流転
※卯月視点の話です。
人の心は時がたてば、移り変わるもの。
時にまかせれば、絶えず移り変わる。
どんな人間でも、絶対に考え方がかわることはある。
・・・皆は知っているだろうか?
この世界には「ミイラとりがミイラになる」という言い回しがある。
私の状況は少なからず・・・この状況に似ているような気がする。
私は彼を「奴隷」として扱うために、あの男に私という女性を惚れさせようとした。
恋させようとした。
が、それはいつの間にか、私が彼に恋をしていたのだ・・・
あれから・・・
彼が私に「素でいていい」といってから早くも1週間がたった。
正直、彼の前にいると楽だ。
楽しいとかそういうのは・・・あまりないと思う。
ただただ・・・落ち着く。
それはいつしか私の心の柱の1つとなっていた。
彼と話すと思っていることをすべていえる。
早い話がストレスがたまらないのだ。
私は彼と二人きりで話せる時間をいつしか無意識に大事にしていた。
だから、毎朝、彼を少し遠回りしてまで、彼の通る道で待つ。
のだが・・・
この日はいつまでたってのあいつがこない。
「・・・」
この私がわざわざ、あいつというさえない男を待っていてやっているというのにこの態度。
とりあえず少し待ってやることにした。
が!!
一向にこない。
どうやらあいつは私に殺されたいようだ。
仕方ないので、1人で学校にいくことにした。
「あ~・・・話し相手がいないと暇だなぁ・・・」
なんて無意識に口にでる。
隣には誰もいないのに、しゃべっている自分がいる。
「・・・だぁ~!!ったく、あいつもあいつだ!学校を休むときぐらい私に連絡しろ!!」
と看板を思いっきり蹴飛ばす。
看板は振動している。
それをみて・・・
「・・・フッ・・・あいつでためしたら面白そうだな・・・」
なんて思う。
そうだ、この私を待たせたのだ。
蹴りの一発ぐらい安いものだろう。
今度あったら、最初に蹴飛ばそう!
そして学校についた。
いつもどおり、下駄箱をあけると手紙がたくさん入っていた。
「くっだらない。」
最初の1日は熱心に読んでみたものの、中身はみんな一緒。
いわゆる「ラブレター」というものだ。
しかしこれでまた私はごみの処理をしなければならない・・・
いい加減、私の大変さにも気づいてもらいたいものだ。
これだから男というのは・・・
そして、階段を上がり、教室に入る。
すると・・・
「あ、おはよう。」
それは待ち合わせ場所にこなかったあの男だ。
って、なんでここにいるんだ!?
もしかしてこいつ・・・
いつも私は待っていてやっているというのに、今日はおいていったというのか!!
許せん!!
まず思いっきり脚で蹴飛ばす。
「カハッ!!・・・って・・・朝っぱらから・・・なにを・・・しやがる・・・」
「フン!知らない!!!」
あいにく蹴りをいれたところは教室の入り口だ。
この角度から蹴りをいれておけば、皆からは見えていない。
それに少しぐらいすねる姿も、やっておいたほうがいいだろう。
そのほうが私という人間性がでるというものだ。
猫かぶりは相変わらず健全である。
・・・そういえば、蹴りをいれたとき、看板のように振動しなかったな・・・
・・・やっぱつまらない男。
その日の帰り道。
鈍感男は私が朝、なんで怒っていたかを気づいていないらしい。
・・・そこは察してもらえるとありがたいのだが、この馬鹿にそんな能力はない。
「・・・朝・・・何怒ってたんだ?そろそろ教えてくれ・・・」
「知らない!!自分で考えれば?」
「・・・んなこといったってよぉ・・・」
やはり鈍感すぎる。
これは重症な病気とでさえ思えてきてしまう。
「・・・もう!お前が朝、私をおいてったことを怒ってるんだ!!」
仕方ないから答えをだす。
馬鹿にはいわないとわからないみたいだからな・・・
「あれは僕がいったときにお前がいなかったから・・・先にいったんだと思ったんだよ・・・」
この期におよんで言い訳までするとは・・・
つくづく最低な男だ。
「だいたいたかが1回ってなにをそんなにムキになってるんだよ・・・」
「たかが一回でも一回は一回じゃないか!!」
「・・・今の・・・早口言葉にしたらいいんじゃない?」
この私が怒っている理由をきいてきて・・・
それをきいて、どうでもいいことでつなげるんじゃない!
