憂鬱
※卯月視点の物語です。
昨日・・・
それは思い出すだけで、頭が痛くなる日。
胸が張り裂けそうになる日。
とても・・・つらかった日。
どんなつらい日のあとにも、やはり次の日というものはある。
今日も、昨日あんなことがあったのに、晴れている。
昨日、雨がふったせいで、水のシズクが太陽の光に反射してキラキラとしている。
「・・・はぁ・・・」
そんな美しい景色を見ても、でるのはやはりため息。
昨日・・・彼と喧嘩した。
クズだと思っていた彼のことが、実は好きだった・・・
というのは一昨日じぃやに説得的なことをされて気づいたが・・・
それでも若干半信半疑だったところはある。
けど・・・
昨日、彼と喧嘩して・・・
彼を怒らせてしまって・・・
そのとき、とてもつらくて・・・
やっぱ自分はこの人のことが好きなんだなぁ・・・
と自覚した。
そして、中島の説得あって、今日、しっかり彼に謝ろう。
そう思っていた・・・
思っていた・・・のに・・・
「引き裂き」が発動されたのである。
じぃやは、私に任せる、といってくれた。
それはつまり・・・
「退学」覚悟で彼と接触するということ。
じぃやはそれを許してくれた。
「よし・・・しっかり歩め、自分!!」
頬をパチンと両手でたたき、気合をいれる。
だが・・・まず一番最初にしないといけないこと。
それはもちろん、傷つけてしまった桶狭間と関ヶ原に謝ることだ。
今日は・・・謝りっぱなしの1日になりそうだ。
しかし・・・
今日はいつものように、いつもの場所で、いつもどおりに彼を待ち伏せることができなかった。
そのまま学校に直行してしまったのである。
ガラガラッとドアをあけると、皆がこちらを向く。
昨日、あんなことをしたばかりだ。
・・・皆の視線が痛い。
が、やるべきことは当然1つである。
「あの!!皆さん!」
「?」
クラスの皆がこちらを向く。
「昨日は・・・その・・・ホントにごめんなさい!」
こうやって謝って許してくれるのだろうか・・・
前の嫌な思い出が頭によぎる。
つらい過去を思い出す。
それでも・・・
頭をあげることなんてできない。
昨日私がしたことは最低だから。
すると不意に肩に手をおかれた。
「!!」
目の前にいたのは桶狭間と関ヶ原だった。
「頭をあげてくれよ・・・昨日のは俺たちが勝手にいいだしたのが悪かったことなんだからよ・・・」
「そうだっぺ・・・別に卯月さんが悪いわけじゃないっぺよ。」
昨日・・・あんなにひどいことを言ったのに・・・
あんな最低なことを言ったのに・・・
それでも彼らは私に気を使ってくれた・・・
・・・私はなんて良い友達をもったのだろう。
彼らとはこれからも友達でいたい。
・・・友達としていていいのなら。
「それに・・・今、一番つらいのは卯月じゃねぇか・・・」
そういうと桶狭間はウインクをする。
どういう意味なのだろうか?
