第2章4話 『生命を奪いし黒蛇』
ゼロの書over
この世界には恐れられている3大魔獣が存在する。
全てのものから魔力を奪う魔獣。
………黒蛇がその1匹である。
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「ぁぁぁぁあっ!?嫌だ嫌だ!!死にたくないッ!?」
あれの正体を知っている兵士達はみな取り乱し始めた。兵士達が怯えるのも無理はない.......あれはでかい。いままで見てきた生き物の中で一番でかい。……あれは勝てる気がしねぇ。
黒蛇はゆっくりと動き出すと変化が起こった。黒蛇から広がるようにして周りの地面に生えていた草木が一気に緑色から黒色になり、ついには灰になってしまった。
…………あいつ、周りから生命を奪っているのか?それともあいつには猛毒があって枯れさせているのか?
……どちらにせよやばい!見つかる前に逃げないと!とりあえずカナリアのもとに戻らないと!
俺は急いでカナリアのもとに戻ろうとした時カナリアが魔法でテレパシーを使って全員に指示を出した。
「聞けッ!皆の者!一時的に戦いを休戦とし一致団結してやつを倒しますッ!やつがまだこちらに気づいていない内に転送するので出来るだけ近づいてくださいッ!」
カナリアのテレパシーを聞いてさっきまで戦っていた兵士達はみな近づいていた。
「いまだ!ゼロ転送魔法最大で!」
「承知。我が魂に応えよ……テレポート。」
ゼロの転送魔法によってみんな無事にテレポートしたのだった。
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「では今から緊急の作戦会議を始めます。」
俺らに残された時間はたったの48時間。それを過ぎると黒蛇が本格的に行動を開始するらしい。黒蛇が本格的に動く前に止めなくてはいけないという訳だ。
あの蛇の呼び方はそのままだが、別名鎖蛇と言われているらしい。何故鎖なのかはよく分からなかった。だが、あの蛇は3大魔獣のうちの1匹で今までにもたくさんの人が死んだそうだ。
「黒蛇が動く前に仕留めなくてはいけません。ですが、残された時間は少ない。今のうちに都内から大量の武器や防具、戦闘石をかき集めよっ!」
黒蛇の周りが枯れていたのは周りから魔力を奪うからだそうだ。魔力は生物の生命線であるが故に大量の魔力を持ってかれてしまうとそのまま死に直結してしまう訳だ。
………これじゃあ、接近戦は無理じゃねぇかっ!くそったれ!俺の戦い方が出来ない!!
また、黒蛇が王都に来てしまうと王都に住む住民が死んでしまう。また、王都が崩壊すればそのまま国は滅んでしまう。だから、何としても止めなくてはいけないのだ。
「作戦としてはやつを狩るには1つしかありません。遠距離で攻撃をし、弱ってきたところで魔法石を放ち一時的にやつの魔法吸収を止めさせて一気に叩き込む。これしか作戦はありません。」
……黒蛇のスタミナは馬鹿みたいにありそうだから、一気に叩き込むにはそれなりに魔力を貯めておかないときついな。
「では、詳しい作戦はまた明日話します。今日は疲れたでしょうからゆっくり休んでください。」
これから過酷な戦いが幕を開けようとしていたのだった。




