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【1-7】道具作成

「じゃあこれにしますね…うわわ!?」


私が眷属召喚の対象を決めて「管理者の本」に向けて念じると黄色い二つの玉が輝きながら飛び立ち地面に降り立つ。

黄色い玉はそのまま素早く地面を滑るように浮遊し、見た事が無いような魔法陣を描いていき…光と共に動物がどこからともなく現れる。


『ワン!』


黒に近い灰色の毛並みの狼が私に向けて吠えるとお座りをして尻尾を振りながら待機している。

…可愛くていいですね。

ペットを飼いたいと思っていた事もあったけど大変そうだったのであきらめていたのだけれどこれはいいかもしれない。

ちなみに私が召喚したのはこれですね。


------------------------------------------------------------------------------------------

名称:ウルフ

種族:動物

召喚コスト:土2

維持コスト:肉類


ステータス

体力 :4

攻撃力:5

魔力 :0

持久力:6

俊敏性:9

器用さ:2


装備スロット:0


スキル

①遠吠え2(遠くにいる同種族へメッセージを伝える)

②嗅覚2(においに少し敏感になる)


特性

①無し


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『私の助言を無視するなんて本当に理解が浅くてどうしようもない人ですね』


自分の意見が通らなかったせいか女は子供のように不機嫌になりながら口を尖らせている。

まあこの女の事を気に入らないというのは私の本心でもあるので問題ないですがそれ以外にも理由はあります。

過去にあったこの手のゲームは最初にどれだけ回転率をあげる基盤を持つことができるかで使える手札の数が明らかに変わってきます。

それでいて戦力の強化…非戦闘員である私以外に戦闘ができるものが早急に必要と考えます。

戦力については今すぐ必要になるかどうかは分かりませんが…仮に必要な事態になった場合本拠点を守る事が出来なくてそのまま私の人生は終わりでしょう。

ですからかけておかねばならない保険という意味合いが強いです。


その二つ…機動力と戦闘の保険を兼ね備えた結果、最初は機動力の面では「グレイホーク」「ペガサス」戦闘の面では「サラマンダー」「コボルト」辺りがいいのではないかと考えていました。


ですけれど直接戦闘だけでは無く本拠点が襲われる事…その事態に対しての察知、守りも必要となると候補が段々と揺れていきました。


そして最終的には「グレイホーク」「サラマンダー」「ウルフ」の三択となったのですが、グレイホークは体力の低さ、サラマンダーは運が悪いとすぐ死ぬと思って「ウルフ」にしました。

運が悪いというのは、小屋の天井を見上げると…屋根に穴が開いてるんですよね。

これで天気が崩れて雨でも降った日にはサラマンダーは雨水で最悪死んでしまう可能性があるでしょう。

リスクを避けなければならない状況だったため選択から漏れてしまいましたが非常に心残りになってしまいました。


…ちなみに【水属性】は一読して全て即却下です。

理由としては機動できない戦力等今の段階では論外だからです。

水の土地が現状無い以上リスクが高いですし、水のマナの土地進化で1個作れたとしてもほとんどはそこから動けないでしょうしね。


『まあいいでしょう次に進みます。次は【道具作成】ですね。ほら同じようにさっさとしなさい』


女は不貞腐れているままなのかぞんざいに説明を続けていきます。

…雑になる事で説明の漏れが出ないかが不安になりますけど続けてもらうしかないですね。


同じように【道具作成】をしたいと念じると「管理者の本」がパラパラと自動でめくれていき、またリストのような物が表示されます。


剣や槍や弓のような武器に、壺や調理器具やベッドのような家具が表示されて行きますが種類があまりないように感じます。

それに「管理者の本」の説明が大雑把なのでやはり説明が要りますね。

私がジト目で女に続きを促すとあきらめたように説明の続きをします。


『じゃあ試しに短剣の項目を出してくれる?』


------------------------------------------------------------------------------------------


名称:【X】の短剣

材料:任意の素材2個

使用装備スロット:1


効果

(任意の素材により効果が変わる)


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アイテム一つに当たりこれしか書いていないのですからわかるわけありません。

