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【3-20】私の闇の眷属はこれにします

朝…。

今日の私はいつもと違い機敏にバッと身を起こします。

いつもでしたら…こんなに固くて寝心地が最悪なベッドでも常に疲れているせいで寝過ぎてしまう私ですけれど今は欲しい物があった状況でしたのでむしろ朝が来るのを待っていたぐらいです。

そう、クリスマスプレゼントを期待する子供のような感じでしょうか?


それでは早速「管理者の本」を確認…する前に「小さな墓場」の状況を確認しましょう。

扉を開けて外に出ると欠伸をして眠そうな顔を浮かべているスノーシルフと目があいます。


「何も問題は無かった?」


私の問いに対してコクコクと首を縦に振っているので問題は無かったのでしょう。

今日の夜番であるウルフも健在のようですし…本当にお疲れ様です。

ヒポグリフに引き継いだらゆっくりと寝てください。


さて、眷属達が頑張っている以上私も頑張らなくてはいけません。

まずは小屋に戻って【闇】のマナを回収します。

これで私のマナは【火】3【水】5【風】1【土】4【闇】2です。


この【闇】のマナが2点になった事で召喚できる眷属の幅が更に増えたはずです。

早速「管理者の本」を見ていきましょう。


「グール」「舟幽霊」「サキュバス」「グレムリン」「バンシー」「マッドツリー」「ウコバチ」「レッサーデーモン」「バンシー」等と新しい眷属の召喚候補がたくさん並んでいますけれど私のお目当てのスキルである闇の使役スキルを持っている眷属がいません。


デーモン…悪魔という名前を持っているならそれぐらいのスキルも持っていろと言いたい所ですけれどまったく所持していません。

まさかもっと【闇】のマナを用意してもっと上位の悪魔を召喚しなければいけないという事でしょうか?

そう思いながら次々と見て行ったのですが、ようやく目的の眷属を見つける事ができました。


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名称:ワイト

種族:アンデッド

召喚コスト:闇2

維持コスト:無し


ステータス

体力 :4

攻撃力:1

魔力 :4

持久力:0

俊敏性:2

器用さ:2


装備スロット:0


スキル

①闇の使役1(闇1コストのアンデッドを使役可能、闇1コストの土地の管理権に挑戦可能)

②闇魔法1(初歩の闇魔法を行使できる)

③陽光弱化(太陽の光を浴びている間、ワイトの全てのステータスは半分となる)

④死者(死んでいるため持久力に関係なく常に行動可能、痛覚無効)


特性

①自動修復(ワイトが光属性または火属性の攻撃、あるいは太陽が昇っている時以外で倒された場合、次の夜間に復活する)


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ワイト…スケルトンよりもステータスが若干優秀になって魔力を持つようになり闇魔法もつかえる上に目的の闇の使役まで使えます。


なんという…なんて…


ごめんなさい。

自分をごまかすのも無理です。

これは明らかに使い道に困ります。

そもそもスケルトンと大差がないステータスにスケルトンと同じようなスキルと特性を持ってはいますけれど本当に物足りなく感じてしまいます。

特に昼間はスケルトンとほぼ同様の役立たずになるのではないかと予想できます。


これで管理権への挑戦…そういえば何をするのか確認をしていないのでわからないですけれど挑戦させるのは不安に感じます。

ダメもとで夜になったら挑戦させてみる?

これだと失敗しても死んでワイトを失う事は無いでしょうし一旦それで様子見をするというのは?


…そういえば今考えた通り「小さな墓場」の管理権への挑戦の内容を確認していませんでした。

情報が足りないままだと決め手に欠けたままですし一度確認してみましょうか?








そして私は「小さな墓場」まで来ました。

もう辺りは明るくなって来ていますがやはり墓場なので若干のうっすらとした不気味さはありますね。

そしてアンデッドの残骸らしきものが見当たらないのでどうやら昨晩はアンデッドの自然発生は無かったようです。

では管理権への挑戦の内容を調べてみましょう。

「管理者の本」を使って墓場自体を調べてみると中央の墓石の辺りでメッセージが表示されました。


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闇の使役を持つ者はこの墓地に眠りし代表者と1対1で戦い勝利をおさめよ


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なるほど、これは事前に調べておいて正解でしたね。

タイマンで戦って勝つですか…。

この墓地に眠りし者という事は相手もアンデッドですよね?

私の予想ですが仮にそうだった場合、こちらがワイトを使ったとしても戦闘に使えるのは闇魔法…アンデッド相手に効果があるでしょうか?


結論としては私の憶測だけでは役に立たないので、実際に試してみないとわからないでしょう…ですけれど通用するイメージが沸きませんね。

おまけにワイトの攻撃力はスケルトン以下…勝ちを拾うのは限りなく難しそうです。

やはりここはおとなしく明日【闇】のマナを回収を待ってより強力な眷属を狙いに行くべきでしょうか?


そうなると今日も眷属達に引き続き頑張ってもらおうかとも考えたのですが、そういえば先ほどのスノーシルフも若干疲れたような顔をしていました。

実質三人でローテーションを回している上に間の時間で食事の確保をしてもらっていますのですからそれは疲れが厳しくなって当然と私も思います。

1日早いですけどここで切り上げるか明日まで粘るか…そう考えていた時に昨日の子供が話していた言葉が私の脳裏に浮かびます。


そうでした。

こちらの世界のネクロマンサーみたいなことはできないかという事を試していませんでした。


ダメ元ですし一応試してみましょう。

そうして「管理者の本」を開きながら「小さな墓場」を歩き回っていると驚いたことに反応がありました。


確認するとメッセージが表示されていて、生への渇望と恨みにより死体を眷属として可能と表示されています。

だけどここに埋めた人達ってあっさりと倒してしまったのであまり強そうな人がいなかったようなと思いながら期待せずにリストを見てみる事にします。


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名称:エビルシスター

種族:アンデッド

召喚コスト:闇2水2

維持コスト:無し


ステータス

体力 :20

攻撃力:5

魔力 :30

持久力:0

俊敏性:10

器用さ:10


装備スロット:1

①空き


スキル

①闇の使役2(闇2コストまでのアンデッドを使役可能、闇2コストの土地の管理権に挑戦可能)

②闇魔法2(基礎的な闇魔法を行使できる)

③水魔法1(初歩的な水魔法を行使できる)

④光魔法0(光魔法を行使できないが知識はある)

⑤死者(死んでいるため持久力に関係なく常に行動可能、痛覚無効)


特性

①光弱点(光に関するダメージは2倍受ける)

②残された信仰(エビルシスターの魔力を消費する事で数時間の間光弱点を無効化する)


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シスターなんてここに埋めましたっけと思いましたがそう言えば犯罪者集団の仲間割れで私が手を出す前に死んでいた方が1人いた事を思い出しました。

ですからこれはきっとその人なのでしょう。


そして詳細を見ていきますがこれは…悪くないのではないでしょうか?

確かにマナ相応のステータスでは無いかもしれないですし【闇】のマナ2点に【水】のマナ2点はマナの出費としては重たいと思います。


ですけれど、闇の使役と闇の魔法が2と高く水魔法も使えるのであれば検証にも使えるでしょう。

おまけに装備スロットもありますし、維持コストがかからないので将来も見据えて運用できそうです。


何よりも1対1で戦うならワイトで挑戦するよりもこちらの方が勝率が高いでしょうし、勝つ事ができれば今眷属達にお願いしている無理のあるローテーションも終わらすことができます。

今考えている事は捕らぬ狸の皮算用ですけどやってみる価値はあると思います。


そのまましばらく考えた後…私は眷属召喚を実行する事に決めました。

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