幻と損を逆さまに
ガラス玉の中に溜まった気泡のような
そんな人生をただ送っている
行き場のない両手と
行き場の決まった自分が
視界の端で微かに
横たわっていた
楕円形に切り取られた天井は無色だ
レンズの汚れが気になって
味気の無い日々と
塩気の無い食事が
止まることがないまま
横たわっている
回らない天井扇
変わらない景色
子どもたちの遊ぶ声と自分の間に
透明な液体が挟まっている
綺麗だね
かぼそくて折れそうな枝
花びらは時期を過ぎてしまった
うらやましい
目に刺さる緑色
鬱陶しいんだ
カーテンを閉めて