遠くにいる中島が私に向かって、親指を立てている。
もしかして・・・
「・・・前のことなんて忘れちまいなよ。」
「!!」
そう・・・おそらく彼女・・・
中島は私の過去のこと。
そう、先ほど浮かんだつらい過去のことをしゃべったのだろう。
人のつらいことを勝手にしゃべって・・・
でも、それも彼女が私のことを思ってやってくれたと思うと、心が緩やかになる。
「そうそう・・・昔の彼は昔の彼。あの馬鹿は所詮馬鹿だっぺ。」
「お前・・・最悪だな・・・お前、単に十六夜をけなしただけじゃねぇか・・・」
彼らはいつものように話しかけてくれる。
「昨日のことは・・・まず、あんな提案をした俺が悪いと思う。・・・卯月、すまん。」
「将軍」と皆によばれる男性。
少しひねくれたところがあると思っていたけど、本当はとても優しく人思いの人。
最近そう思い始めていた人・・・
長篠まで私に謝ってくる。
「お前は最高の提案をしたまでじゃねぇか・・・あのままだったら、クラス内で中東紛争が勃発してたぜ・・・」
なんて桶狭間が苦笑気味にいう。
「いや・・・俺がもっといい提案をしていれば、あんなことには・・・」
「そんな!昨日のことはすべて私が悪いんです!!」
私が一番悪いのに・・・
まるで彼らが悪いかのようにいってくれる。
すごく優しい。
「いやいや、それをいったら俺も負けないぜ!!」
「・・・お前には負けたくないぞ・・・桶狭間・・・」
「はぁ・・・お前ら・・・どこを極めているんだ?」
あんなことがあったのに・・・
あんなことの話をしているのに・・・
今では、いつもような会話。
「んじゃぁよ!俺らは全員悪い!・・・それでいいじゃねぇか。」
桶狭間はいった。
「そうだっぺね。一人の責任じゃないっぺ。」
「だな。」
彼らはこんな私をかばってくれる。
「これぞ、分割統治ってやつだな!」
「・・・まず統治してないし・・・てか、昨日地理でならったことを無理やり使うなっぺ・・・」
「うるせぇ!文句あるのか?」
彼らを見ていると、まるで昨日のことがなかったかのように思える。
「・・・こんな私を・・・許してくれるのですか?」
「当然!!!」
3人は即答で答えた。
「ぬぁ~!!俺、ボケ狭間とかぶっちまったぁ~!ハモっちまったぁ~!もうお嫁にいけない~!」
彼らはなんていい人たちなのだろう・・・
「ありがとう・・・」
「んな泣くなっぺ。」
「・・・一人はみんなのために、みんなは一人のために。」
一人は・・・みんなのために・・・
みんなは・・・一人のために。
「桶狭間、たまにはいいこというじゃねぇか・・・」
「将軍・・・お前、さりげなく俺のことを小馬鹿にしなかったか?」
「いや、してないが?」
そう・・・
こう思うと、なんだか悩んでいたことが馬鹿みたいにすら思えてくる。
彼らはこんなにいい人たちじゃないか。
それはあいつも・・・
星矢もいっていた。
だからこそ・・・
昨日の自分が許せない。
「てかよぉ、昨日しくじっちまったなら、これから頑張ればいいことだしな!」
「桶狭間・・・お前、今日いいこといいすぎじゃないか?」
「出たな・・・卯月さんの前だけ調子に乗るという・・・」
「・・・関ヶ原・・・面かせ。」
「アハハ・・・冗談でいったのに・・・」
これから頑張ればいい?
・・・これから償っていけばいいっていうこと?
すると担任・・・桐山がはいってきた。
「よっしゃぁ~!今日も元気にいくぞぉ~!」
先生がきて、皆は一度着席する。
・・・一人はみんなのために、みんなは一人のために。
・・・これから償っていけばいい。
