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【1-13】回り道での帰宅開始

私の指示に対して集まってきた眷属に対して私は考えていた事を口にします。


「このまま周囲を確認しながら帰ります。ゴブリンは単独でここから最低700メートル以上は西へと向かってそこから南下して戻ってください。私とウルフは東回りで帰ります」


『マダハタラカセルノカヨ?ソレニタンドクデコウドウトカキケンナンダガ?』


今日の所は遠くまで確認するのをこの時点で止めて多少のリスクはあるものの手分けして本拠点の周囲を確認するという提案をしてみました。

喫緊の事態が起こる気配が今の所無いというのもありますけどこの距離なら眷属を犠牲にして私だけ逃げるという事も可能でしょうと判断しての事です。

…それ以上の事も最悪を想定するのでしたらありえるかもしれませんが、その場合は私も本拠点も簡単に潰されてしまっているでしょうしどんな手を打っていたとしても無駄ですから諦めるしかないでしょう。


そう考えての指示でしたのですけどゴブリンの言っている事も一理あるかもしれませんね…働かせる点については私のためにも使い潰す気で働いてもらうつもりなのでいいとしても…確かに無為に潰されてしまうのはもったいないかもしれません。

うん…そうですね。

いけ好かない眷属であっても無駄にはできないしそこの所は意見をくみ取って条件を加えておきましょう。


「それでしたら危険を感じた時点で自分の判断で退避、中止して問題ありません。それでいいでしょうか?」


『エエーメンドウダナ。ソンナコトヨリモ…』


「命令です。今の条件でさっさと行きなさい」


私がゴブリンの発言をピシャリと遮ると、ゴブリンは不満そうな顔をしたまま西へと歩き始めます。

本当に扱いづらくて困ります…眷属の性格ガチャに失敗するとこうなるのでしょうか?

だけどこの事が先にわかったのはよかったのかもしれません。

これがもっと大きくて危険な眷属だった場合…不慮の事故扱いでもっと危ない嫌がらせを受けていた可能性もあります。

それに私の最初の対応がまずかったかもしれないというのも思い当たります。

思い返してみればゴブリンの発言から始まって会話のイニシアチブを持って行かれていたのかもしれません。


…最初からガツンと強気に脅しも含めて躾けておけばもっとましに扱えていたのかも?と思ってしまいます。

それに…


『ワウ?』


ウルフの声に私は思考の海から現実へと引き戻らされます。

私があまりにもじっとしていて反応を確認したかったのでしょうか?

それはまあ…こんな炎天下でゴブリンに命令した後で急に固まっていればそうもなりますね。

これに関しては帰ってから考えればいい話ですし今は今できる事をしなければいけませんね。


「ごめんなさいね。私達も行きましょうか?」


『ワン!』


そして私も東へと向けて歩き出します。

当然周囲を確認しつつ支配する土地を増やすのが目的なのですから「管理者の本」は開きっぱなしにしてまだ支配していない土地を確認しながら進めていきます。

一つ目はさほど離れていない距離で、二つ目はさらに500メートルほど進んだ先にありどちらも私の支配する土地へと追加させていただきました。


 □□□

□□□

□■□

□□□


という事は現在位置は本拠点から北東…「管理者の本」の地図でいう所の右斜め上に2マスといった所でしょうか?

相変わらず荒地を歩き続けており足に痛みがそろそろ現れ始めてこれ以上の無理はよくないかもしれませんね。


「ここから南下して帰宅しましょう。もう少しつきあってください」


『ワン』


私達はそのまま南に向けて歩を進めていきます。

ですがやはり鍛え足りない私の足では無理がありまして…少しずつ休憩を取りながら進めていく事にしました。

直接管理者が行かないと土地を支配できないなんて嫌がらせ以外の何物でもありませんね。

ですけどここに来て初めて単純に支配する土地を増やすという成果以外の物が手に入ったのです。


「あれ?ここは明らかに違いますね?」


南下してしばらくすると乾いた土ではなく大地と同じように踏み応えのある土に変わっているのが一目でわかりました。

早速土地を確認してみるとやっぱり荒地とは違う土地の説明が表示されます。


------------------------------------------------------------------------------------------


〇小さな水溜まり

土地レベル:1

マナ構成:水1土1

建物スロット:1

①空き


【効果】

①この土地では「泥水」を少量収穫できる


【フレーバー】

地面の中央にある円形の小さな水溜まり

動植物の渇きを潤せるが、デリケートな種族の飲み水には適さない


------------------------------------------------------------------------------------------


うん…なるほど。

私はフレーバーまで読み終えると土地の中央に直径2メートルぐらいの丸い水溜まりがあるのを確認します。

この水は残念ながら私の飲み水には使えないですけれど収穫はありました。


まずは情報としてマナ構成からわかるのは大地まで進化させた土地に【水】のマナを与えて進化させるとこの土地になるという事です。

やはり土地を進化させると便利な土地ができるのは間違いないでしょうけど…建物スロットは減っているのですね。


それにこの土地は荒地へ【土】と【水】のマナを1つずつ与えて二段階も進化した土地だという事です。

これをベースに土地を進化させればもっといい土地が手に入るかもしれませんし…綺麗では無いですけど安定して水を手に入れることができる有用な土地ですね。

それならばやる事は決まっているのです…が、先に確認しておきましょう。


「ここの水を飲みたいなら先に飲んでください。大丈夫になったら教えてください」


『ワウ!』


ウルフは尻尾を振るとぴちゃぴちゃと水溜まりの水を飲み始めます。

そしてしばらくすると満足したのか尻尾を振りながらこちらへと近寄ってきます。

それを確認すると私はこの土地を支配し…早速この土地をカードへと変換して「管理者の本」へとしまってしまいます。

後に残されたのは…あの女の説明通り周囲と同じ荒地ですね。


土地がいきなり荒れてしまった事に少し驚いてしまいましたけど気を取り直すとウルフに向けて話しかけます。


「さて今日の所はこれでいいでしょう。帰宅しましょうか」


 □□□

□□□□

□■□△

□□□


※△が現在位置です

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