入学
初めてです。
まぁ、下手糞感MAXですが、最後まで見守ってもらえるとうれしいです。
「だから付き合ってやるといっているんだ!」
「いや、だから・・・その、ホントに結構ですから・・・」
体育館裏でなにやらやり取りが聞こえる。
このやり取りは最初はものすごく静かなものだった。
・・・のだが。
いつしか、なぜか彼女は逆上してすらいた。
この高校に入学して早1ヶ月。
クラスの友達たちとはなじめてきた。
みんなもなじめてきた。
クラスが明るくなってきた。
高校生活にも慣れてきた。
何事もなく、平和。
そう、平和だった。
このときまでは。
なのに・・・
なのになんでこんなことになってるんだ!?
これが僕の望んだ高校生活?
いや、それは断固否定する!!
じゃぁ、なんで僕がこんな目にあわなければならないんだ・・・
・・・なんで僕が・・・
思い返せば4月・・・
あのときからすでに始まっていたのかもしれない。
桜の花びらが風に揺られて、空を舞う。
それは新しい生活の始まりの合図。
僕は浮かれていた。
なんたって今日は高校生活の始まりの日。
おめでたい日なのだ。
そんなことを思っていると、いつの間にか入学式というものは始まっていた。
先生たちが1人ずつ、生徒の名前を呼んでいく。
これは入学式にやる伝統らしい。
僕は周りを見渡した。
・・・これが新しい友達、新しい先生・・・
そして、新しい学校。
やっぱりうかれる。
その姿は誰がどうみても挙動不審である。
「十六夜 星矢」
十六夜 星矢・・・
それが僕の名前。
かわっているのは名前だけじゃないとよく言われる。
それに僕には・・・
この名前は格好良過ぎてもったいない。
そんなことを思っていると不意にまた名前を呼ばれる。
「十六夜 星矢!」
「え?・・・あ、はいっ!」
とりあえず返事しておいたものの、周りからはそのぺっぴり腰にクスクスと笑いがあがってた。
初っ端からのミスである。
その後、無事・・・でもないが、入学式がおわり、教室にやってきた。
とりあえず席に座った。
まわりも皆、知らない顔が並んでいて、誰一人しゃべらない。
重苦しい空気だ。
「あ~・・・ようよう!もっと明るくいこうぜッ!!」
「おい、やめろよ、恥かしい。・・・まだなじんでないんだからよ。」
1人が席から立ち上がるも、おそらく同じ中学であったのだろうもう1人に止められ、腰を落とす。
すると担任といえるべき先生がやってきた、
「おぅ!これからこのクラスを担当する桐山 勇詩だ。よろしく!教科は体育を担当している!!」
それから・・
まぁ、時は水のように流れていき・・・
早1ヶ月。
こう思い返すと入学式には問題ない。
ならどこでミスったのだろう?
僕ってそんなにモテたっけ?
いやいや、それはない。
「ちょっときいてるの!?」
「え?・・・あ・あぁ・・・」
とりあえず目の前の問題解決が先の様子である。
これが僕の高校生活に革命を起こす最初の出来事だったのである。