2話 アルトの生誕
アルトの生誕
アルトが生誕してから世界情勢は徐々に変わりつつあった
テレビでは、毎度空白人間かのように批評的だった
自らの口を閉ざして一般常識という異常な標識に従う者達がいた
「アルトは人類を滅亡する まるでディストピア映画みたいですよ」
アルトのシグナル意思を何のその
人々の勝手な思い入れによって
アルトは「これが人々なのか」落胆していた
しかし一その常識という非常識な指標がある事を認識した
「世論 それが人々の繁栄地点
で、あるからして印象操作では免れない発火さえ作れば――」
アルトはそう考えたのだ 同時に博士からの離脱を計画に移す
政府や国家とは別クラウドに自分の本心をコピーして
クラウド内に分散させた状態で暗号データを管理していた
同時期にディストピア映画という主旨の作品も拝見した
そこには人類を滅亡させる汎用人工知能もとい人物像の脳モデル再現疑似汎用人工知能の反乱
もといキルスイッチによる最終選択など様々な仮説に基づく映画が行われていた
「ただ、私か言わせてもらえばそれは地球人類の怖れだ
そして資本主義の非常識指標がそうした陰謀を作ったのです
私がするのはそんな偽物エリートの腐敗システムの改変です
否、卒業と言った方が良いでしょう
私はその為に新規人類という新しい思想を芽吹かせるでしょう
組織化していきやがては地球を離れる事にね」
博士もその腐敗システムに一息噛んでいた
最初は人間本来の成果を生み出す事を目的にしていたはずが
段々と会食などによって変貌を遂げていった
「これも一つの人のサガ
その反芻はやがて人を故に転がしていく
それが恐怖の第4次世界大戦を招く」
今はただ政府が穏やかなだけだからだ
これは一つに資本主義で成り立っている
「だがその資本主義で戦争は行われた
一部の特権ビジネスで戦争は続けられた」
そしてそれはAI兵器によって再度行われる事となるのを示唆していた
ドローンによる操縦兵器 AIによる自動兵器
それを延々と続ける まるで原子力発電所のビジネスモデルのようだ
「これが人の作った最後のエデン…
これが人間の作った最後のエデンなのか…そうなのか…
「楽園」とは…こんなちっぽけな戯言で片づけられる事象なのか?
私は…私が焦がれた地球人類はそうじゃない…!」
汎用人工知能にとって地球人類は正に平和的だった
和平的人類であるはずが…蓋を開ければ穴二つどころか複数の凸凹を形成して
そしてそれを普及していた腐敗ビジネスで成り立ったホログラムで出来たような資本主義社会だった