こいつは人の話をききましょう、と学校で習わなかったのだろうか・・・
「・・・死ねば?」
「冗談だって・・・冗談。」
苦笑をしているが、意見をのべたときのお前の顔は真剣だったじゃないか・・・
こいつはその場その場の嘘でしのげると思っているのだろうか・・・
だいたい嘘が苦手なくせに。
「でもさぁ・・・お前だって、いつも遅いとおいていく!とかいってるじゃん。」
「でも、実際おいていったことないだろう?」
「・・・そりゃぁそうだけど・・・」
この私に口の言い合いで勝てると思っているのだろうか?
「まぁ・・・まだ1回だし、許してやってくれ。」
「それが人に物を頼むときの言い方か?」
「・・・お願いします。」
「卯月さま・・・は?」
「・・・あ~・・・卯月さま!(棒読み)」
正直気に食わない。
この私をおいていく、それは重罪だぞ、重罪!
もし私が仮に一国を治める王ならば、そんないい加減な奴、すぐ処刑だ!処刑!!
だが・・・1回やったら・・・脅しがきくだろう。
「ここは私が心ひろい素晴らしい女性だから許してやる。」
「・・・」
「なんだ、その目は!?」
「別に。」
その「別に」はかなり意味ありげな「別に」である。
一々気に食わない男である。
「で?許してくれるの?」
「あぁ、許してやる!・・・が!!次やったら処刑だ。いいな?」
「・・・なんで殺されなきゃならないんだ・・・」
「あぁ!?きこえないな?物事は大きな声で発言するべきだと思うが?」
「アイアイサー!!もう僕は二度とおいていきません!!」
「よし!」
そのときはまだ自分の気持ちに気づいていなかった。
なぜ私は彼のいうように「たかが1回でこんなにムキになっているのか?」。
それはこのときの私は「いつも待っていてやるのに、こいつの場合、おいていきやがった!!」という考えだと思っていた。
もちろんそれも少なからずある。
が、このときから、私の心のなかは変化しつつあった。
それからさらに一週間。
この優柔不断男の後輩とかいう女とあった。
たしか名前は「不知火 疾風」という名前だった気がする。
その日は非常に気に食わなかった。
それは彼の態度。
その後輩の「不知火」とかいうやつの家で飯をご馳走になる・・・
という話になったのだが。
あの男も料理をすることとなった。
「私も手伝う」
と私がいえば、「お前は人を刺しそうだからやめとけ」といわれた。
私は仕方なく1人、待っていたのだが・・・
ただ待っているのも暇なので、料理をする手順でも見ていようと台所へいこうとした。
廊下にでて、台所にむかうと声がきこえた。
それは、不知火とかいう後輩と、あの男が楽しそうに話す声。
別に彼のことなんてどうでもいいのだが・・・
なにか気に食わない。
「まぁ、基本いつでも手伝ってやるぞ!」
その声は明らかにあの馬鹿男の声だった。
本来なら普通にスルーする言葉。
だが・・・
私にはその言葉が胸に突き刺さった。
「・・・そんな言葉・・・私には一回もいってないじゃないか・・・」
よくわからない悔しさ。
それは若干の「敗北感」と似ている。
ここ最近では不知火とかいう「後輩」より私のほうがあの馬鹿男の近くにいるというのに・・・
その「後輩」との話のほうが楽しそうに話しているように聞こえる。
その「後輩」との話のほうが生き生きとしているように聞こえる。
そして・・・
その「後輩」のほうが、私より扱いが優しい感じがした。
「・・・なんなんだよ・・・」
イライラがつのっていく。
一瞬帰ろうか迷った。
けど・・・
ここで帰ったら、あとで何をいわれるかわからない。
仕方ないので残ることにした。
その後、飯を食べ始めても彼は、私には話しをふらなかった。
いや、ふってくれなかった。
「不知火」という「後輩」にばかり話かけて・・・
私のことは無視か?
