【5-2】穏やかな昼
GW1日2回行動の2回行動目です。
1日1回1作品更新出来ればいいなレベルでがんばります。
「何か用ですか?」
私の小屋の扉を無造作に叩く心当たりはそう多くはありません。
ですので響いた木の音に対して穏やかに要件を伺います。
「お、音がしましたので目を覚まされたのではと思いまして…食事を準備しますので宜しければでてきていただければ…」
『ワォン!』
そう言えば…いくら痛みで動きたくないし休んでいたいと思っていてもお腹はすきますね。
もう半日以上も何も食べていないのでお腹は鳴っていなくてもすきっ腹であるのは実感できます。
そしてそれは外にいるもの達にもわかっているようで…どうやら気を使わせてしまっているようですね。
体の痛みがひどいので動きたくは無いのですけれど…飲食しなければ生きてはいけないですのでここはありがたくその話に乗らせていただきましょう。
「少ししたら出ますので先に準備をお願いします」
さて宣言してしまった以上は仕方ありませんね…何とかこのバキバキになってしまった体を少しでも動かせるようにしておかなければいけません。
それと…忘れないうちに今日のマナをいただいておきましょう。
今日は試しておきたい事があるので【闇】のマナにします。
残念な事に今日は10パーセントを引く事はできませんでしたが…10パーセントというのはそうそう当たるものではないので今後に期待する事にします。
そしてそれから十数分後…歩くたびに足が背中が肩が、体の全てが痛くなるのを我慢して小屋の外に出る事にしました。
小屋の前では既に肉の焼けている音がしており岩塩で味付け済みのようです。
むしられて山になっている羽根から見て…おそらくキジでしょうか?
解体され串に刺され日輪鳥からあふれ出す炎で焼かれています。
進化して体が大きくなってしまったせいか鳥肉から油が垂れているのが近くなってしまい、日輪鳥が少し嫌がっていますけど…美味しい食事のため我慢してもらうしかないでしょう。
他に食べれると教えた野菜も一緒に串に刺して焼かれているのでありがたくいただきます。
…はぁ~♪
塩と肉の旨味がすきっ腹になっていた胃に染みわたります。
こんな文明が無い生活でこれだけのものが食べれるなんて贅沢以外何物でもありません。
それにしても…。
「あんなに歩いたのに元気ですね?やはり獣人ですから体力があるのでしょうか?」
食事の雑談がてら気になった事を聞いてみます。
だって不公平とは思いませんか?
いくら私が運動苦手だからって元子供は平然と行動しているんですよ?
…筋肉痛で私だけ苦しんでいるのは納得できません!
「確かに獣人は人族と比べて身体が強い事が多いですが…それよりもあの水のお陰ではないかな…と思っています」
…あの水って?
んん?
頭をひねってみてもすぐには思い浮かびませんでしたが時間が経つにつれて泉の存在を次第に思い出してきました。
「そういえば確かに水飲み場として確か「生命の泉」に土地を進化させたような…」
「はい!あの水を飲むと疲れが物凄く取れやすいんです!こんなすごい物の使用を許して貰えているだけでもありがたくて…」
…そういえば水が飲めるという事にしか着目していませんでしたが、あそこからは「滋養水」「魔力水」も取れると書いてありましたね。
一方私は魔法の水瓶を使っているのでただの水を常飲している…ここに差があるのでしょうか?
ひょっとするとあの水には元子供が言っている通り何かいい効用があるのでしょうか?
確かに健康に影響するリスクも考えられますが、この筋肉痛から逃れられるのなら…これは一考に値するかもしれません。
後で水筒ですくって試しに飲んでみますか…。
そんな雑談をしつつも食事は終わりを迎え、眷属達も含めて和やかな空気の元くつろいでいます。
…本当に問題何か起きずこのままのどかに暮らしていければいいのですが…そうはいきませんね。
片付けなければならない大きい事は終わりましたが、まだまだやる事はありま…いえ増えました。
時間が経つにつれ増えて、最悪取り返しがつかない事につながりかねないので少しずつでも片付けていかなければいけません。
考えつくだけでも殺した管理者の男とつるんでいた盗賊団の動向、逃がしたエルフへの注意、ドワーフ達に次はどう接すればいいか対応の考え、奪ったマナの使い道、進化した眷属の能力確認、戦利品の資材や物品の調査と処分等と手を付けなければいけない事が山積みです。
ですがまず早急に対応すべきは…昨日頼まれたエビルプリーストの件でしょうか?
わざわざ私に話をしたいと伝えに来るぐらいですから、早く話したい事があるのでしょう。
そうと決まれば早速やってしまいましょうか。