・・・か。
・・・ありがとう、みんな。
こんな私を許してくれて。
「お?なんだ、卯月?また号泣か?」
おそらく桐山は何があったのかすべてわかっていたのだろう。
だからこそ、このタイミングでこの発言をしたのだ。
「お前ら男子・・・女の子は泣かせちゃダメだぞ~?」
「ちょ!これはそういうわけで泣いてるんじゃなくてですね・・・」
桶狭間は言う。
「先生!俺、見ました。桶狭間が卯月のこといじめてましたぁ~。」
「な!?」
「あ、俺も見たぜ。」
「ちょ!!関ヶ原!!!将軍まで・・・」
「おいおい・・・桶狭間。それはやっちゃいけないことだぞ?」
「ちょっと待ってください!これは濡れ衣!冤罪です!!」
彼らのやり取りをきいていると、まわりからは自然と笑いがあふれる。
それからどうにか、うれし涙というか・・・
感動涙というか・・・
少なくても、つらくはない涙をとめて、皆のところへいく。
「ったく・・・お前らのせいで俺が怒られたじゃねぇか!」
「ざまぁみろっぺ。」
「・・・ドンマイだな。」
「将軍、ドンマイで済ますな!でもって、関ヶ原!てめぇ・・・」
「なんだかんだいっても彼ら・・・仲いいよね?」
なんて女子のほうから声がきこえてくる。
そんな幸せな感じに浸っている自分がいる。
「・・・そういえば、今日、十六夜がいないな。」
すると、十六夜の親友、五月雨がやってきた。
「おう、五月雨。・・・そういやそうだな。」
今日、彼はきていなかった。
原因は一目瞭然。
昨日のことだろう。
「・・・なぁ、お前ら。盛り上がってるところを悪いが、あまりよくない噂がでてる。」
五月雨は深刻な顔をして、静かにいった。
「・・・どうしたんだ?」
「お前がそんなことをいうなんて珍しいっぺ。」
「明日は雪が降るんじゃねぇか?」
なんて軽くおちょくっている。
・・・が、次の瞬間に彼らの笑顔は凍りつく。
「・・・生徒会から、卯月と十六夜に、アルファーが始動されたみたいだ。」
「!!!」
アルファー・・・
通称「引き裂き」。
生徒会の強大な力の象徴の1つであり、生徒会の権限の1つ。
「な・なんの冗談だよ?」
「冗談じゃない。さっき、放送でいってたぞ・・・」
「なんて?」
「「卯月咲良と十六夜星矢の関係は、十六夜星矢本人の精神状態を悪化させるため、生徒会は危機レベル「4」と認定し、ここに「プラン・アルファー」を始動させる」とかどうとか・・・」
「・・・マジかよ・・・」
おそらくこの組は盛り上がっていたために放送がきこえなかったのだろう。
「・・・それはマジなのか・・・卯月。」
「・・・え・えぇ・・・」
できれば彼らには知らせたくなかった。
だって・・・
こんなことをきいたら・・・
「・・・俺たちのせいで・・・俺たちが勝手な提案をしたから、2人がアルファーに指定されたってのか・・・」
「・・・」
再び、3人は下を向いてしまう。
「そ・そんなことない!みんなのせいじゃない!」
「・・・」
彼らは彼らを責めていたのに、昨日、私があんなことをいってしまったら・・・
より深く自分を責めているのだろう・・・
すると桶狭間がゆっくりと歩き出す。
向かう先は・・・
「川口」のせきだ。
川口は、時津風と川中と話している。
「おい、川口。」
「ん?なんだ?」
「・・・2人がアルファーに指定されたって・・・マジか?」
1年生徒会副会長にきかないと納得できないのであろう・・・
「・・・あぁ・・・」
「そんな・・・くそっ・・・」
なんで?
なんでみんな自分のことを責めるの?
私自身のせいなんだよ?
