表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/35

24or25? 2

随分と積もったものだ。


鳥海飛鳥は地面に溜まっていった雪達を踏み鳴らしながら、そう実感した。


滑らないよう最善の注意を払いながら、深く沈み込んでいく雪の感触を楽しむ。


「つめた」


染み込んでいく水気に、思考が戻される。


・・・靴下まで濡れてしまった。

それでも何故だか、心がふわついている。


ここ連日、雪は止む事を知らなかった。

それはまさに、冬の一大イベントを祝うために


「──えい」


ボーッと歩いていると、背中に冷たい感触が襲いかかってくる。


「うわぁっ!!?」

「あっはは!!良い反応〜!」


いきなり何かと振り返ればここ最近、見ない事がない銀髪の少女がいた。


「帰ろ」


ニコニコと悪戯が成功したのが嬉しいのか

木ノ下は楽しそうだった。


「・・・その前に、言う事あるんじゃ?」


背中に垂れる雪解けを堪能しながら、こちらも笑顔を浮かべる。作り笑いは得意なんだ。


「呆けて歩かない方がいいよ」

「人の背中に雪入れない方がいいよ」

「呼んだのに無視すんのが悪い」


拗ねられた。


いや、拗ねたいのはこっちなんだけど



「・・・え、呼んだ?」

「うん」


全くもって聞こえなかった。

どうやら、本当に意識が飛んでいたらしい。


「ごめん、本当に気づかなかった」

「大丈夫、こうやって気づいてくれたし」

「・・・うん。はい」


言いたい事は山々だが、それは良い。

実際、俺が気づかなかったせいで今の現状があるわけだし・・・。



「にしても、凄い積もったね」


いつもと違う足元の感覚に戸惑いながら、2人は並んで歩く。地面に痕跡を残しながら。


「ここ最近、ずっと降ってたしね」

「・・・明日は降るのかな」

「さぁ?天気予報見てみれば?」

「う〜ん・・・」


どこか気の抜けた返事。

それほどまで雪が降ってほしいのだろうか?


「明日、さ?24日じゃん。雪降ったら、なんか・・・ほら、ホワイトクリスマスってやつになるよね」


少し頬を染めながら、木ノ下は言葉を頑張ってつなげる。

なんとか、自分の話したい事を話すために。


けれど、それを伝えたい相手が隣にいない。


「・・・?鳥海さ──わぷっ」


「あったり〜」


振り返ると、雪玉を肩にぶつけられた。

下投げだったから勢いは無かったが、肩が濡れてしまった。


「ちょ、何急に!」

「仕返し。呆けて歩かない方がいいよ〜」

「〜〜っ!!このっ!!」


雪をすぐさまかき集めて、飛鳥に投げる。

しかし、木ノ下の投げた一球が当たる事はなく。無惨にも床と激突して砕けちった。


「ノーコン」

「避けんな!」

「避けてないから」


飛鳥、逃げる。

近くに公園があるので、そこへと向かっていく。


「こら!待て!」


木ノ下、追いかける。

何度もその背中へと雪玉を放り投げても、当たる事はない。


「よっ」

「──わっ、もう!」


なのに、飛鳥の投げる雪玉は木ノ下を捉える。

どうやら運動神経は飛鳥の方が優れているらしい。どんぐりの背比べには変わりないが。


「本気出すから」

「お、いいね」


バッグをベンチに置いて、戦闘体制に入る。


そこからの2人は青春よろしく。

側から見ればバカップルそのものでしかなかった。近くを通った年寄りが生暖かい目を向けるが、2人は気づかない。


「うおっ、つめたっ!!」

「もっかい!」

「いて、冷たい冷たい!!」



2人が満足する頃には、辺りは夕暮れへと差し掛かっていた。



「はぁ・・・はぁ・・・」

「動けない・・・」


インドアの無茶は命懸けである。夢中になってみれば、後悔しか残らなかった。

雪の外的な冷たさと、運動後の発熱。身体を巡る温度差で風邪を引きそうであった。


「木ノ下・・・?」

「はぁ、な、なに・・・。はぁ」



「で、さっき何を話そうとしたの?」

「・・・ふんっ!」

「ぶへ」


螺旋丸の様な一撃。

飛鳥の顔面が雪だらけになる。



「ちょっと休ませて・・・。もぉ、なんで今〜?」



・・・温度差には気をつけよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