第六話「魔王討伐作戦」
主)過去編第二話です。
『数字組織』に入ってから一年が経過し、俺らはSランクとなった。そして全ての『数字組織』のメンバーが揃ったと報告があった。だが、今現在、俺ら2人の存在はボスと秘書しか見たことがない。なぜなら、ナリクの空間魔法で姿を消しているからだ。
「よし、全員集まったな」
「ん?ⅤとⅥは?」
「姿を現したくないらしい」
「そういう事か」
「だが、力はエゲツないぞ」
「そうなのか…ボスがそういうならヤバいんだろうな」
「ああ、出会った時は肝が冷えたぞ」
「そ、そうなんですか?」
「ああ、気づいたら後ろにいてな、彼奴が魔法を使おうとしたら使えなくて驚いていたぜ」
「あなたの結界は魔法を破壊しますからね」
「だが、破壊できなかった魔法もあったがな」
「破壊ができなかった魔法もあったんですか?」
「ああ、不老不死にする魔法で作った薬だ」
「「「なっ」」」
「そんなのがあり得るんですか?」
「ああ、だから姿を見せないと言ったほうが良いのかな?」
「ⅤとⅥ、聞こえているんだろ?今から外に聞こえないようにしたい」
「第四階級時空魔法『防音結界』」
「第七階級時空魔法『範囲時間停止』」
「これは?」
「この家のみ時間を止め、防音の結界を貼ってもらった」
「ⅤとⅥの能力はエゲツないですね」
「ああ、いつの間にか息を引き取ってる場合も無くは無いからな」
「あ、痛っ、会議中は結界を貼ってないからと言ってもな…」
「「「「………(絶対敵に回してはいけないやつだ)」」」」
「さてと、話を進めるぞ、今回、魔王の行動が活発になってきていてな。単刀直入に言おう、魔王を倒す。これが今回のミッションだ」
「分かりました、日程はいつから?」
「今すぐ、片付けるぞ、Ⅵ、頼んだ」
「第十四階級時空魔法『集団転移』」
「第二十階級時空魔法『世界時間停止』」
「なっ、これが魔王」
「ああ、全員でぶち込め」
Ⅳ:「第二十階級生命魔法『死への誘い』」
Ⅱ:「第二十階級火属性魔法『災厄の炎』」
Ⅷ:「第二十階級氷属性魔法『絶対零度の世界』」
Ⅲ:「第二十階級雷属性魔法『地獄の炎雷』」
Ⅹ:「第二十階級風属性魔法『切り裂く竜巻』」
Ⅸ:「第二十階級死霊魔法『怨霊の八つ当たり』」
Ⅰ:「第二十階級光属性魔法『闇を葬り去る光』」
Ⅶ:「第二十階級記憶魔法『狂気に満ちた大裁判』」
Ⅴ:「第二十階級時空魔法『寿命超短縮』」
Ⅵ:「第二十階級時空魔法『孤独な世界』」
そして
Ⅴ:「『時間再生』」
と時間が動きだし魔王は一言も発せず死んだ
「それにしてもやりすぎたな」
「ああ、大陸ごと消えてしまった」
「この件は我に任せておけ」
「流石Ⅹだな、いや、国王陛下」
「とりあえず、戻るとするか、Ⅵ、頼んだ」
「第十四階級時空魔法『集団転移』」
「フー、大変だったな」
「時と時空を操るものに勝てるのは破壊するものだけなのかの?」
「とりあえず、大いなる脅威は去った、宴だな」
「「「おー!」」」
「「俺らは遠慮しておこう、一応これでも15で時を止めている」」
「そうだったな」
「ⅤとⅥは釣れないね〜、あ、痛っ」
「「じゃあ、適当に外うろついてくる」」
「はいよ」
そう言って外に出て、人目のつかない路地裏に入り、隠蔽を解く
「街を散策しよっか」
「お腹すいたね」
「お前、いつもそんな感じじゃないか?まあ、俺も腹減ったしな、ギルドで食事できたはずだからギルドに行こっか」
「うん」
とギルドに向かうと
「お?眼帯の双子じゃねーか」
「いつからその名前が通った、、、」
