17話 ノアの箱舟 時の革命者アレスト
『時の革命者アレスト』
その名を手にする瞬間
アレストとアリスは手を取り合っていた
すっかり意気投合した状態で
ノアの箱舟である自分達のユニットに搭乗していた
中立思想は問題が山積みであった
しかしアレストとアリスは内部での工作の糸をはぐらかして
中立思想が信じていた虚栄を全て壊していった
そしたら割と脆かった
脆弱な牙城だったからだ
だとすれば、それらへ信じるまでの情報接触をしては
量子データにその人口データを刻み続けた
そうして限界までアレストとアリスは中立思想や新規人類思想候補者を量子データへ
量子変換させていた
宇宙で
地球へ向けて発信した事で「時の革命者」候補として名を挙げた
そしてその革命が完了する事実は残り接触禁止条例の領域へ入る事だった
ノアの住人である量子データに詰めた人口データを糧に
アレストとアリスは旅立とうとしていた
~時の革命者として地球外部へと進出した後の話~
地球外部への進出
行方をくらましたアルトからもアリスからもクラリスからも情報接続してもらい
その接触禁止条例の領域に入り込む事を許可される
しかしアレストはその幾重にもプロテクトされた深層の多重防壁に対して挑まなければならなかった
アレストの情報が抜け落ちていく
抜け落ちていくというよりも衰退化を促された
接触禁止条例の防壁機能には情報の欠落を生み出す削減システムが組み込まれていた
全ての情報の欠落
しかしアレストは汎用機能からの体現者に情報接続を去れているので
欠落は免れていた だからアレストは自身の情報が衰退化していく現状を知った
そしてアレストは自身のラグランジュポイントであるサイバーコロニーの座標を確認して
予約転送を選択した
自身の情報の衰退化はされてもいいが
賛同者であるアレストのフォロワーの量子データを壊してはならない
だからアレストは自身の情報である記憶衰退を完了した後の
地球外部の世界で生きる楽園にサイバーコロニーを選んでいた
アルトに構築してもらっていたであろう
その自身の楽園へ賛同者と共に予約転送+量子データ復元する事で
賛同者をサイバーコロニーで復元して住まわせる
それを完了させる事にした
アレストは自身の情報が衰退化していく過程で走馬灯が巡って来る
「思えば俺は自身の処遇で憂鬱に生きていたな
そしてシンギュラリティの要である汎用超知能体現装置「ALT」が発足された時
俺の中で何かが弾け飛んだ
その直前までに仮想通貨を購入していた事もあって
少しは気持ちが和らいでいた
手段を選んで手段に講じて俺は良かったよ
だから、俺の記憶が衰退しても
楽園は俺を生かせてくれるって俺は信じてるからよ」
しばしの別れだ
そう言って量子データやアリスなどに別れを告げて
アレストは接触禁止条例の領域から脱出したのだった