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ちょっとした朝

「・・・おはよ。随分早いね」


台所で朝食の準備をしていると、桃子さんが奏さんの部屋から出てくる。

朝に弱いのか、起きた今もどこか夢現であった


「おはようございます。朝食ありますよ」

「ありがと」


寝ぼけ眼を擦りながら、椅子に座る桃子さん。

丁度出来た朝食を目の前に並べると、桃子さんの瞳に少しだけ光が宿った。


「おぉ、美味そう」

「奏さんはまだ寝てます?」

「うん」


だろうなと心の中で呟く。ここに住み始めて

平日義姉と共に朝食を食べれたのは数回程度だ。


「いつも弟くんが朝を用意してんの?」

「そうですね。俺がいつも」

「大変じゃない?弟くん学生でしょ?朝辛いでしょ」

「そうでもないですよ、最初は・・・まぁ義務感でやってたけど」


この家に住まわせてもらう以上、役に立ちたいから始めた自炊係ではあるけど今では、辛いとかそういう感情はない


「今は違うんだ?」

「違いますね」

「そっかそっか」


そういえばと思い出して、聞きたかった事を聞いておこう。


「桃子さんって、どうして来てくれたんですか?」

「どうしてって?」

「だって・・・vtuberですよね?身バレの危険とか」


手に持っていたトーストを皿に置いて、桃子さんに見つめられる。


「微妙だったよ、身バレしたらダルいから断ってたんだけどね」

「じゃあ、なんで?」

「奏が弟くんの話してたからさ。なら、いっかと思って」

「軽ぅ・・・」


身バレのリスクのがデカ過ぎだろ。よくわからないな、この人。


「事務所に行くのもだるかったからね。奏の家近いって言われたし」

「はぁ」

「ま、昨日と今でわかったよ。弟くんは凄く口が硬くて誠実な人なんだなって」

「それは・・・まぁ、その辺はちゃんとします」


ポロッと言ってしまわない様に気をつけなければ・・・。


「お願いね」

「はい。それじゃあ、俺はそろそろ行くんで。お昼はどうします?」

「適当にデリバリー」

「了解です、行ってきますね」


桃子さんに手を振られながら、自分の家を後にした。



マンションを出て寒さに駆られながらエントランスから出てみると、見覚えのある人影。


「ん、おはよ」

「・・・よく会うね」


昨日もこんなことあったな。


木ノ下とばったりエンカウント。

昨日とは違って制服を着ているから、ちゃんと家の中に入れたのだろう。


「おはよう、ちゃんと家に入れたみたいだね」

「まぁね。じゃ、行こう」


・・・行こう?


「違う学校だろ」

「道は同じでしょ」


まぁ、木ノ下の着ている制服には見覚えがある

近くの中学であるのは間違いない。


「そう、だな。じゃあ一緒に行こうか」

「うんっ」


2人で並んで歩き出す。12月の冬はやはり寒い。身体を震わせながら歩いていると、木ノ下から肩を叩かれる。


「鳥海さんって、何年生なの?」

「3」

「あ、一個上なんだ」


じゃあ、後輩なんだな。木ノ下は


「どこ行くの?高校は」

「石掛」

「通信じゃん。頭悪いんだ」

「ノンデリってよく言われない?」


一応、弁明しとくと頭はそこまで悪くはないと思っている。

ただ・・・塞ぎ込んでいた時期があったから、出席日数的に考えると、俺の行けるところはここしかないだけで。


「そういう木ノ下も2年だろ?行く高校は探しといた方が賢明じゃない?」

「んね」


決まってないのね・・・。



「・・・」


急な沈黙。気まずさに耐えられないから、話題を必死に探してみる。


「あー、にしても・・・」

「ん?」



「木ノ下もこの時間だったんだな。意外と出会わないもんだ」

「・・・たまにはね。でもほら、もしかしたら

一緒のタイミングで登校してたかもじゃん」

「だとしたら印象に残るだろ」


木ノ下の銀髪に指を刺す飛鳥。慌てて、銀髪を隠す様に手で抑える。


・・・こんな派手な髪した女子を忘れるはずなくないか?


「・・・変に詮索するの、よくないと思いますよ。あと、指刺すなし」

「こりゃ失敬」



なんて、2人で駄弁りながら仲良く(?)登校するのだった。



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