「知らんな、なんか依頼でも受けるのか?」
「いや、飯を食いに来ただけだ」
「そうなのか、酒飲むか?」
「一杯だけな」
「はいよ」
「あとピザとチキン、カルボーも」
「オッケー」
「ナリクはどうする?」
「同じの」
「ナリクも同じので」
「手に縒りをかけて作るぜ」
〜10分後〜
「はい、お待ちー」
「お、美味しそうだな」
「うん」
「「いただきま~す」」
「カルボーもピザも美味しいね〜」
「うん、やっぱり濃厚なソースが病みつきになるよ」
と食べ進め
「チキンが焼き上がったぞ〜」
と店員がチキンを持ってくるのだった
「おー、大きいね〜」
「ああ、グリズリーチキンが手に入ってな」
「え?あの逃げ足がめっちゃ速い?」
「よく普通の冒険者が手に入れたね」
「ああ、トラップを仕掛けて倒したらしい」
「おお、トラップか、なるほど」
「お前らが普通じゃないんだけどな」
「はは、それは言えてる」
「それにしてもお前らはほんと見た目が全然変わらないな、もう何年経った?」
「まだ一年しか経ってないよ」
「そ、そうか」
「一年経っただけじゃあそんなに変わんないよ」
「それに俺らは禁忌を犯しちゃってるし…」
「はは、まあ、そうだな」
「美味しかったぜ、お釣りは要らないから」
「お釣り要らないって言ってもぴったりなんだがな…」
「ナルク、ナリク、いたいた」
「ん?あ、総ギルドマスター」
「どうしたの?」
「えっと、暫くは『数字組織』としての仕事も減ることになるから自由に行動してていいよ、っていうのを言い忘れててね。」
「一時解散って感じですか?」
「まあ、そんな所だ。仕事の連絡はこれで行うから」
とイヤリング型の魔導具を渡された。
「ナリク、今後も旅を続けるか!」
「ああ、そうだな」
「暫くは会えないだろうけどまた今度ね」
「「はい」」
そして十五年が経ち
『ナルク、ナリク、ちょっとお願いしたい事があるから来てくれる?』
「「はい、いつもの場所ですよね?」」
『ええ、そうよ』
「ナリク、頼んだ」
「任された!第十階級時空魔法『範囲転移』」
「よいしょっと」
「久しぶりの王都だね」
「だって十五年ぶりだろ?」
「あっという間だね」
と言いながら扉を開け
「で?ボス、何のようですか?」
「そう焦るな、お前、15みたいな見た目だったろ?」
「はい、そうですがそれが何か?」
「お前さんには学校に通ってもらう」
「何か絡んでますよね?それ」
「NO.Ⅹ、ラムル=フォン=スーデリンからの頼みだ」
「あいつの息子の監視をしろ、って事か?」
「まあ、そんなところだ」
「あの国王野郎、、、今度会ったらぶっ飛ばす」
「そう言わずに、それに君とⅣとⅥ、そしてⅩは知られてないからね」
「ならⅣに…ってもうポックリ逝きそうな見た目してるしな…ハー、分かったよ」
「そう来なくっちゃ」
「一応これは持ち歩いておくか」
とナルクはポケットからペンダントを出し
「そうね、王室の関係者のみが持つことを許されるペンダント、そして、それは国王直々の」
「とりあえず、挨拶にでも行ってくるとするかな」
「ええ、そうして頂戴、彼も喜ぶわよ、なんせあなたの姿を見るのは初めてなのだから」
とナルクは出ていき
「で、僕は?」
「ああ、このアルフレッド侯爵家で何やら不穏な動きがあるのでな、その調査をしてほしい」
「終わったら兄さんと一緒に居させてくださいよ」
「分かってるって」
「じゃあこの依頼を達成してきましょう」
「頼んだぞ」
「頼まれました」
第六話いかがでしたでしょうか?大陸を一気にふっとばしてしまいましたねw