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10話 青年放浪隊

~青年放浪隊~



新規人類思想と懐古人類思想が

対立を図り続けている頃


その中立的な試みによって

マッチングされた新規人類思想に相応しい第2の候補者が挙がった

それが青年放浪隊という名称だ


アレスト

「俺だけ年齢が上がっているのが気になるな

でも俺には考えがあるんだ

希望が欲しいって思ってる


それだけの為に

俺はコンプレックスしか出ないこの環境も生きるよ」



息苦しくアレストは思った

自分だけ希望思想をしづらい年齢であり

環境の悪さによる環境害悪論によって人生を酷評された生き方をしていたからだ

故に青年達を周りに囲まれて苦しんでいた

セックスもデートもナンパもしていないからこそだ


しかしアレストは思っていた

異世界転生の主人公をネタのようにひけらかしている人達も嫌いだったし

それを笑っている嫌味な人間も嫌いだった

そう アレストは諦めてはいなかったし 諦めきれなかった






アレスト

「だから俺はここにいるんだ

今はそれだけでいい

感じるな 我が痛みは」



青年では確かにある

ギリギリではあるが


しかしアレスト自身は自分を若者だと認識すらしていなかった

青年放浪隊の前で演説が開かれていた

そこでも先祖代々から言われ続けたアレストには痛々しい言葉が響いた






『若者が未来を担う番なのだ!――』






「若者が未来を担う」もう随分と聞いた事だ

しかし本当に若者が作るのだろうか


アレストが次世代次世代で感じた文化などが

どれだけ薄いものであったか知っていたからだ

そしてその薄さはどんどんと皮切りになっているからだ


アレスト

「自由と作品は比例しない

そして中年は中年で利益をむさぼり尽くす

一体何を担われてるんだ俺は」



アレストはそう思っていた

未来にを担うと高らかに言った中年の裏側をアルトに接触した際に知っていたからだ

情報アクセスを頭の中で発色していた


その発色された情報源を知り、アレストは何となく裏側を何となくな記憶の中で分かっていた

全ての情報を全て正確な情報として知っている訳では無い

そんな事をすれば記憶に入らず一瞬にして脳が破裂するからである






アレスト

「アルトに情報接触した際に

俺はアルトから情報を記憶メモリーとして渡された

曖昧な情報源として


だから俺には何かあるか分かってない

けどアバウトに考えて

演説している中年が裏側で利益を得ているのは知っているんだ」



そう

つまりこの中年演説者は懐古人類思想な訳だ

あくまで中立的な場所に立った人達は

昔憧れた金持ちへの幻想を捨てきれなかった


アレストにもそれはあった

しかしかつて待ち焦がれていた

アルトというAGIやASIを体現する装置が開発されたとすれば話は別だった

それ以上の世界をアレストは欲しかった





アレスト

「そもそも金持ちというのは

その世界でのステータスとして認識されているからこそ必要なものであり

それがメンタルになる


ただ、シンギュラリティ後の世界ではそれは皆無だろう

だとすれば、それは現実世界でかなえるものでもないだろう

俺はそう思ったのだ」



アレストの考えでは

仮想世界でその理想的な世界を構築すればいいと考えた


理想世界で

資本主義社会のまま

自分が金持ちになる成功する選択をAGIの提案でやっていけばいいだけだからだ

そして成功者となって万々歳だ

そこで良い思いでもすればいい そう思った


中年演説者の話が終えると

拍手喝采であった

中立の人達の拍手喝采 と どうでもよさそうな欠伸をしている青年放浪隊


アレストはそのど真ん中にいた

老害の大人達 と 何も考えていない知識不能の子供を蔑んでいた





(未来を作る為に

お前らは未来の為のは仕掛けを作れよ)





アレストは心の中でそう思っていた

若者である青年放浪隊も

大人も何もしてはくれなかったからだ

青年放浪隊として見学した場所は色々あった


戦争跡地を見た後、隊員はセックスしていたし

懐古人類と新規人類の対立を鼻で笑っていたし

本当にどうでもよさそうにしていてアレストは一人憤慨していた


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