もうちょっとヘルプ機能のような物を充実していただけたら助かるのでしょうけど。

説明に期待するしかないですね。


『今のところは基本的な武器と家具しか載っていないですけれど後々増えていきますから期待していいですよ。まああなた次第なんですけどね?』


なるほど種類は増えていくけど増える条件は教えてはくれないのですか…。


「増やすのに必要なのは?」


『本当に色々ですけど…ここは教えなくてもいいとなっているので割愛するわ』


むぅ…どうやら随分と機嫌を損ねたようで意地悪を兼ねて教えてくれないみたいですね。

面倒なだけかもしれませんけど…そういう意味では説明役としては大外れを引かされたのかもしれません。


『次は…チ!これは必須ですか。では試しに一つ道具を作ってみましょうか』


すぐに笑顔に切り替えたけど舌打ちが物凄く聞こえたのですけれど?

こいつではなく必須項目を作った別の人に一応の感謝ですね…こいつと同じ穴のムジナなんでしょうけど。

だけど経験を積めるのはありがたいので言われた通りにする。


『まずは壺を表示させてください』


------------------------------------------------------------------------------------------


名称:【X】の壺

材料:任意の素材4個

使用設置物スロット:1


効果


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表示させたけど壺なんて物を保管する以外に使わないのではないでしょうか?

昔々は油を詰めて高い所から落として火を付けたり投石器で投射したりと兵器としては使った過去はあるようですけどすぐに必要な物…になるのでしょうか?

今までの事があるので陰湿ないじめなのではと疑ってしまいますが機嫌を損ね過ぎていますのでおとなしくしておきます。


『では素材を渡しますね。今回は私達からの特別の計らいで素材は全て提供させていただきます。まずはそこにある「資材管理箱」の中身を確認してください』


言われた通り小屋の中に置かれている箱に手を触れて…蓋とかついていないんだけどどうやって開けるのかなと考えていると、リストのような物が目の前に表示される。


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【月江奈留の資材管理箱】


・泥土:2

・清廉草:1


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どうやら土が二個と草が一個入っているようですね。

だけど壺の素材は4個だから足りないのではないでしょうか?


『はい、本拠点に最初からついている管理者必須の家具ですね。このようにアイテムを無限に保管できる上に時間停止機能がついているので劣化する事もありません。さらに支配土地で収穫できる効果を持っている土地から1日に1回限り自動で集めてこの箱に格納してくれるのですよ。感謝しなさいよ?』


無限に保管って、なおさら壺っていらないんじゃないかしら?

だけど気になった事があるので挙手をしてから質問をしてみる事にします。


「土地の収穫を実行してしまうとアイテムを全部取り尽くして荒地になってしまうのでしょうか?」


『そんなわけないでしょ馬鹿よねえ。管理者は土地そのものから一部を収穫して保管可能なだけよ?まあこの辺りは難しいのだけど実際に収穫しても土地は変わらないし、その土地には何も影響は起きないわよ。それに収穫物以外にも土地には色々あるのだから収穫物と土地に存在するものはイコールじゃないですからね』


そういう事はさっきの土地の説明の時にすべきじゃないかな?

明らかに女の説明不足だと思うんだけど…。


『話の本筋からそれてしまったわね。では【水】のマナを渡しますのでその4点で作成してみなさい』


つまり任意の素材に単なる資材だけではなくマナも使用可能という事でしょうか。

まあ材料は全て無料で貰ったのだから試してみましょう。

本に載った壺の部分と材料を組み合わせて…【水】のマナも使うように念じて作成すると水色と青色のコラージュした美しい壺が私の目の前に現れた。

どんな壺になったのでしょうか?


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名称:魔法の水瓶

使用設置物スロット:1


効果:「綺麗な水」を少量収穫できる


【フレーバー】

毎日少量ずつだけど人が飲める水がどこからともなく湧き出してくる水瓶


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『【道具作成】ではマナを使用する事で思いもよらない道具を作る事が可能です。まあどんなものが出来上がるのかわからないので頑張ってくださいね』


へえ、これがゲームだったら試行錯誤しながら作成を楽しむのでしょうけど…自分の命がかかっている現状だとしかも資源がカツカツな今だとリスキーにもほどがありますね。

けど後々使う事になるかもしれませんし覚えてはおきましょう。


…それにしても生きていくのに必要な水の供給手段を提供してくれたのは善意でしょうか?

簡単に死なないで最後まで見苦しく見世物になれよと言われたような気もしますのでそこは疑わしき所ですね。

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