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戦国異伝~悠久の将~  作者: 海土竜
戦国異伝
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将軍暗殺

「秀頼様~。松永様が遊びに来てくれましたよ~」


「何だこんな夜遅く押しかけるとは、ほんとに常識知らずだな。山の城に住んでて野生化したのか、野生動物は大半が夜行性なのか!」


「え~、そうなんですか? うちで飼ってた猫も夜けっこう起きてたような」


「それは、ネズミが昼間だと見つかるから夜動くからだろ? うちの父上も晩年は夜行性になって、毎晩夜中まで宴会を開いていたぞ? …………まぁ、いくら着飾ってもサルはサル……」


「それも夜行性というのですか~?」


「そうだ、人間も頭を使わず野生化が進むと夜中に表をうろつき始めたりするからな」


「野生化した人間ですか……。夜遅くにうろつくのは恐ろしいですね~」


「だろ? こんな時間に来る奴など、追い返すべきだな」


「それが、松永様は一万人で糸電話を繋いで同時にしゃべると、一万一人分の声が聞こえると秀頼様が言っていたのを確かめるため一万人連れて来たそうなのですよ~」


「マジか! 今を逃したら二度と試せない気もするが、なんかどうでもいい気もするぞ!」


「将軍ー! 将軍は何処だー!」


「おー、流石は一万人もいると壮観だな、庭に入りきれるのか? おっと、俺は天下人だから、この国のすべてが俺の庭だったな」


「秀頼様、私いいこと思いつきましたよ。横だけじゃなく縦にも並べれば沢山整列できるようになりますよ~」


「そうか、上に積み重ねていくのだな、これは便利かもしれん。戦場でも立体的に並ぶことで最前列で戦える人数が飛躍的に増やせるぞ!」


「将軍の首を取れー!」


「なんかみんな物騒なこと言っていますよ~」


「合戦と聞いて士気が上がっているのだろう。兵士とは単純なものだ」


「ふっふっふ、秀頼様そこにおられましたか」


「松永よく来たな。それでは早速……」


「ええ、早速、死んでもらいましょうか!」


「なんだと? きさま、まさか……謀反を!」


「ふわっはっは、裏切りこそ戦国の習い、主君を倒し下克上こそ戦国大名の本懐よ! 一万の兵の前に朽ち果てるがよい!」


「おのれ松永……、こうなったら、蒲生氏郷を出すぞ!」


「氏郷様はまだ調整途中、今実戦で使うのは早過ぎます」


「今使わずに、いつ使うというのだ!」


「本当に使うのですか……どうなっても知りませんよ……」


「行け―! 氏郷! おお、なんという威力! すさまじい威力だ!」


「兜は完成しているのです、しかし、やはり早過ぎました……兜以外が完成していないのです!」


「何……、兜以外など、所詮は、飾りでしかない……」


「いえ、むしろ、兜の方が飾りなのでは? その証拠に規制が入って、まともに見る事が出来ません!」


「その辺は、返り血とかできわどい部分はうまくごまかしてだな……」


「そうですね、飛び出した目玉や内臓なんかで隠し通せそうです」


「余計見てはならない物になってそうな気がするんだが……。しかし、蒲生氏郷でも一万人を相手にするには分が悪いか……」


「秀頼! 貴様の悪運もここまでだ!」


「何奴!」


「三好長逸!」


「三好政康!」


「岩成友通!」


「三人そろって、三好三人衆!」


「その首おいて行って貰うぞ…………ぎゃー!」


「俺の首を取りたければ、三百人衆にでもなって来るんだったな……」


「お前は……剣豪将軍・足利義輝! 助けに来てくれたのか!」


「ああ、というか、ここ俺の家だから、そこで寝てたんだけど……」


「剣豪将軍が出て来れば、後は畳を盾に斬って斬って斬りまくるだけだ!」


「遂に秀頼様も戦われるのですね! 千絵もお供します!」


「天下人たるもの常に戦っているのだ! しかし、知っているか? 日本家屋になぜ畳が使われているのか、なぜ簡単に捲れるのかというと、畳を捲れば縁の下を通って逃げられるからだ! 歴史のある京都の屋敷では、暗殺の危機に陥った要人が幾たびも縁の下を通って危機を回避し命を長らえたのだ。絶体絶命の危機を乗り越えてこそ天下人よ!」


「そうだったのですね! ならば、千絵もお供します!」


「よし、縁の下を通って脱出するぞ!」


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