というぐらいに話をふってくれなかった。
帰り道。
やはりこの鈍感男は私が怒っている理由をわかっていなかった。
それはかなり腹の立つことだが・・・
やはり、馬鹿にはいわないとだめ・・・
ということを一週間前に自覚した。
「なぁ・・・そろそろ教えてくれよ。今日はなんでそんなに不機嫌なんだ?」
「別に。」
一回は言わないことにしておこうと思ったものの・・・
またあの女とイチャつかれたら嫌だなぁ・・・
というよくわからない感情に押されて、やっぱ説明することにした。
「・・・お前が悪い。」
「・・・なんで?」
この男は自分が悪いということさえ気づいていなかったのだろうか。
マジで頭にくる。
「・・・私とあの女とではずいぶんと温度差があるじゃないか。」
私は自分の感じたことを・・・
それがすごくムカついたことを・・・
ありのままにいった・・・
つもりだった。
のだが。
「はぁ!?」
彼の反応は「意味わからねぇ~」という反応だった。
ここまでいって、その反応をするお前を見て、こっちが「はぁ!?」っていいたくなる。
「何が「いつでも手伝ってやるぞ!」だ。私にはそんなこと、一言もいってないじゃないか。」
「・・・」
・・・自分でいっていて気づいた。
私は・・・もしかして彼に「いつでも手伝ってやるぞ!」って言われたいのだろうか?
・・・よくわからん。
自分自身のことさえ、わからなくなってくると余計にイライラとしてくる。
「人がきいていないということをいいことに、イチャつきやがって・・・」
もはや愚痴はとまらない。
とどまることをしらない。
が!
ここまでいってもこいつは・・・
「・・・あの・・・さ。・・・結局何がいいたいんだ?」
・・・お前・・・鈍感すぎて、わざとじゃないか?
と疑うぞ?・・・そろそろ。
ホントは気づいているんじゃないか?
とか思う。
もういい!!
このトリプルデラックス級の鈍感さでもわかるように直球ストレートでいってやる。
「だから!!私は・・・」
「私は?」
しかし・・・
予期せぬことがおきた。
問題・・・トラブルがおきた。
直球でいう・・・はずだったのだが。
言葉がでてこない。
いや、いうことはわかっている。
ボケたわけじゃない。
けど・・・なんというか・・・
よくわからないがでてこない。
今日の私は私らしくない。
そう思った。
つまらないことでイライラしたり、言いたいことがいえなかったり。
なぜ彼の前でだけいつもこうなるのだろうか・・・
この男・・・もしかして、問題児か?
そういうオーラをだしているのか?
「・・・その・・・」
「?」
まぁ、でないものはでない。
隣の超鈍感男は首をかしげている。
くっ・・・にくたらしいやつめ。
とうとういえないと自覚し、下を向いてしまった。
もう・・・この話は打ち切ろう。
「・・・なんでもない!!」
「え!?」
彼は意外という反応をした。
それは「そこまでいったならいえよ・・・」という意味なのだろう。
やはり気づいていないみたいだ。
その鈍感さ・・・ホントになんとかしてほしいものだ。
「・・・だぁ~!!貴様はどこまで鈍感なんだ!?」
この鈍感さを見ていると、イライラしてくる。
今日はこいつのせいでいろいろとストレスがたまった。
もう全力でぶつけてもいいだろう。
「なんだよ・・・急に。」
「大体、なんで飯を食ってるときに話をふってくれなかったんだ!?あの女にばっかりふって!」
「あのなぁ・・・お前が進んで話を拒んだんじゃねぇか・・・」
「お前が何か私に話題をふれば、私は対応した!!」
彼の目は「嘘つけ・・・」という目をした。
ホントのことなのに。
どうして信じてもらえないのだろう。
「はぁ・・・これだから鈍感男は苦労するんだ。」
「・・・なんだよ、その超上から目線は・・・」
「この私という美人がいながら貴様は・・・」
「なんのことだよ・・・てか、自分で美人っていうなよ・・・」
「・・・もういい!!」
気づけば、無意識にぺらぺらといろいろな言葉がでていた。
正直なにをいったか覚えていない。
とりあえずスッキリした。
おそらくたまっていた悪口をすべて言い切ったのだろう。
「・・・意味わからん。」
しかし、この言葉でせっかくおさまったイライラがまたもや噴火する。
「意味わからないのは貴様のほうだ!」
あそこまでいって、どうして理解できないんだ・・・
ありえん。本当に。
そのときだった。
一瞬左側からライトの光が見えた。
(!?)
