結果良ければ、ゲームする。
なるべく火曜日に一話のペースが理想。更新なかったら
お察しください
結論。間に合わなかった
俺のパーカーとズボンを着こなした木ノ下が
風呂から出た瞬間、もうバッタリと。
そして、決戦はリビングのテーブルで行われた
「・・・」
「・・・」
「ふわぁ〜・・・」
「・・・」
本来ならば、和気藹々と暖かい雰囲気を醸し出すはずの食卓はとても冷え切っていた。
1人、欠伸をこいているが。
「それで、飛鳥くん」
「はい」
「説明、してくれるんだよね?」
笑顔であるが、その言葉は凶器ともなり得ていた。
鍋がぐつぐつと揺れ始める。飛鳥はぶつぶつと事の経緯を語り始める。
出会ったのは、そう。寒さが牙を剥いた昨日のこと。ドアの前で震える狼を拾って、ネカフェへと連れて行った事。
「・・・事情はわかっ」
「なにそれ!!すっごいラブコメじゃん!」
奏さんの隣に座る、金髪をベースに赤色が散りばめられたド派手な髪を持った女性が身を乗り出して、嬉々とした表情で2人を見やる。
「それでそれで?」
「いや、なんも。それで今です」
「えぇー?そんなわけないでしょー、ね。なんかあったでしょ」
うざ・・・。
「ちは・・・こほん。桃子さん、落ち着いて下さい」
「これが落ち着いていられる!?歳若い2人の
情緒がっっもがっ!?」
「もう!!ほんと!!落ち着いてッッっ!」
「もがもが」
初めまして、桜田桃子です。
第一印象は、とても落ち着いたお姉さん。けど
口を開けば。
「えぇ!?ちょー可愛い!!なにその銀髪!!地毛!?染めたの!?」
「そ、染め・・・ました」
「まじ!!うわ、すっごい綺麗じゃん!!触っていい?」
「え、やだ」
「ああぁ!!ガチ拒否!!興奮するね!」
やばい人だった。
「それで、木ノ下ちゃん」
「あ、はい」
突然話しかけられて、驚きながらも何とか返事を絞り出す木ノ下白奈。どうやら、矛先が変わった様だ。
「いくらね?飛鳥くんが優しくてもね?昨日知り合ったばっかりの男の人の家に訪れるのは、よくないと思うよ」
その通りでございます。
「・・・鳥海さんは、そんな人じゃないって思ったんで」
「偉く信頼されてんねぇ〜。弟くん」
「もう鍋食べません?焦げちゃいます・・・」
「それもそうだね」
どうやら、義姉もお腹減ったらしく。おたまを手に取る。
「木ノ下ちゃん。お茶碗ちょうだい。よそるね」
「え、あ、はい」
先程の触れたらブチギレそうな鳴りは潜んで
いつも通りの奏さんに戻る。怒る時はちゃんと怒って、切り替える時は速すぎる。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
恐る恐る手に取る木ノ下。なんだかんだで、客人として歓迎している。そして、もう1人
「桃子さんも」
「ありがと〜」
ニコニコである。よかった、奏さんの機嫌。よくなっている。
「飛鳥くんは自分でね」
「はい」
ダメだ、怒ってるわこれ。
「えぇ!?木ノ下ちゃん、中学生なの!?」
「はい。そうです」
「うっそぉ、見えないよ。大人っぽいってよく言われない?」
「・・・まぁ、たまに」
照れながらも、それを肯定する。大人に見られて嬉しいのだろう。きっと
「白奈ちゃ〜ん。昨日は本当に、何もなかったのぉ〜?」
「何もありません」
「ほんとぉ?見て、弟くんのこの顔。可愛いと思わない?」
顔を、3本の指で挟まれる。距離感だいぶ近いな。この人。
「タイプではないです」
「あは、振られちゃったね。飛鳥くん」
「そうですね。残念です」
「何が残念なの?」
いやマジでわからん。奏さんの地雷って本当わからない。
「もうー、奏怒りすぎ。楽しい食卓にしよ」
「お、怒ってないです!」
「まぁまぁ。愛しい弟くんが取られちゃうって焦ってもいいことないよ」
「焦ってない!」
この人、デリカシーのかけらもないのか?
