表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/97

【1-9】管理者ネットそして説明の終わり

「気になった事があるのですけれど質問しても大丈夫でしょうか?」


そんなに長く待たせたとは思えないんだけど小屋の中には女が不貞腐れてムスッとした顔のまま立っていた。

そして私の方を見ないでそのままぞんざいに口を開く。


『何よ?早くしなさい?』


「家なんてもう1件建てて何に使うのです?」


女は私の質問を聞くと呆れたように盛大に溜息をつく。


『貴方って想像力も乏しいのね?眷属だって奴隷みたいに使えるけど疲れるのよ?休ませる場所はあった方がいいでしょ?』


なるほど、確かにこれは私の方が考えたらずだったかもしれない。

この小屋を私のパーソナルスペースとするなら他は外で生活させるしかないのだから当然といえば当然の事でした。

…信用できない赤の他人をこの小屋に入れて生活させるなんて寝首をかかれるかもしれませんしハイリスクな事もできませんしね。


「ありがとうございます。参考になりました」


『ふん?精々感謝しなさいよ。それじゃあ最後に【管理者ネット】の説明をするわね。まあ見たらわかると思うけど基本的には貴方の世界で言う…えれくとろにっくこまーす?ネット通販?ああ、そうねネットのトレード掲示板みたいなものかしら?試しに触ってみればわかるわよ』


もう既に匙を投げられている気がするけど試しにやってみますかね?

すると通販画面とは異なり商品のリストがずらっと「管理者の本」に表示される。

そしてその商品名に指を当てるとその商品の詳細と値段が表示され、購入するかどうかの意思の確認を求められる。

値段と言っても【管理者ネット】専用の通貨があるのではなくて相手が欲しい物…マナであったり別の眷属や道具や建物であったり資材のようなアイテムであったり…私はまだ持っていないけど神の奇跡のカードが設定できるようで、これを満たすと交換可能になるようです。


『貴方かなり出遅れているからもうかなりの数の管理者が商品を並べているでしょ?あらそうだったわ。数が多くて目的の物が探しにくかったら貴方が念じれば種類別の表示や絞り込み検索、表示順も考えたように整理して表示できるからね?後は「管理者の本」に納めているカードも出品はできるから貴方も出品者側にまわる事は可能よ。他に質問はある?』


「…管理者ネットの訓練はありますか?」


『無いわよ?他に無ければ終わるけどこれが最後だからね?』


どうやら管理者ネットについては…まあ元の世界でも似たような物があったのでこれでいいのかもしれない。

けど疑問が無いとは…無いわけがないし思いつく限り投げつけておいた方がいいでしょう。


「管理者ネットの利用手数料は?」


『無いわよ?感謝しなさいね』


「この特別物資の項目については説明が無かったけれど?」


『これは私達から提供する特別な物資ね。この世界の生活水準は…貴方たちの世界の歴史で言う中世レベルだからね。貴方の世界の物資を個数限定で提供をしているのよ。マナでしか買えないけどもう手に入らない貴重な物だから当然よね?』


なるほど…カップラーメン1個に1マナはぼったくりにしかみえないけれど稀少価値としてはあっているのかもしれないし、他にも科学的な面でこちらで再現できない物については確保する価値があるのかもしれないですね。

…管理者ネットについてはこの辺りでいいかもしれませんけど最後と言っているので終わったら逃げてしまいそうですし他の質問も勢いに任せてしてしまいましょう。


「この周辺の情報について教えていただくのは?」


『自分で確認しなさいよ?公平を期すために教えられないからね』


「マナの箱みたいに1日1回と回数制限のある物のリセット時間…もう1回使えるようになる時間は?」


『日付が変わる時ね…貴方の世界で言うと午前0時というのかしら?』


「…土地や道具や眷属の所持上限は?」


『無いはずよ?』


「眷属に魔法のスキルを持っている者もいました。管理者はマナを持っている…と言う事は管理者も魔法を使えるのでしょうか?」


『あらいい質問ね?答える義務は無いけど答えてあげるなら使えない…正確には使えなくしているわね。この世界の魔法を使う際に必要な魔力…それを凝縮した物がマナという認識なの。けどそんな強力な物をポンポン管理者が使ったらどうなるかしら?そう考えて全管理者が使えなくしてるから安心しなさい』


「神の奇跡カードって結局何?」


『…あ!?』


色々と質問をしていたらどうやら何か思い立ったことがあるみたいで慌てだした。

そして真っ赤な箱の目の前まで移動し始めた。


『この箱の前で祈りなさい。そうしたら神の奇跡カードが1枚貰えるわ。祈り終わったらカウントダウンが開始されてゼロになったらまた貰えるようになるわ』


「神の奇跡カードについて詳しく教えていただけます?」


『ああもう!?面倒だけど確かに度忘れしてた私が悪いものね。ええと…まずカードに効果が書いてあるからその文面通りに発揮されるわ。後は所持上限は無いし、管理者ネットで取引可能。「管理者の本」で保管も可能だし、取り出して具現化も可能。使用する時はカードを具現化しないといけない…以上ね』


…特に質問を省いているとかごまかしているとかは無さそうかしら?

負い目がある分ちゃんと説明しているのかもしれないですね。

最後は…。


「他に説明し忘れている事は?」


『失礼ね!無いわよ多分!』


その多分の部分が怪しんだけど女は完全に信用されていないで馬鹿にされていると受け取ると女はカッカしながら小屋の扉を開けるとそのまま勢いよく出て行ってしまう。


『それじゃあ終わりね!寝坊をしたせいで待たせた上に悠長に私に説明させて時間をかけさせるなんて…本当いい迷惑だったわ!時間を無駄にしたせいで手遅れなぐらいに出遅れているせいで期待できないでしょうけど精々道化ぐらいには私達を楽しませる事ね!』


そう言うとあっという間に空の彼方へと女の姿は消えてしまいました。

その時の私の心は…鬱陶しいのが消えたおかげなのかすうっと落ち着いていくのを感じているのでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