気づいたときにはもう遅かった。
あぁ・・・最悪の人生の終わり方。
とか思ったときだった。
「危ない!!」
私は不意に後ろに引っ張られた。
もちろん準備とかができていたわけじゃない。
結果、強くひかれたため、バランスを崩した。
転びそうになってしまい、ついついバランスを立て直すため、彼を引っ張った。
結果、二人とも転んでしまった。
しかも態勢が・・・
彼は転んだというのに、自覚がないように、走り去っていく車とパトカーをみていた。
私にも逃走中の車は見えた。
だが、見えた瞬間に、転んだということが発覚して、この態勢だと知った。
「なぁ・・・お前・・・この状況は・・・と・とりあえずどいてくれないか?」
心臓の鼓動が果てしない。
自分でもよくわかる。
顔が熱い。
冷や汗がでてきそうだ。
「え?」
彼はやっと自分のおかれているこの態勢というものに気が付いた。
「ちょっ!何、この・・・」
「・・・!!」
すると、一般の人が通りかかった。
一般人は一瞬硬直してから・・・
「・・・す・すみません!!」
と焦って走っていってしまった。
・・・恥ずかしい。
初めて恥ずかしいと思った瞬間かもしれない。
「ちょっ!僕たちはそんな関係じゃ・・・」
「いいから早くどけ!!」
彼は私がそういうと、急いでどいた。
とても早かった。
「・・・まったく・・・」
「・・・ごめん。」
「次やったら殺す。」
「・・・」
・・・殺してもいいだろう?
なにせ、私はあんなに苦しい思いをしたんだ。
胸の高まり。早まる鼓動。
どれもつらかった。苦しかった。
のだが・・・
彼はそういうと、少しだけショボンとしてしまった。
彼はやらかしたといっても、でもその前に私の命を救ってくれたのである。
「・・・まぁ、一応感謝する。」
「・・・あぁ。」
・・・あまり感謝などしたくないが。
でも、感謝すると、彼は少し微笑んだ。
その表情を見ていると、自然と安らぐ。
「・・・にしても・・・あの人・・・完璧に誤解してたな・・・」
彼は少し落ち込んでいるように見えた。
・・・そんな顔しないで。
あなたの微笑みを見ていたい。
もう少し安らぎたい。
自然とそう思ってしまう。
とりあえず慰めなければ!!
「まぁ、気にするな。こんな美人を抱ける一歩手前までいけたことを、まず神様に感謝するがいい。」
「・・・」
なんか納得いかねぇ~って顔をしている。
それはそれで微妙である。
もういいや。
とりあえずさっきいえなかったことを言うことにする。
もちろん理由ではない。
脅しをかけておく。
「次、あの女とイチャついたら殺す。」
「・・・あの女って不知火か?」
「そうだ。」
「・・・てかイチャついてないし。」
「いや、イチャついていた!」
「・・・いや、どうみればイチャついているように見えるんだよ・・・ただの先輩と後輩の仲だろうが・・・」
彼の「ただの先輩と後輩の仲」というのをきいて、少し安心感が宿った。
その後、家に帰って、いつものように「じぃや」にあの馬鹿の愚痴をこぼしていた。
「もう!!きいてよ!ホントにありえない!!」
すべてをじぃやに話した。
あいつと後輩が楽しそうに話していてイラッとしたこと。
「いつでも手伝ってやる」と後輩にあいつがいって、ムカついたこと。
すべてを言い終わってはいなかったが、ほとんど言い切ったときに私はあることに気づいた。
「じぃや」が私の愚痴を微笑みながらきいていた。
「ちょっと!!真面目にきいてるの!?」
「はい、きいていますよ、お嬢様。」
本当か?
