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【3-13】想定外の朝

『アォオオオオオオオーーーン!』


『キィィィィーーーーー!』


疲れていたせいか深い眠りに落ちていた私は急に聞こえてきた動物の甲高い叫び声のせいでびっくりしてベッドから勢いよく転げ落ちてしまいました。

何が起こったのかわかりませんが眠りから覚めたばかりの回らない頭を必死に動かして、強く打った背中をさすりながら考えを巡らせて行きます。

まずは小屋の隙間から確認すると私が起きるには早い時間…うっすらと明るくなってきている時間ですね。

こんな時間に意味も無く騒いでいるのだとしたらお仕置きが必要です。


ですが…そんな意味も無く騒ぐはずもないのです。

それに「管理者の本」が震えていますので何かに襲撃されているとみていいのかもしれません。

いったいどこからという疑問で頭が一杯になりますが…今は何らかの危険が私に迫っているのは間違いないでしょう。


…だとしたらどうすればいいでしょうか?

状況を把握するために急いで小屋を飛び出しても危ない可能性があります。

ですが何もしないで小屋の中で震えて待つのも時間の無駄になるかもしれないと焦ってしまいますがこれが最善のように思えます。


…そうです!

こういう時こそ「管理者の本」で状況をしっかりと確認しましょう。

明らかに近くで聞こえるので私の支配領域内で問題が起こっているのは間違いないはずです。


「管理者の本」を開いてみると眷属達は小屋の周りに集まっていますね。

さっき叫びが聞こえたのはここからで間違いないでしょう。

それ以外は子供が家の中に…はいないで外にいますね。


危ないので止めなさいと言いたい所ですけどそこまでの義理は無いですね…変な事はしていないといいのですけど…いえ、ひょっとしたら子供がこの騒動の原因である可能性もありますね。

ですがそれにしては眷属の位置と子供の位置が不自然です…側にスノーシルフがいてそこからは動いていませんし可能性は低いでしょうか?


そしてもう一つ異常な物を見つけてしまいました。

明らかに昨日まで無かったものが…無かった土地がいつの間にかあるのです。


「な…何ですかこれは?」


本拠点の南東…ここの荒地がいつの間にか「小さな墓場」という土地に変わっています。

初めて見る土地なのでじっくりと読んでいきます。


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〇小さな墓場

土地レベル:1

マナ構成:土1闇1

建物スロット:1

①空き


【効果】

①この土地では「腐葉土」「骨」「腐肉」をランダムに収穫できる

②この土地は管理状態に無い限りランダムに闇1コストのアンデッドの魔物が発生する

③この土地は闇の使役のスキルを持つ眷属により管理権への挑戦ができる

④この土地が管理状態の場合、死体から闇1コストのアンデッドの眷属を生成できる


【フレーバー】

死体が埋められた土地に怨念が籠りそれが地表へと溢れ出した

その怨嗟の向けられる先は完全に方向性が無い


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…この土地が原因とみて間違いなさそうですね。

私はこのような土地に進化させた記憶も無いですので…これがあの女が言っていた通常ではない土地進化なのでしょうか?


原因は…死体を一箇所に埋め過ぎたぐらいしか心当たりはありません。

まあ進化の原因よりも問題はこの土地の事でしょうか。


まずマナを使わずに土地を進化できたのはありがたい事だと思います。

「何も無い荒地」だと「栄養の無い土」だけしか収穫できないので収穫物の幅が増えるのはいい事です。


…それが本当に必要な物なのかどうかは私には判断が付きませんが。


それとマナ構成の項目に【闇】のマナというものがあります。

どうやら【火】【水】【土】【風】の四つだけかと思っていたのですけど他にも存在するという事がわかったのも収穫です。


そしてこの土地の2番目の効果…管理状態に無い限り魔物が発生し続ける。

これが騒動の原因ではないでしょうか?

管理者である私が管理しているのだから管理状態でしょうと主張したい所ですがどうやら私が支配しているのとは別のようです。

3番目の効果の通りであるのなら眷属が管理しないといけないようです。

それまでは魔物が発生して暴れまわるという事になるでしょう。


これはリスクとリターンの見極めが難しそうですね。

常に襲われかねないリスクはどうやっても取りたくないですけどリターンとしてこの土地の有効活用を見いだせるかもしれない。


…まずは実際に見てから考えてみましょうか。

支配地域の項目を確認しましたが私達以外の表示はされておらず、いつの間にか「管理者の本」の振動も消えています。

ひとまずは落ち着いたとみていいでしょう。


私はおっかなびっくり扉を開けて外を覗く事にしました。


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話が結構進みましたので地図を更新しました。

文章のつたない部分を補完できれば幸いです。


挿絵(By みてみん)

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