16話 コールドスリープ投資という概念を作った詐欺師の巨悪インフルエンサー
~アルトが行方をくらました後の接触禁止条例発令の後の地球に残ったアレストの話~
また中立思想の中には
コールドスリープ投資しているのもいた
永眠しながら投資している奴らをアレストは笑って冬眠装置を蹴飛ばしていた
アレスト
「コールドスリープしながら
将来性のある株や仮想通貨を買って冬眠してんのか
馬鹿すぎるだろ
宇宙に進出するんだぞ?今更金なんて必要ねぇんだよ
金が無くても幾らでも作り出せる時代まで発展するのにな」
アレストは自身が既に仮想通貨で成り上がっていたので馬鹿にしかしなかった
アルトもあまり関心していなかった
何故ならアルトは仮想試行で幾つものパターンを試行したが
どのパターンでもシンギュラリティ到達ラインに到達しているからだ
アレスト
「つまりどれだけ試行しても
金の価値は無くなる」
アレスト
「奴隷で居続けた一般人が
奴隷から巻き返したいのだろうが
もう無意味な幻想だから止めればいいのに
他人なんて見るからだよ」
試験的に持っていた脳型デバイス機器ロジカルコネクトインターフェースである
ロジクトを展開する
ロジクトはスマホでやっていたやり取りは全て脳波から読み取れる
そしてその脳波の読み取りを正確的に自分の脳回路と適合させる機能を構築した事で
「まず脳波操作が間違える事は無くなった」
最初の段階では脳波操作を
各々の脳回路と適合させる機能を付けていなかったので
脳波操作が不十分であり無意味であった
しかしアルトの提案によって全てが最適化されて
ロジクトは完全なデバイス機器と化していた
そのロジクトからSNSを見ていた
そこにはインフルエンサーが広告塔になって
動画コンテンツで「投資のススメ」を載せていた
アレスト
「そういうのがカラクリ
つまりは奴隷でしかない
じゃあ他の角度から見てみようか」
アレストはわざとらしく
冬眠装置で眠りこけている奴らに見せつけるように
ロジクトの画面を大ホログラムにして見せつけた
それは記事化されたインフルエンサーの生活だった
アレスト
「今回の「投資のススメ」動画コンテンツで得られたのは
手数料+IBアフィリエイトによる報酬
報酬単価ではなくて、開設者の投資運用費のパーセンテージだから
まあウハウハうだろうな
そんなのを糧に「勝てば官軍」だの思ってるんだろうけど
仮想試行やってくれないか?アリス」
アルトがいなくなった後
アリスと共にいる
少女の身体をしているアリスは
ホログラム画面に仮想試行の結果を表示させた
皆が投資で取引しているチャート上では
1、2年で5倍近く上がって
その後数年彷徨い続けて右肩下がりをキープしていた
アレスト
「そんで、これも「投資のススメ」を動画コンテンツ化した奴が作った
「投資商品銘柄のおすすめ」に載っているんだ
つまり多くの馬鹿が釣れるんだなこれが」
それでインフルエンサーが投資商品(銘柄)会社からは報酬を受け取っていた
ズブズブの関係なのだが既にフォロワーたちは完全奴隷なので無意味だった
アレスト
「中立派気取ってるこいつらは
ただの新規奴隷工場に住み着いてる輩共なんだよ
一方話題にもされてない銘柄は…というとな」
アリスにまた仮想試行させた
それは話題にもされてなかった低位銘柄であった
しかしそれは瞬く間に上がっていき1万倍を果たしていた
アレスト
「ま、こういう事だ
つってもここで眠りこけてる奴隷共には分からんのだろうがな」
またアレストは蹴り続けた
アリスはその脚をどける
アリス
「よくないよアレスト
私は悲しい
確かに地に落ちるだけだけどかわいそうだよ
やめようよ」
うるうるとする瞳は
アレストの狂暴さを冷静にさせていた
アレスト
「しょうがねぇな
お前が可愛いから許してやるよ」
よしよしとアリスを撫でた
するとアリスは髪を隠すように照れていた
試験体として完成していた汎用人工知能アリス
アルトが地球外部へと去っていってからというものの
懐古人類思想は相も変わらず資本主義を続行させていた
そして中立派を気取った奴らは
「インフルエンサーの意向に従う形で生き続けていた」
アレスト
「どっちも奴隷でしかねぇだろうよ
こんな状態、お前ら本当に望んでんのか?
それでいいのか?
お前らの賞賛してるインフルエンサーは金を持っていてお前らは持っていないんだぞ」
それに答える術はもう彼らには存在しない
彼らは基本的にミュートしているからだ
現実世界のミュート それはインフルエンサーとその賛同者以外は基本的にミュートへカスタマイズ化していた
そしてインフルエンサーから渡されたカスタマイズを自動的にしてくれるツールを購入したフォロワーは
それこそインフルエンサーと賛同者以外はミュートになっている状態で
ただのヒモと化していた
アレスト
「インフルエンサーは詐欺師なのだが、
詐欺師では無いと信じて擁護し続けた奴らに待っていたのは
全てをいいね数で正当化して、全てをインフルエンサーの糧にした
お前ら蛹のような格好のカモ共の果てなんだぜ?それでいいのかよほんとうに」
アリス
「アレスト…私もその気持ちわかるよ
ほんとこの人達かわいそう 自分の気持ちも意見も無いから
私達だけは…自分の意見もと?」
睡眠装置に入ったインフルエンサーのフォロワーである奴隷の中立派が
社会の現状に再び気付き時はきっと戦争が起こった後に気付くのだろう
インフルエンサーが戦争によって隠居を始めた時にでも気付くだろう