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認められた漢
「ねぇ環、俺にもそれ食わしてくれよ。」
どうもどうも。俺は今食堂でスペシャル定食(ありったけ炒飯)を食っている。目の前にいる男が煩いな。
「黙れ。」
今日の具材は中々肉肉しいじゃないか。熱いうちに喰っちまおう。
「…酷すぎるよね。」
…亜久津が肩を落としている。
「亜久津………。暇なんだったら水を汲んできてくれ。」
ちょっと味付けが濃いんだよな、ババァ。
「お前はただの外道だよ。」
はいはい外道、外道。
「おっ、ここにいたのか久遠。」
俺を呼ぶ声が聞こえる。どうもここにきてやっとフルネームが出ました久遠環です。それにしてもこの声は…
「間宮さんじゃないっすか。俺に何か用っすか?。」
3年の間宮さん。俺と同じ、食堂のババァに認められた漢である。当然そのお盆の上にはスペシャル定食。
「今日の放課後暇だったら来いよ。姉貴が呼んでる。亜久津も一緒でいいぞ。」
「わかりました。暇なんで行きますよ。」
「俺はついでなんすね。」
黙ってろよ亜久津。