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【1-10】指針策定

あの女が消えてしまい私の下に残されたのはぼろい小屋とわらで作られた別荘とそれに眷属のウルフが一頭になってしまいました。

異世界の空は…元の世界と同じように昼夜があるようで太陽が空高く真上にのぼっていて今はちょうど陽の出ている時間の半分が過ぎ去ったのではないかと予想できます。


暗くなれば生活の灯りや街頭の灯りといった文明の光は当然こちらの世界にはありませんので…今の私では実質行動できず、外にいるのは危険なのでそれまでに小屋に戻っている必要があるでしょう。


それなら早く行動に移すべきなのでしょうけどまずは…大まかにでも私のすべき目標を整理すべきですね。

闇雲に行動してしまって失敗すれば…最悪私の命を失うことになるかもしれません。

慎重すぎてもいけませんがいざという時迷うような事態はなるべく少なくしておくべきでしょう。


「お出かけする予定だけど…準備に時間がかかるから少し待っててもらえるかしら?」


『ワン!』


小屋の外にいたウルフは尻尾を振りながらお座りをして私を見つめている。

うん、従順に私の言う事を聞いてくれていい子である。

前の世界でも犬を飼えればよかったかもしれないわね。

そう考えつつも私はベッドに腰かけ頭の中で色々と整理をしていく。


まず第一に大事な事は私の安全で最終的には私の命であり…これ以上に重要な事は無く優先すべき事も無いですね。

その為に必要な事に思いつく限り順位を振っていく。


1.生活に必要な衣食住を確保する


2.あらゆる情報を収集して知識を蓄える


3.管理者としての力をつけて他勢力との衝突に備える


大雑把にこの3点かなと思う。

1の衣食住についてまず住はこの小屋があるのでクリアと考えていいはず。

最低限で環境はお世辞にもいいとは言えないけど贅沢は言えないからね。

衣についてはいつの間にか普段着になっていて靴もスニーカーを履いているから今は問題ないと思います。

この世界の人と比べて服装に違和感が発生するかもしれないけど今すぐに対処しなければいけないとかいえばそういう事はないでしょうから。

一番問題になる食について…これは解決の必要がありますね。

水分についてはさっき設置した「魔法の水瓶」のおかげで解決に及ぶかはわかりませんがマシにはなるでしょう。

これは後で検証が必要になりますね。


そして食料…これですね。

安定して確保する手段が今確保されていないのが食糧です。

最悪眷属用としてもらっているはずの食料を私も食べるという手段がありますけど、周りを探索して確保するか土地を進化させるか人の住んでいる場所を探して交易するかいずれにせよ早急に手を打つ必要がありますね。


これが優先すべき第一目標ですね。

このために今から出かけて周りに使えるものが無いか確認をする必要があります。

2の情報を収集も兼ねて行えるので無駄にはならないはずです。

そしてあわよくば管理できる土地が増えれば…まあこれはできるだけでいいですね。

欲張れば欲張るだけ際限が無いですから無理のない範囲でしていきましょう。


簡潔にまとめると…私の安全を第一に無理をせず周囲の確認をするですね。

そうと決まれば出かけましょうか。

まずは魔法の水瓶を覗き込み…水が溜まっているのを確認すると両手ですくってのどを潤します。

水は持ち運びができれば一番いいのですけれど道具を作る資材も無いので今回はこれで持たせます。

そして外でお座りをして待っているウルフに行こうと声をかけます。


「待たせてごめんね。少し遠くまで行くから守って…」


『ワウ…ワン!』


声をかけた所でウルフが首をかしげて小屋の中に入っていきます。

あれ?命令には服従するのではと思い女に騙されたのかと焦ります。

だけどウルフは何か伝えたい事があったようで小屋に設置されていた箱をペチペチと前足で叩いています。

その箱が目に入ったとき私は忘れていた事を思い出したのです。


「あ…そういや神の奇跡カードを引いていない」


慌てていたせいで存在すら忘れていました。

帰ってきて小屋に入れば思い出したでしょうけどこれのおかげでひょっとすると何か手数が増えるかもしれません。

忘れていた事を反省するとウルフを誉めて神の奇跡カードを引いてみる事にします。


「わ!?すごい光!?」


箱に手をかざすと荘厳な音楽が流れ、私はまばゆい光に包まれます。

そして光が収まると共に私の手には複雑な紋様が裏面にデザインされているカードが1枚手元に収まっていました。

期待をして裏返してみるとそのカードの名前は…。



















【ゴブリンカード】


私はそれを目にした途端あの女が仕組んだのではないかと疑りながら怒りに任せ勢いよくカードを床にたたきつけてしまいました。

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