・)

桶(しかも食べ物を嫁って・・・)

川口(もう救いようがないな・・・)



十「・・・お前さ、なんでも「嫁」にすりゃいいって思ってないか?」


川口(ノリノリだったやつが今更何を言う・・・)


五「その通りですが何か?w」


長(そうきたか・・・)

十「開き直りやがった!!」


五「安心したまえ、食べ物とキャラクターは別だ。」


十「なんの安心にもならねぇよ。」


卯「ここに可哀想な人が2人・・・」


長(十六夜が巻き込まれてる・・・)

川口(今回は十六夜結構真面目だったのにな・・・)



桶「でもさ、そばもそばで美味しいよな。俺は麺類は基本好きだぜ!」


五「よし、桶狭間、「麺類は俺の嫁!」と言え!!」


十「桶狭間に危ない台詞を吹き込むな・・・」


桶「麺類は俺の嫁!!」


十「・・・はぁ・・・」


卯「残念な人が3人に増えた・・・」


長「あいつららしいじゃないか。」


川口「・・・それ、ほめてるのか?それともけなしてるのか?」


長「さぁ、どうだろうな?」


川口(やはり将軍はわからん・・・)



五「さて、結局麺類が皆好きということだ。・・・今回は真面目にまとめるぞ。」


十「おう、今年最後なんだから格好よく決めてくれよ!」


桶「期待してるぜ!」


五「いくぞ・・・」


十(ゴクリ・・・)

桶(ふぅ・・・)



五「ゆゆ様は俺の嫁!!・・・そば?なにそれ、おいしいの?」


十「・・・・・・どうしてそうなった!!!」

桶「いや、おいしいよ。」

卯(また嫁発言・・・しかもこれ、前にきいた・・・)



五「いや、ついついやりたくなっちまって・・・」


十「今年最後のシメに何やってるんだよッ!!」


桶「じゃぁ俺がまとめてやる!「麺類は俺の嫁!!」・・・やべ、これハマッたかも。」


五「飯ウマw」


十「・・・今年最後なのに・・・泣いてもいいですか?」




卯「・・・ねぇ、将軍。」


長「ん、なんだ?」


卯「あいつら、さすがにウザイからなんとかしてもらえるかしら?」


長「任せろ。おい、お前ら。」



五「ん?」

桶「なんだ?」

十「どうしたよ?」



長「いいか、麺類の元祖は”へび”だったんだ。」


桶「!」

十「?」

五「w」



長「まずラーメンが好きだっといったお前!ラーメンはヤマカガシというへびがもともとだったんだ!」


※もちろん嘘です、というかこれからの将軍の言葉に本当のことなど何一つありません



長「巻きつかれたところを噛み付いたら美味しかったらしい。そして改良されて今に至るわけだ。」


十「そ・そうなのか?」


川口(なぜ信じる・・・)


十「でもへびなんて喰えるのか?」


桶「食えるんじゃね?メタギア3でもスネークは食べてたし。」


十「そうだよな、なら大丈夫か。」


長「大晦日だからこそ、本物を食べて来い!ほら、地図だ。ここら辺にいるらしいぞ。」


十「よし、サンキュー、将軍!!行ってくる!!!」


長「・・・よし。一人消えた。」


※ヤマカガシは毒蛇です



川口「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・」



長「次はうどんといったお前!」


五「フッ、俺は騙されんぞ!」


長「うどんは”シロマダラ”という無毒蛇だ!!」


五「無毒蛇か・・・なら見てきてもいいな。」


川口(こいつ、実は大アホだ・・・)


長「こいつらがいるのはここら辺ときいている。」


五「・・・ま、とりあえず見てくる。」


長「・・・よし、二人目完了。」



※シロマダラは無毒蛇ですが、攻撃的な蛇です



長「あえてハブといわなかったこと、そして無毒とあえていったことで油断を誘う。・・・お前の負けだ、五月雨。せいぜい痛い目にあってこい。」


卯(・・・)  ←初めて将軍に恐怖を覚えたらしい


川口「あいつは最後まで幸せだったよ、これでやっと本当に彼の嫁のところにまでいけるのだから。」


卯(勝手に殺してるし・・・)




長「さて、最後はお前だ。」


桶「・・・」


卯(桶狭間、顔がすでに死んでる・・・)



長「ま、俺はお前には優しい。第1山はハブ、第3山はシロマダラ、それに第4はヤマカガシがいるから、この第2山が安心だ。」


桶「フッ、俺は信じないぞ!今日はずっとこの第1山にいてやる、うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


長「・・・桶狭間、それは利口な判断だが・・・俺が”安全な場所”など用意していると思うか?」


川口「・・・全滅か。黙ってここにいればいいものを。」



長「ん?気づけば半数になっているな?」


川口「減らしたのはお前だ!」


長「あ、卯月。そういえばそばはだな、コブラがベースに・・・」


卯「もういやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


長「・・・これでOK。」


川口「・・・あ~ぁ、依頼人まで終了させやがった・・・第2山には何がいるんだ?」



長「さぁ?」

川口|(その答え、逆に怖ぇ~よ!)



長「さて、年越しそばでも食うか?」


川口「そうだな。なんやかんやで今年も最後だから。」



長「では最終的には2人とかなり少なくなってしまいましたが、来年にまた会いましょう!」


川口「では、ありがとうございました。そして来年もよろしくお願いします。」


長「皆さん、良いお年を。」



・・・

・・・

・・・

・・・

・・・一方、数時間後第3山では・・・




十「で・できた!!これぞ天下で最強とされる年越し蕎麦!!その名も「天下御免の年越し蕎麦」でどうよ!」


卯「そのままじゃない!!」


五「最初から4人で協力すればよかったんだな!!」


桶「麺類の元祖とされる、ヤマカガシ・シロマダラからだしをとったこのスープ!!そしてこのへびの山を入れて・・・!」


十「いやぁ~、ラッキーだったよな。まさか咲良の悲鳴がきこえてみんな集まってみれば、各自目的の蛇をもって集まり、しかもそこにはおそらくそばの元祖とされる蛇が大量にいたんだからな。」


五「なぁ、この蛇なんていうんだ?」


桶「さぁ?でも色的にそばの元祖だし、大丈夫そうじゃね?」


卯(・・・見た目がアマガサヘビに似てるけど・・・ここは日本だし、多分違うわよね・・・)



※アマガサヘビとは、四大毒蛇のうちの1種で非常に強い毒をもちます。

主な生息地は台湾、ミャンマー、ラオスあたり。



十「では!!」


五「いただきます。」

桶「いただきます!」


卯「・・・私はいいや。」


十「そういわずに、ホレ!!」


卯「うわっ・・・もぐもぐ・・・」




・・・その後4人がどうなったかは読者のご想像にお任せします・・・



                     

                      「天下御免の年越しそば?」 完




今回の反省。

麺類が好きな方、ごめんなさい・・・

ちなみに私もご飯・パン・麺なら麺類が一番好きです。

特にうどんが好きですw

・・・どうでもいいですね。

2010年、お疲れ様でした。

来年、皆様にとっても良い年であることを祈っております。

ではまた来年に!良いお年を!!

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