要らぬ信頼
「たまき、災難だったな。」
職員室帰りの俺を出迎える男。眼鏡をかけたいかにも優等生といったいでたちのこいつは鈴木誠也。見た目通り勉強が出来この学校一の秀才である。いや、最早鬼才である。なんでこんな学校にいるんだ?。
「ほんとだよ、なんで俺だけ…」
因みに俺は体育の授業のハードル走でハードルを飛ばずにそのまま走ったら呼び出された。納得いかない。
「くくくっ…まぁ本当の競技だったら別にいいらしいけどな。最後のハードルを踏み壊したのがいけなかったな。」
ついつい調子に乗って最後の一個は飛んで上から踏み潰したからな。でも他の奴らも手拍子とかしてたじゃん。
「はぁ…脛も痛てーよ。…誠也、宿題やってる?。」
思い出した、次提出の課題やってねーや。
「俺が宿題なんかやると思うか?。」
そう、この男秀才のくせに宿題を全くやらないのだ。その見た目でマジかよ。
「席につけ!。宿題を机に置いて大人しくしていろ!。男子は腕を頭の後ろで組め。」
担当の教師が入って来る。おいおい、生徒に対する信用が無さすぎるだろ。…前科がたくさんあるクラスだからかな。
「ん?んー鈴木か。お前は…いいか。その代わりテストで満点以外をとったら今まで分も全部やってもらうかな。」
鈴木はいつもその条件を易々と乗り越える。マジで脳みそ一割くれよ。
「うーす。」
「さてと…環は職員室な。」
「いや、せめて確認はしろよ。」
やってないけど!。その信頼はいらない。