「奏さん、もしかしてブラコン?」
「ち、ちち、違う!!ただね?私は、姉としてね!?飛鳥くんが付き合うかもしれない娘を見定める役割を真っ当するために」
「世間はそれを、ブラコンと言う」
「違うからぁ!!」
ブラコンやらなにやらは置いといて、この食卓に流れる空気感は、とても良いものであった。鍋も美味しいし、最初は焦ったけど、結果は丸くおさまった。
「お父さん。帰ってくるの21時なんだっけ?」
「そうですね、多少は遅れるかもですけど」
洗い物をしながら、女性陣の会話に耳を傾ける。どうやら、もう打ち解けたようで。
「だいぶ、時間あるぞ〜?」
「ですよね。外とか出たくないし」
なにやら、時間を潰す何かをご所望らしい。
「うーん、木ノ下ちゃん。ゲームとかやる?」
「まぁ、はい。好きですよ」
「え!マジ!?白奈ちゃんってゲームやんだね。意外〜」
「なら決まり。ゲームやろう!」
ゲームをやることが決まって、次は何のゲームをやるかの話し合い。各々で好きなゲームのジャンルが違うらしく。
「スマブラ〜?私、格ゲー弱いんだよね」
「なら、マリカ?」
「マリパやりましょ、マリパ」
「ご〜めん。私ぼっちだから、買ってない」
「・・・すみません」
「ま、結論なんでもいいや。決めといて〜」
桃子さんは立ち上がり、こちらに歩いてくる。
トイレの場所でも知りたいのだろうか?
「ここ、タバコ吸っていいの?」
「え、あぁ。そこの換気扇でお願いします」
「はいよ」
投げかけられた言葉に面を食らう。上着の内ポケットからタバコを取り出した。
「紙派なんですね」
「ん、まねー」
慣れた動作で、火をつけて口に咥える。その目はどこかぼんやりとしており、ニコチンが身体に回るのを感じ取っているのだろうか?
「・・・弟くんはやんないの?」
「俺は家のことやるんで。3人で楽しんでください」
「わぁ、家事のできる男はモテます」
「女性もモテますよ」
「なら、私に彼氏ができない理由を教えて」
その言葉に、飛鳥はタバコに指を刺す。
「それ」
「えぇ〜、もしかして。飛鳥くんってタバコを吸う女性にガッカリする感じ?」
「あまり吸っては欲しくないですね」
「なんで?」
「けむいんで」
タバコの煙は、換気扇に吸われず。飛鳥の元へと漂っていた。その度、飛鳥は咳き込む。
「あは、換気扇回してんのに〜」
楽しげに、一口吸って吐き出す。こっちに向けて吐いてるからだろ。換気扇の方に出してくれ
「・・・あの、今更だけど。奏さんがお世話になってます」
「いーえ、それほどでも」
ケラケラと楽しそうに笑う。なんというか、奏さんがこの人に懐く理由がわかる気がする
「あーあ、私も飛鳥くんみたいな出来た弟が欲しかったな」
「一人っ子です?」
「んー、妹が1人。これがもう生意気で生意気で」
「はは、俺も生意気な方ですよ」
「そうー?奏の様子的に、そんなことないって思うけどなぁ」
何をやるか話し合う2人をチラ見すると、バチッと目が合う。2人ともと。
「・・・何か?」
「え?あーー!えっと」
「スマブラ、やることになりました」
「えー!私、苦手って言ったじゃん。白奈ちゃーん」
「・・・いないのが悪いです」
あんまりだーっと、肩を落とす桃子さん。どうやら吸い終わったらしい。
「あ、灰皿」
「缶。置いてますから、そこに入れといてください」
「おぉ、これは私専用の灰皿かな」
「携帯用灰皿でも買っといてください。うちで吸うなら」
「はいはい〜」
よっこいしょ。なんて、似合わない台詞を吐いて2人の元へと向かう桃子さん。
「飛鳥くん、速く速く〜」
「俺は遠慮します。やることあるんで」
「えぇ〜」
奏さんが誘ってくるも、断る。やることが山積みなのだ。仕方ない。
「負けるの怖いんだ。鳥海さん」
「・・・プロコンは俺のです」
「えぇ!!三台しかないよぉ!?」
「貰い〜。さ、やろやろ」
21時を待つなんて、あっという間かもしれない




