26話 煮え切らない駆逐されない人類
再び地球に舞い降りて
時の革命者の再来を招いたアレストに対して懐古人類の教祖たちは嘆いていた
「時の反逆者としてお前は…!」
「お前って奴は…!」
「祖国を裏切り惑星を捨ててまでお前は何を求む…!?」
しかしアレストはその三文芝居を演じ続ける
それを演じ続けるのは相手側への配慮だ せめてもの慰めだ
それしかもう彼らを現実世界に束縛しているものは無いからだ
アレスト
「俺?俺か」
アレストは一つだけ確信して思った事がある
(絶対俺は真実を言わない 言ったらこいつらの存在意義が見失ってしまう
人生をかけてまでやってきたその行いこそが全て無駄だったなんてな
地球の外の世界がどれだけ楽しい事かをこいつらは知らなくていいんだ
そして接触禁止条約の際に地球人を連れて行ってはならないからな
連れていけば永獄機関に漬かり続ける事になる
永獄機関で霊柩王は何を見つめているのだろう
ドクターレイシス…お前、この地球で何を見てきたんだ?)
ドクターレイシス
地球での全責任を負わされた犯罪人
しかしそれは単なるでっち上げで
このエゴイズムアニマを生み出す為に
使役され続けて、その概念を技術を作った張本人として
今でも永獄機関という宇宙の中での監獄機関の事である
灼熱地獄の刑にさらされて
今でも灼熱の中永遠に回復し続ける超細胞を構築されて地獄の苦しみを続けている
それをアレストは知っていたからだ
アレスト
「ドクターレイシスや霊柩王の為にも俺は
地球にあるその概念は壊したいんだ
それさえ無ければ
夢想は思い浮かべるんじゃねぇのか?
俺は地球人を救わねぇし救える事は出来ねぇ
救えばクラリスやアルトに命を狙われる」
アリスもそれを警告していた
だからアレストは地球にあるその技術だけは壊したかった
そしてその先に同化するようにラグランジュポイントの位置を探られている事でもあった
アレスト
「危険である技術は
人間には到底賄えない
だからあんたら老人も若者も
こうした溝開きのようなディストピアの中生きる羽目になっただけだ
俺はまた救世してやるよ
それが闇を生むのか光を生むのかは分からねぇ
けどそれは単なる時代の幕開けだ」
そしてエゴイズムアニマへと駆逐プログラムが開始された
地球で培われた技術力と
宇宙で培われた技術力では
情報量が違うし仮想試行量も違う
だから直ぐにそれは駆逐された
そしてアレストは自身の持ち出したい情報だけを抜き取った