【2-1】異世界の初めての朝
結論、2章までは構想があったので頑張って更新してみたいと思います。
タイトル変更も同時にしましたので突っ走りたいと思います。
目が覚めて最初に思うのは…体が重くて気だるいです。
背中は硬いし布団になるような布も無く…そこで私は自分の家で無い事をまどろみの中で思い出します。
どうしてこんな所でこんな目にあっているのか、あまりの理不尽さに怒りたくもなりますけど、怒ってもどうしようもないですし疲れるだけなので諦めます。
生かしてもらっているだけ運がいいのかもしれませんけど何の慰めにもなりませんね。
とにかく目を覚ました以上起きるしかありませんね。
こんな硬いベッドでは二度寝をする気もおきません。
惰眠が今さらながら素晴らしい贅沢であったと思い知らされます。
さて睡眠から目覚めた以上、体が活発に活動を開始した。
それがどういう事に繋がるというと…
グゥゥゥーーーーーーーーーーーー
盛大にお腹が鳴りますね。
人間が活動をすればお腹は空くしのどは乾きます…当然ですね。
誰が聞いているというわけでもないのに恥ずかしくあります。
まずは何か口にする必要がありますね。
水は…水瓶を覗いてみると底から数センチは溜まっていますね。
ゴブリンが口を付けた後というのは気持ち悪いですけれど背に腹は代えられないですので我慢してのどを潤します。
のどの渇きをおさめると次は資材管理箱から肉の缶詰を2個取り出して小屋の外へと出ます。
そして外に出て一番最初に目に入るのが安楽死とは程遠い表情を浮かべ死んでいるゴブリンですか…こんなのを見てしまったら気が滅入ってしまいますね。
ですけどこの尊い犠牲のおかげで私は大量のマナを入手できたので無駄ではありませんでした。
地獄でも苦しんで過ごしてくださいね。
「ご飯にするからこっちおいでー」
『クゥーーーン』
…あら?
昨日と比べて随分とおとなしいような気がします。
ひょっとしなくても昨日のゴブリンの処刑がいけなかったのかもしれません。
従順な眷属にまで不安を与えたのはマイナスですね。
それでしたらこのまま厳しくいくのかそれとも緩めていくのか…どちらにせよまずは朝ごはんにしましょう。
私は缶詰を二つ開けるとそのままもしゃもしゃと食べ始めます。
…コンビーフ缶なので開けたら食器いらずで食べれるのがいいですね。
上品では無いですが食器が無いのですから仕方ありません。
「水はどうしていますか?」
『ワン』
食事中気になったので聞いてみると昨日設置した「小さな水溜まり」の方を向いて吠えます。
何となく設置したものですけど役に立ったようで何よりです。
そうなるとウルフの維持はまあ大丈夫でしょうか?
小さい缶詰でしたのですぐに中身は無くなり…空き缶については金属製ですし何かに使用できるかもしれませんので一応回収しておきます。
量は不十分かつ偏りがあってまずいと思いますが食事はとりあえず終わりましたので2日目にやるべき事を考えておきましょう。
…と言いましても私の頭の中では大体考えはまとまっています。
そこに至るまでの理由があまりにも情けないのですが、実は…昨日歩き回ったせいで足にきしむような軽い痛みが走るので恐らく軽い筋肉痛か靴ずれになっているのではと思います。
距離は2キロそこそこでしたので長いとはいえませんがやはり整地されていない地面を歩くのは負担だったようです。
少し気になる程度ですので問題は無さそうですけど、問題になってからでは手遅れになりかねませんので…慎重策を取って今日は近所周りで出来る事を中心にしましょう。
そして私はしたい事の優先順位をつけていきました。
1.ゴブリンの死体の処理
2.土地の進化
3.召喚できる眷属の確認と「管理者ネット」の確認
4.資材管理箱でアイテムの回収(要反省)
まずゴブリンの死体の処理ですけど…これは最優先ですね。
死体は疫病を発生しやすくしますし…ましてや殺す時に風邪をひかせましたのでウィルスが発生しやすい…という危険な状態では無いでしょうか?
とにかくこれが一番大事なので…まずは。
「こっちの土地にゴブリンの死体を埋めれるぐらいの穴を掘ってもらえるかしら?」
『ワンワン!』
任されたと返事をするように吠えると本拠点の南西にある「何も無い荒地」に向かい前足で穴を掘り始めます。
本当なら手伝ってあげたいのですけど…今私にはスコップどころか棒きれすらもありません。
手で掘っても効率は出ないしケガをするだけでしょうし止めておきます。
私はゴブリンの墓穴をウルフに任せると土地の進化について考えます。
マナが潤沢になったとはいえ当然むやみやたらに進化させていいわけがありません。
まず優先事項に沿って進化先を考えていかなければならないでしょう。
1.ゴブリンを火葬するための火を使うための土地
2.私の食料と眷属の食料を確保するための土地
3.良いアイテム(資材)を確保するための土地
ゴブリンの埋葬については土葬でもいいかなとは考えてみたのだけれど…病原になるかもしれないのでしっかりと焼いておいた方がいいと判断しました。
まあ燃やせればいいので最低限の火が使える…「小さな焚火」を設置すればいいのではないかと考えています。
そして食料についてですが…私が生きていくうえで一番重要ですね。
栄養の偏りもありますけど、塩みたいに生きていくうえで必要な物も早急に確保できるようにしておきたいです。
…都合よく出ない可能性もあるでしょうから周辺との交易も考えた方がいいのでしょうか?
まあ色々と考えられることはありますけど、まずは手っ取り早く収穫できる食料ですね。
食用かどうかはわからないですけど昨日見た「林」には木の実がありました。
ここを中心に進化させていけばあるいはと思っていますのでこちらを中心に試行していきたいと思います。
「池」や「川」を進化させて魚も考えたのですけど…捌く道具も無いので丸焼きにするぐらいしかないのですよね。
内臓を取らない川魚…味の趣向を優先させている時点でダメなのかもしれませんが一度優先順位を落とさせていただきました。
そして「林」には小動物が住むとも書いてありましたので…ひょっとしたらウルフの維持コストの問題の解決にもつながるかもしれませんからね。
根本的に眷属はこういった方法で維持コストを満たしていかないと…例え強力な眷属を召喚したとしても維持できなくて無駄になるでしょう。
なので食料確保のための土地進化は戦力強化のための基盤づくりとして重要になると考えています。
後は食料よりは優先順位は落ちますが道具を作るためのしっかりとした資材を確保したいというのもあります。
木材に…贅沢を言えば金属があれば言う事なしですけどそこまで都合よくはいかないと思っています。
それが終わったら残った時間は情報の収集を引き続き行っていくしかないですね。
最後の資材管理箱でアイテムの回収についてはまあ…実は昨日すっかり忘れちゃったんですよね。
本当ならゴブリンを処刑する前に回収しておけばよかったのですけど…いざ行動を開始しちゃったら忘れて朝起きて気が付きました。
今後は忘れようにしないといけませんね。
さて、ウルフも頑張って穴を掘っているのです。
私も働き始めるとしましょうか。