・・・これも昨日のせいで・・・
それから4時間目まで彼らは黙り込んだままだった・・・
休み時間ですら・・・顔をあげることはなかった。
私がどんなに、「みんなのせいじゃない」といっても意味がなかった・・・
そして4時間目が終わり、弁当の時間となる。
「・・・なぁ、卯月ちゃん。」
桶狭間は真顔でいった。
「・・・放課後にこの部屋に残ってくれないか?」
「え?」
「・・・話があるっぺ。」
彼ら3人は真剣そのものだった。
「えぇ・・・わかったわ。」
何の話だろうか・・・
やはり、私と手をきりたいということだろうか・・・
急な不安が襲う。
でも・・・
手をきりたいといわれれば・・・
きらなければならない。
彼らがそう望むのであれば・・・
そして不安に襲われながらも、授業をうけ、あっという間に放課後となった。
ホームルームも終わり、皆が家に帰る、もしくは部活動のために教室からでていった。
そしてついに4人のみとなってしまった。
「・・・そろそろ話すか。」
桶狭間は真顔のまま、顔を上げる。
「・・・卯月ちゃん・・・」
「なんですか?」
「俺たちは・・・」
桶狭間は真剣そのもの。
それはまるで告白のようだった。
が・・・もちろんそんなわけがない。
何をいうつもりなのだろうか・・・
「・・・生徒会と戦う。」
「な!?」
それはつまり「アルファー」に逆らうということ。
最悪「退学」である。
「もう決めたことだ。」
「なんで!?これは私と星矢だけの・・・」
「そうはいかないっぺ・・・」
関ヶ原も顔を上げた。
「俺たちがあんな提案をしなければ、あのままいけていたのかもしれない。・・・こうなったのは俺たちの責任だ。」
「だから、そんな・・・」
「・・・もう決めたんだ。」
彼らは誰もが覚悟を決めている顔をしていた。
「1人はみんなのために、みんなは1人のために・・・お前らだけで抜け駆けなんて許さねぇ。」
将軍は静かに言う。
「それに・・・自ら罪は自らで償わないとな。」
なんで!?
なんで・・・彼らまで巻き込んでしまったのだろう・・・
彼らに責任なんてないのに・・・
私の馬鹿。
「ほぅ・・・それは生徒会に喧嘩を売る、ということととらえていいのだな?」
すると川中が教室のなかに入ってきた。
「チッ・・・あまりきかれたくない奴がいたもんだな・・・」
「ふん、お前らが教室に残るから、何をするのかと思えば・・・」
川中は呆れ呆れにいう。
「なぜかばう?」
「それは俺らの責任だから・・・そして、仲間だからだ。」
「ハハハ、笑わせてくれるじゃないか。」
彼女は彼らの意思をあざ笑うかのようにいった。
「今日は十六夜は学校にこなかった。・・・それだけで十分アルファーを発動させるだけの条件は整っている。」
「んなのわからねぇぜ?まだ十六夜と卯月ちゃんは話してない。」
これは真っ向対決。
お互いがひかない。
「それが・・・お前らの意思なんだな・・・」
すると川口まで入ってきた。
「一番きかれたくないやつにきかれちまったか・・・」
桶狭間は少しため息をつく。
「・・・まぁ、やれるだけのことはしてみたらどうだ?」
「え?」
「せいぜい足掻くんだな・・・」
そういうと川中は立ち去った。
「・・・これだけはいっておきます。生徒会を敵にまわすなら・・・卯月さんと十六夜くんが仲直りしてからのほうがいいと思います。」
そう言い残すと川口も川中を追いように、教室を出て行った。
「・・・なんなんだ?あいつら・・・」
「だが・・・川口のいうことは確かに当たってるな。今、やっても、俺らが生徒会と抗議できる資料がない。」
「だな。ということは・・・卯月ちゃんと十六夜が仲直りすれば終わる・・・か。」
桶狭間は夕焼け空を見ながらいった。
そうだ・・・
彼と仲直りをすれば、アルファーは解除されるのではないか?
仮に解除されなくても・・・
それを材料に、抗議すれば解除されるはずだ。
今日、家に帰ったら、勇気をだして彼の家に訪れてみよう。
「ケッ・・・せっかく生徒会と戦うなんて大それたこといったのに・・・結局あまりやることねぇじゃねぇか・・・」
「やる気をだした損だな・・・こりゃぁ・・・」
なんて将軍と桶狭間が苦笑いをする。
「とりあえず卯月さん。卯月さんと十六夜が仲直りしたら、いつでも手伝うっぺ。」
「・・・」
でも・・・皆に迷惑はかけられない、
「てか・・・手伝わせろ!」
「!」
私は気づいた。
・・・自分が無意識に下を向いていることに。
彼のほうをみると、皆「心配するな」と言わんばかりに微笑んでいた。
「・・・まぁ、卯月ちゃんがダメっていっても、俺らはやるからな。」
「ここは「うん」っていっとけっぺ。」
・・・いいのか?
