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【4-9】同郷の者を訪ねる

こちらの世界に来てから11日目…私は今荒地を南西に向けて歩いています。

結局あの場に1時間は騒ぎながらとどまっていたドワーフ達を強引に帰らせた後に一晩ゆっくりと考えた結果、こちらから出向く事に決めました。


危険かもしれない場所に自分から近づくのは愚かなのかもしれませんが、昨日のランドトレーサーのせいで私の本拠点の場所がばれてしまった可能性があります。

それならもうどのような形であれ、あちらの決めたタイミングで接触がある事は予想されますし、いつそれが来るのか不安にさいなまされ続けなければなりません。


でしたらいっその事機先を制すためこちらから出向いてしまえという事です。

今私が持っている情報はドワーフ達から聞いた第三者の伝聞情報ですので直接確認して正確な情報が欲しいのが1つ。

そしてもう一つは相手の管理者の土地の把握…できれば接触して話をして人となりが把握できれば一番いいのですがそこの踏み込み過ぎは怖いので、こちらはできたらでいいでしょう。


怖いのは…相手の管理者がいきなり武力行使に出てきた場合ですね。

もう11日も経過しているので相手が利用できるのは全部で15マナとになりますでしょうか?

既に土地に利用した情報を聞いていたりランドトレーサーで損失しているので全て残っているはずも無いですけど、それ以外の点で我慢をしていれば強力な眷属を持っていたとしてもおかしくありません。

それに…神の奇跡カードを1枚は持っているはずなので、これがわからないという点も油断できません。

念のために戦力の半数は連れてきていますが不安は完全に消える事はありえません。

ちなみにアンデッドの全てと火よこは小屋の守備に当てています。

留守中に何も無くなっていたというのが一番困りますし…ヒポグリフも置いてきた方が、いえいざという時のために私を守るための切り札に連れて行きたいと、このように一生懸命悩み続けたせいで少し寝不足です。

そして同行者には何故か子供がいます。

子供だけ拠点に残しておくと私がいない間に何をされるのか怖いという不安があったので、ここにいるのはさほど問題は無いのですけれど…自ら進んでついていきたいと志願してきたのが理解できません。


何か私の考えが及ばない狙いがあるのでしょうか?

それとも私の見落としがあるのでしょうか?

結局、一晩考えても何か気がかりな点が思い浮かばなかったので、私の言う事を聞くのと邪魔をしない事を約束させての同行を許可しました。


さて、陽が登る前に出発してから随分と歩いてきましたし、ドワーフ達の話が本当ならそろそろ見えてきてもおかしくないと思っているのですが…。

そう考えながら長く歩き続けて疲労を覚えた足を必死に動かしていると、私の後方を飛んでいたヒポグリフが降下してきました。

そして進行方向より若干右…より西の方をくちばしでつつく所作をしたのでどうやら目的の場所を見つけたようです。

どういう結果になるかはわからないですし本当はこんな博打は打ちたくないのですけれど…見つけてしまったのならば覚悟を決めて行くとしましょう。


ヒポグリフが指し示した方向へ進路を変更し、しばらく歩いていくと遠目に何か見えてきました。

小さくしか見えなくて何かははっきりとしませんが、恐らく建築物だと思います。

恐らくあたりでしょう。


「では予定通りヒポグリフは待機で…何か騒動がありましたら動いてください」


『クルゥ』


私の指示にヒポグリフが頷くと残ったメンバーで建築物に向けて再び歩き始めます。

ヒポグリフが側にいないのは不安になりますが…最初から威圧をもって接触したりするのはあまりよくないと個人的に考えたため、ひとまず私と一緒に行くのは初期配布眷属のウルフと、姿を隠しているスノーシルフと、ここまで緊張するならついてこない方がよかったのではないかと思う子供なのですけど…


「…別にここで待っててもいいですよ?」


「…いえ!大丈夫です!」


全然大丈夫そうでは無さそうなのですけれど…本人がいいならそれでいいでしょう。

ちなみに子供が同行しても問題ないと判断したのは、子供がいる事で相手が少しでも隙を見せて油断をしないか…という事を期待してです。

逆効果になる事もあるかもしれませんが…まあそれはそれで私の考えがまずかったという事でしょう。


そういろいろな事を考えながらも緊張しつつ歩いていると何か変な違和感が頭をよぎります。

頭痛…ともめまいとも違う痛みではないのですが何でしょうか?


「?」


子供なんかは心配そうに見上げてきますが、危ないという事は無いのでそのままに…する事はせず一度「管理者の本」を取り出して確認します。

そして情報を調べていると…これだという物を見つけました。


「なるほど…他の管理者の支配する土地に入るとこうなるのですね」


地図を見た所、私の支配地域と同じように別の管理者の線が引かれているのが確認できました。

そしてそこを踏み越えて侵入したため「管理者の本」が反応をしたと見てほぼ間違いは無いでしょう。

これは大きな情報です。


「…そうなると私の方の支配地域の情報も一部漏れているのは間違いなさそうです。それがわかっただけでも足を運んだかいがありました」


そうなると…相手の管理者にも私がここにいる事はばれているでしょう。

ならば隠れはせず堂々と接触する事にしましょう。

メモ 現在のマナ量

【火】3【水】3【風】1【土】5【闇】0

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