あまり「じぃや」を疑いたくはないものである。
「いや、お嬢様はその「十六夜」という男の子をそうとう気に入られているようで。」
胸がドキッとした。
「は!?何をいってるの!?そんなわけないじゃない!!」
「じぃにはわかっておりますよ。」
「・・・」
何をわかっているというんだ・・・
まったく・・・気に食わん。
おそらくそう思っていることが表情にでていたのだろう。
「じぃや」は微笑みながらいった。
「お嬢様、人を嫌いになることは簡単ですが、人を好きになることは嫌いになることの10倍難しいとききます。」
いきなりそんな話をしてどういうつもりなのだろう?
「お嬢様も久々に・・・人を好きになられたようで、じぃはうれしい限りでございます。」
「なっ!?そんなわけないだろう!?」
「そうでございましょうか?」
じぃやはあえて私をからかっているのだろうか?
微笑みながら話しているから、本心がわからない。
「私があいつのことが好きだっていうのか!?」
「えぇ、きいていると、左様に感じます。」
「ありえん!あんな馬鹿で、鈍感で、デリカシーがなくて、よくわからない男なんて!!興味ない!」
「興味ないというわりには、ずいぶんとその男の子の悪いところをご存知でいらっしゃいますね?」
今日のじぃやは抜け目がない。
「そのぶん、いいところも知っているのでは?」
「いい・・・ところ?」
無駄だ。
あいつのいいところなんて思い浮かぶはずがない!!
・・・無駄だとは思ったが・・・
一応思い浮かべてみる。
・・・優しい。安心感をくれる。安らぎをくれる。気遣ってくれる。ピアノがうまい。退屈させない。
意外とでてくるものだ。
まぁ、結論は「優しい」の一言に限定される。
それも草食系男子の特有だな。
「・・・まぁ、強いていうなら優しいぐらいじゃないか?」
「左様でございますか。」
じぃや・・・
じぃやが私をからかうなんて珍しい。
じぃやは何が言いたいのだろうか?
「・・・なら失礼を承知でお聞きしますが・・・その男性のことは嫌いですか?」
「え?」
・・・困った質問の仕方だった。
「・・・嫌い・・・ではない。」
「そうでございましょう?」
「だが!!好きでもない!!!」
じぃやは微笑みから、少し苦笑をする。
「なら・・・どうしてお嬢様は今日、その後輩様と十六夜様が楽しそうに話しているとイラっとしたのでしょう?」
「・・・」
「どうして「いつでも手伝ってやる」と十六夜様が後輩様におっちゃって、悔しかったのでしょうか?」
「・・・それは・・・」
それは・・・
どうしてだろう?
・・・それは・・・彼のことが好きだから?
・・・好きだから。
その日の夜。
ベットのなかで考えた。
私は恋をしているのか?
あんなにつらい思いをしたのに・・・
恋愛をしている・・・というのか。
認めたくない。
が、じぃやの巧み(?)な言葉によって、私は彼が好きであることを自覚した。
私は彼のことが好き。
でも・・・どうしよう?
自分が彼のことを好きと自覚して、もっと彼と仲良くしたい。
そういう思いが強くなった。
私が全力で恋愛をして尽くしたとき・・・
あのときはお互いを下の名前で呼んでいたような気がする。
なら・・・
いっそ、明日から思い切って下の名前で呼ぼう!!
ここから私の彼をみる目はかわった。
そう、人の考えは時によってかわるものだ。
これもまたそのなかの1つ。
そして、これからも絶えずかわっていくだろう。
人の考えは絶えず移り変わる。
人の心は絶えず移り変わる。
人の心は流転する。
そしてこれも、私のなかの心の流転の1つ。
「人の心は流転なり。」
「流転」 完