彼に甘えてしまって・・・
「・・・うん。」
「よっしゃぁ!やる気でてきたぁ~!!」
その後、少しの間、皆で盛り上がった。
解散したあと、私は家に帰るべき道を歩いていた。
「あれ?卯月先輩?」
そこにいたのはついこの間知り合った後輩・・・
「不知火 疾風」だ。
「いやぁ~、偶然ですねぇ~。今、私も部活帰りなんですよ。」
「そうだったの?」
本当に偶然というものはあるようだ。
「あれ?今日は先輩と一緒じゃないんですか?」
「えぇ・・・まぁ・・・」
「なら・・・私もまだチャンスありですね!!」
なんて彼女は盛り上がっている。
「ねぇ・・・」
そんな表情をみていると・・・
どうしてもききたくなってしまう。
「なんですか?」
「あなたは・・・彼のこと・・・十六夜のこと、好き?」
彼女はいつもふざけ半分でいっているように見える。
でも・・・もしかしたら、それは「照れ隠し」というものかもしれない。
「えぇ、好きですよ。めっちゃ好きです。フォーリンラブです。」
そんな質問すらこんな調子で返してくる。
「そうじゃなくて・・・真面目に恋愛として・・・」
「好きですよ。」
しかしそれは「即答」だった。
「・・・私、前にですね・・・」
なんて、彼女は彼とあった日のこと。
彼に救われたこと。
そして彼のことが好きになったことを話してくれた。
「・・・彼らしい。」
「ですよねぇ~、ホントに。」
そう・・・ホントに彼らしい。
優柔不断というか・・・困っている人をほっとけないというか・・・
「卯月先輩も先輩のこと・・・好きなんでしょう?」
「えぇ。」
「・・・じゃぁ、恋のライバルってことになりますね。」
なんて彼女はにこやかにいう。
なんでそんなににこやかにそんな台詞がいえるのだろうか・・・
あなたの前にいるのは・・・
そう、敵なのよ。
「何事も清く正しく真っ直ぐに・・・です。正々堂々が大切ですよ。」
そうか・・・
彼女は陸上というスポーツを行っているから、スポーツマンシップになれているのか。
・・・なんとスポーツマンシップというのは気持ちのいいものなのだろう。
私は彼女のことを「敵」と考えていたのに・・・
「敵」と「ライバル」では意味合いはまったく違う。
・・・あぁ・・・私はまだまだなおすべき箇所がたくさんあるみたいだ。
「じゃぁ、先輩。私はこっちが家なので・・・失礼します!」
そういうと走っていってしまった・・・
なんともマイペースな後輩である。
・・・でも・・・私、彼女と「ライバル」になれるかな?
・・・もう、彼の隣にいることすらかなわないかもしれないから。
そんなマイナス思考になりながらも、ようやく家についた。
いつものようにチャイムをならす。
・・・のだが・・・
じぃやにしてはいつもよりあけるのが遅い。
すると内側で「ガチャ」と鍵をあける音がした。
「じぃや、ただい・・・」
が、そこにいるのはじぃやではなかった、
まして、使用人でもない。
私が我が目を疑った。
そこにたっていたのは・・・
たった1日だけだけど会えなくて、ずっと話をしたいと思っていた人物・・・
十六夜 星矢だった。
「よ・よぅ・・・」
彼は少しぎこちなく挨拶をした。
「・・・なぁ、外で少し話しがしたい。」
それは私も同じ。
ずっと・・・話をしたかった。
「・・・私も・・・したい・・・」
そういうと、彼は外にでていった。
多分、うちの敷地で話すのだろう。
私もそれについていく。
今までの憂鬱をここで晴らそう。
彼に謝りたい。
彼と仲直りしたい。
また彼と一緒にすごしたい。
そのために・・・私は一歩、また一歩と彼についていく。
・・・さぁ、自らの責任を・・・
そしてすべてを終わらせよう。
「憂鬱」 完